第13羽 ~やればできる鶏(コッコ)~
追記 8/8
羽数を14→13へ変更しました
「これっ! 逃げてばっかじゃ意味ないぞ? カッカッカッ!」
「っちょ、笑ってないで助けっ……ざっけんじゃねぇジジィ!
コイツらぶち殺したら、次はお前だバッキャロー!!」
爺さんに毒突きながらも、頭の中でグルグルと思考を巡らす。
(昨日、村に着くまでに使った手。厖-ボウ-を使いながらの3コンボ。
だが、あれはダメージを減らせても目立ちすぎる。逃げる事ができても、
イタチごっこじゃ意味がない。なら、どうすれば……。いや、まて。
逃げてどうする。攻撃する手を、窮鼠猫を噛むような奇跡を起こすんだよ!)
そう考えている俺の脳裏に、ある一つの考えが浮かんだ。
窮地に立たされた動物が、藁にすがるように考えついた小さな光。
だが、どんなに小さい光だったとしても、俺にはこの手しか……ない!!!
「跳躍・瞬足・第六感!!!
おらっ、着いてこい虎ヤロウ!」
俺の3コンボを使っても、(おま、チーターかよ!)という速度で追いかけてきている。
思った通りだ。この世界では、格の違いが俺の住んでた世界と違う。チーター以上に
走れて当然だと踏んで正解だった。これで、自分じゃなく、”相手のスピード”を上げて。
「よし、コレで最高速度だな! 行くぜ、跳躍……っ!」
前方でも、左右でも、垂直でもない。後方! あえて虎がいる後方に、バク宙の形で飛ぶ!
そして、着地する場所は……”虎の背中”!!
「足が壊れてもいい、限界まで飛べ俺の体! 跳躍っ!!」
俺の体が、虎の背中を離れ上空へと飛ぶ。それと同時に、踏み台にした虎が潰れる。
更に、それに”勢い余って”躓き、ドミノ倒しのように崩れていく虎たち。
「膨れろ! 厖-ボウ-! もっと、もっと、もっともっと!」
空中で、俺の体はどんどんと大きくなっていく。本堂で膨らんだ以上に。
虎たちをまとめて押しつぶせるように。やがて、重くなりすぎた体は下へ落ちる。
「いっけえええええええええええ!!!!!」
中国拳法によく見られる、受け流しの拳法。相手の力を利用し、相手の攻撃をこちらの
攻撃に変える。俺は、この方法を頭の奥底から引っ張り出し、作戦に織り込んだ。
まあ、最後の攻撃は力業だが。
「「「「GAAAAAAAOOOO…………」」」」
俺の体に押しつぶされ、かろうじて生き残ったとしても、羽に埋もれて窒息死。
地味なわりに、惨い殺し方をしてしまった。だけど、だけど!
「うおおおおおおおお!! やった、やった! あの虎を3匹以上……。
勝てた、勝てたんだよ。俺が、逃げてばかりだった、俺が!」
そう、生きてるという事を噛みしめていると、爺さんが拍手をしながら歩いてきた。
「やはり、私の見立ては正しかったようだのぅ。私が直接教えんでも、あの虎を瞬殺
できる強さ……いや、発想を持っておる。お主は、”やればできるのにやらずにいた”
だけだったわけだ。窮地に立たせてみれば、す~ぐ覚醒する。これは、予想以上に
早く終わりそうだのぅ。カカカカカッ!!」
「は、はぁ。ありがとう……ござい……ま……」
思考と、攻撃に体力を使い果たしたのか……俺の意識は、そこからぷっつりと途絶えた。
■■■
「……! お、目が覚めたみたいやなぁ。おはようさん。して、お疲れさん」
目が覚めると、絶世の美女……もとい、狐っ娘が俺の顔を覗いていた。そして……
俺の頭、いや体全体が、何やらムッチリとした物に乗せられていて。もしかして。
「あの、もしかしてこれ、膝枕というやつですか?」
「それ以外に何があるというんよ、おかしな事言わんといてや」
「いや、現状確認と言いますか。ひ、膝枕なんて産まれて初めてで……」
そう言うと狐らしく、にやぁ……と不気味に笑い、頬を染めながら。
「なら、アテがアンさんの”初めて”を貰ったという事やな! キャー♡」
「キャー♡じゃねぇよ、キャー♡じゃ! 初めてって、そういう意味じゃ……」
「んじゃ、どないな意味なん?」
ニヤニヤと笑う帝の使いを見て、あの不気味な笑いの”本当の意味”を知った。
(くっそ、ハメられた……初めてを奪われただけに!)
「アンさん……そのギャグ、寒すぎるよ」
「…………お、俺の思考を覗くなあああああ!!!」
あと、1,2羽で修行編は終わりです。でも、その前に……
外伝書きたいので書きます。そう、遅くならないようにはします。
できたら、金曜日のうちに……。
追記 8/7
1,2羽じゃ終わりませんでした。
P.S.
もし、投稿が8月後半されなかった時は、
携帯代(ポケットWi-Fi込み)払えず止められたんだなと
思ってください。だ、大丈夫かも知れませんが。
P.S.のP.S.
最近、チキンクリスプばかり食べてます。
主じ……チキンって本当においしいですねっ!




