第18羽 ~新たな物語の目覚め~
お久しぶりです。11ヶ月ぶりになります。
約1年もほっといたこの小説ですが、また不定期(月1投稿?)で再開します。
ピリピリと、体中が痙攣している感覚と共に、目が覚めた。
「助かった……のか? 1年近く眠っていた気もするけど……」
意識がある時点で、助かったのは確定だろう。まあ、それは良いとして。
なぜか……水に浮かんでいる感覚じゃなく、ゴツゴツとした石の上と言った感触がする。
薄く目を開けて現状を確認したが。
「アンさん、それ以上言ったら、ケツの穴に手ェ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせてまうよ?」
使いさんの、たわわな胸が視界に飛び込んできた。
俺を助けるためか、彼女の全身が水に濡れていて、身体のラインがバッチリ分かる。
うん、なるほど。隠れ巨乳だったのか……。
そう、馬鹿な考えを巡らせていると、“今起こった事件の元凶さん方”が俺の情けない姿をのぞき込んできた。
「あの電撃を受けて、起き上がる、か……。“りぃ”、コイツもしかして」
「か、感心してないで早く手当を! もう、“おにぃ”は いつもやり過ぎなんだよぉ~っ」
逆立った銀髪・江戸時代の武士のような服装・それに不釣り合いのたなびく白いマフラーを付けた男。見た目的な歳は帝の使いより少し下あたりか。
そんな兄と対照的な、腰まである長い茶髪・白のワンピース・男とお揃いの白いマフラーを、首にグルグル巻きにしている少女。男より更に幼く見え、俺の見た目と同じ程の年齢だろう。
「あ、あの。色々とごめんなさい! ……決して悪気があったわけじゃ」
「じゃあ、“何の気”が……あったッ!」
着物の首元をがっしりと握られ、そのまま宙に浮かされてしまった。
表情が般若のような形相で、はっきり言って虎より怖い。てか、殺される? 俺死んじゃう? だ、誰か! 助け……。
「ちょっと おにぃ……おいたが過ぎるんじゃないかなぁ~?」
そうドスの効いた少女の声と共に、強い殺気が背中をなぞる。
「は、はは。いや、俺はだな? りぃの事を思っ」
「おにぃ はいつもそう! ”この子”が謝ってくれるなら良いでしょ! てかおにぃ に関係ないし……お節介が過ぎる!!」
そう、急に始まったお説教タイムが終わると、俺は少女の兄らしい男に「……すまなかった」と言われ離してもらった。と言うより、川原へ投げられた。
「あいだっ! も、もう少し優しく下ろしてくれたって……」
俺が愚痴りながら尻をさすっていると、”りぃ”と呼ばれていた少女がトコトコと近づいて耳元で。
「おにぃ……いや、お兄ちゃんって私のことになると暴走気味になっちゃうの。ゴメンね」
と囁かれた。まあ、気持ちは分からなくもないし女の子のリアルASMRが体験できたなら役得だろうと思い、とやかく言わないことにした。
そう思ってたら、帝の使いの冷ややかな目線が痛いので気をつけようと思う。
そして、冷ややかな目線はもう一つ。少女の兄の、ゴミ屑でも見ているように冷ややかな目線が突き刺さる。
「まあ、俺の愛しく愛らしく可愛らしい妹がそう言うなら良いだろう。……それは良いとしてだ、俺の名前は”雷”と言う。妹の”林”と共にこの辺を縄張りにしているんだが、お前のような顔は見たことがない。何処から来た?」
「俺の名前は”長鳴 比内”。この世に生を受けたばかりの、鳳凰候補の一人らしい。何処から来たってのは、霊亀の爺さんが住む寺から……って、爺さんが言っていたのはもしかして君たち?」
そう言った俺の言葉に一瞬驚いた様子を見せ、「すまないが証拠となり得る物を見せてほしい」と前のめり気味に聞いてきた。
(証拠……俺自身まだ鳳凰になった訳じゃないし証拠なんて)と思いはしたが、すぐにアレの存在を思い出し渡してみた。
「ほう……これは? って、これは?! 父様の力が微かにある……父様がお造りになられた物か」
「そ、そう。俺が旅経つ前、爺さんが虎やら龍の髭を使って作ってくれた物なんだ。証拠としては……不十分かな?」
少し心配になり聞いてみると、いやいやいや! と首を横にブンブンふったもんだから驚いた。
「父様が他者にこのような細工をすることは無かった。それに……この龍の髭は、黄龍爺様の物。これを使うのは鳳凰になるべき幻獣に託す物の素材だ。認める認めないという次元ではない」
「お、おう。信じてくれたのならいいけ」
「おい、比内と名乗った男。その姿は”化人-ケニン-”の力による物だよな? 化人-ケニン-を解いて本来の姿を見せてくれ!」
(証拠は見せたのに、これ以上何かあるのか?)と思ったが、単純に見たいだけだと雷の顔に書いてあった。
って、そういえば進化してから便利だからと人の身体のままで、本来の姿に戻ってなかったな。
丁度良いタイミングだし、確認がてら姿を見てみるか。スキルを使うのは他の奴と同じなのか?
(化人-ケニン- ――解除)
P.S.
お待たせしてしまったこと、誠に申し訳ございません。
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