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CHICKE逃げ!!  作者: 阿羅修
第二章 《鳳凰山の老師・修行編》
13/24

第11羽 ~意外な現実~

8/8 追記

11羽と12羽を合わせました。

文字数が、これで良くなったかな?

「どうした? ……帝様の事を悪く言われるのが嫌なのか?」


そう俺が問いかけると、軽く首を振るだけで、何も答えずに居た。


「……そっか、分かった。お前が言いたくないなら聞かないでおくよ」


そんなやりとりをしてると、爺さんが渋い顔をしながら。


「ほう、鶏。そこの化け狐に何を吹き込まれたのか知らんが、かなり信頼してるようだのぅ。まぁ、私は何も言わん。此奴を信頼して困るのは、鶏。”お主だからな”」


確かに、爺さんの話を全て本当だとするなら、帝の使いを名乗っているこの”狐っ娘”は、危険な存在なのかもしれない。ただ……


「どうしても、コイツの事…… 悪く思えないんですよね。実際、悪事を働いたわけじゃないですし。それに、俺はコイツに言われたです。”俺を死なせはしないから、必ず強い男になってくれ”って。俺が、これから 鳳凰(ほうおう)を目指すとしても、その側には、帝の使いがいなきゃダメなんです。その…… だから……  御院主(ごいんじゅ)さんも、コイツの事を完璧に信頼しなくてもいいんで、不信感は持たないでやってください。もし、俺の読み違いなら、俺が”死ぬだけ”なんで」


俺が長ったらしくそう言うと、険しい顔が少し緩み、あきれた様子で。


「そうか。こっちも、命かけられては黙っているしかないわい。まあ、私の方でも、此奴の事を少しはよく思えるように努力しよう」


「そうですか…… ありがとうございます。あと……」


チラッと帝の使いを見て。


「自分のこの体じゃ無理なんで、帝の使いを縛り上げている縄を解いてやってください」


爺さんが、(そういえばそうだった)みたいな顔をしてから、パチンと指を鳴らすと、帝の使いを縛り上げていたはずの縄は、スルスルと解けていった。


「あー、えっと。なんて言ったらいいか分からんけど…… これからもよろしゅう」


そんな、帝の使いの言葉に唖然とした俺は。


「っえ? シリアス展開まだ続いてた? もう暗くなってる時じゃないっしょ(笑)」


「んんえ? いっいや、今まで重要なこと言わんくて、まだ言えんこともあるさかい…… そんなあっさり言われても、こっちの気が収まらんわ」


「この鶏…… いや、”鳳凰候補・最後の一匹”と言った方がいいか? この者がそう言っているんだ。”過去の事件”を全て水に流すことはできぬが、化け狐がここにおっても、私からとやかく言うことはできん。勝手にしてればいいわい」


「ありがとうなァ、爺さん」


「誰が爺さんじゃ、全く……」


不機嫌そうにそう言った爺さんの瞳は、まるで孫娘を見ているときのようだった。



■■■



「で、そういえば……  御院主(ごいんじゅ)さんって何者なんですか? さっき、直接触れずに縄を……」


「そういえば、まだ言っておらんかったのぉ。私は、”三霊神の一柱、元、五霊神であり、神の側近…… 蓬莱山(ほうらいざん) 霊亀(れいき)”と言う。と言っても、今はしがない仙人だがのぉ。これから、お主を”鳳凰としてふさわしい幻獣”に育て上げてやるから、覚悟するようにのぉ」


俺は、その話を信じられなかった。

仙人が名乗った名前は、帝の使いに教えられた昔話に出てきた

霊亀(れいき)と言う、神の使い…… いや、”神と同じ域の幻獣”の名だからだ。


「お、お冗談を……」


「いや、本当なんよ。こんのジジィこそ、元神の側近。不死の老人、 霊亀(れいき)なんよ」


否定しようとした瞬間に、帝の使いにきっぱり言われてしまった。


「ほう、私の言うことが信じられないようだのぅ。なら……」


そう言いながら、仙人は床に正座して。


「試してみるかの? ほら、かかってこんかい!」


――構えも防御もとらず、ただ正座しているだけ。こんな状態で、かかってこいと言う。

それは、圧倒的強者(ゆえ)の余裕。俺ごときに負けないという”決定事項”。

(この仙人、やっぱ本当に……)そう思った俺は、仙人に向かって走り出した。


跳躍(ちょうやく)瞬足(しゅんそく)第六感(シックスセンス)!!)


神狼(じんろう)村へ行くまでに使った、加速コンボ。まあ、さすがに厖-ボウ-は

使ったら身動きし辛いから使わないが。だけど、この3つを掛け合わせれば、

加速状態からの啄-ツイバミ-による攻撃、そして、瞬時に回避。そう、”本来ではありえない”

スピードでのヒット&アウェイが可能になる。格ゲーの初心者が上級者に挑むなら

この方法でしか勝つ方法がないと言える。これなら……っ!


「啄-ツイバミ-!!!」


「技名叫びながら攻撃出すとか、アホだのぉ」


ぺしっ、っと頭を叩かれただけで、俺の意識は飛んでしまった。



■■■



「いててて……。み、認めます、認めますから――殴らないでください!」


「な、殴らないわボケ! ……ただ少し小突いただけだしのぅ」


俺が気を失ってから、別の建物( 庫裏(くり)と言うらしい)に運ばれた。

今は、鶏の体に釣り合わない、ヒト用の大きな布団の上で、休んでいる。

帝の使いはと言うと、俺の自己回復能力を高めるためとかで、俺の頭の中に入っていった。


「――お主が私に攻撃を出す際に分かったが、なかなか筋がいいのう。ま、まだまだ鍛えなきゃならんけどのぉ。そう、時間はかからんだろう」


『本当なん、ジジィ?! なら、次の転生も早いかもしれんなぁ……』


頭の中で、帝の使いが 煇々(きき)として仙人に言うが……。

頭の中心から大きな声で言われているのだ。


「ちょ、頭ガンガンするから、あんま大きな声出さないでもらえます?!」


『おっと、すまんな。でも、本当に良かった…… このジジィに認められるほどでなきゃ、 鳳凰(ほうおう)なんて夢のまた夢やしなァ』


「ほんと、この狐めが…… ジジィ、ジジィと…… 今更言っても直らんだろうし、

もういいけどのぅ。とりあえずお主よ、今は休め。長旅で疲れも出ているであろう。

十分に疲れがとれたら、直々に 稽古(けいこ)をつけてやるわい」

ネガティブなのは直さなきゃですね。

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