第12羽 ~トラ・トラ・トラ~
追記 8/8
羽数を13→12へ変更しました
「クォケクックゥ~ルルルルル!!!」
と、目覚まし時計に負けないかそれ以上の、うるさい鳴き声と共に、目が覚めた。
……そうか、俺の鳴き声か。そういえば、鶏になったんだっけ。
まだ、半分閉じている瞼を羽でこすり、「ふわぁあ~」と、アクビを1つ。
朝の冷たい空気が脳に吸収されるのと同時に、だんだんと視界がはっきりして……
この姿になった事・この姿になった事は現実なんだと、再確認させてくる。
『おはようさん、よう眠れたん?』
そんな最中にいきなり(頭の中から)声をかけられ、俺の心臓は、アホほど活発に動きだした。
「び、びっくりさせるなよ……ま、まあこんだけ寝れば、嫌でも疲れは取れるわ。
ホントに、あの爺さん様々だなぁ。寝床を用意してくれて助かったよ……」
あの後、疲れを取るには睡眠が一番! と、寝床を用意してもらい、
その好意に甘えて、朝までスヤスヤと眠っていたわけだ。
『……アンさん、そないにボケ~っとして大丈夫なん? 今日から、修行が始まるんやし、シャキッとしなきゃ駄目だかんなぁ』
「わ、分かってるよ。とりあえず、爺さんがいる場所に行かないと。……布団とかそのままでいいのかなぁ?」
『アテがしまっとくから、心配せんでええよ』
その言葉と同時に、俺の頭から出てきて、テキパキと片付けを始めてくれた。
その行為に甘えるとして、俺は 庫裏を後にする。
■■■
帝の使いから、本堂(爺さんに放り込まれた場所がそうらしい)に行き、座禅を組む爺さんを
見つけた。喋りかけて良いものか迷っていると、爺さんの方から話しかけてくれた。
「ふむ、その様子を見るに、よく眠れたみたいだのぉ」
「は、はい。おかげさまで……」
「それなら良いわい。さて、昨日無駄にした分、とっとと修行を始めたい所だが……
その前に、お主の”修行相手”について教えておいた方がええかのぅ。まあ、ざっくりだが」
それから、爺さんは色々と教えてくれた。この世界には、いわゆる魔法と同じ力、
妖力が存在する事。その力を使えるのは、帝に仕えるものを除くと”12匹”しか
居ない事。そして……。
「その者達は、五行を東西南北に見立て、各地域に生息しておる。そして、この辺りの地域……
”火の南方”では、”虎”が一番強い幻獣となるのぅ。つまり……」
「虎を倒しまくれ……と。って、俺の人生……じゃなかった。鶏生……運が無かったらすぐ終わってたって事?! 二度も遭遇して、良く生きてたよ俺! 凄い!」
「つまり、お主は”逃げ足だけは百人前”だという事。ならば、その自慢の足を
”逃走”から”攻撃”の手段に変える必要があるのぉ。まあ、最初は実践あるのみ。
……私についてきなさい」
「あ、はい!!」
■■■
寺院の裏手から続くけもの道をひたすら歩き、体感時間で30分経った場所に、
草や花が生い茂る草原が広がっていた。
「って、てか……ここまで来るだけでも疲れが」
「この位でへこたれるようじゃ、虎にすぐ殺されてしまうぞ? ほれ、もう……」
爺さんが向いた方向を見てみると、木々の間から怪しい目線を感じ、低いうなり声も
聞こえてきた。(……あ、これ前と同じパターンだ)
そう思う矢先、奴らは俺めがけて飛び出してきた。
「「「GAAAAAAAOOOO!!!!!」」」
「いやぁあああああ!!! 助けてええ!!!」
最近、生れて初めてチキンクリスプを食べました。
鶏肉も悪くないですね。100円でお得ですし。(^q^)
P.S. 8/7
少しだけ加筆修正しました。
前回との繋がりができたと思います……。




