第10羽 ~昔話は今へ進む[世界観説明2]~
「ふん、最近の若者は礼儀がなっとらんようだのぅ」
まるで、悪ガキを捕まえたときのように首根っこを掴まれ、寺の中へ”放り”込まれた。
今は、俺と帝の使いが仲良く揃って正座し、お説教タイムだ。
「い、いや。俺…… 何も無礼なこと言ってませんよね?」
そう反論するも、一瞬不思議そうな顔をするだけで、俺の話は気にもしていないようだ。
「ふん、仕留め損なったか。久々の”鶏肉”だからのぅ……」
その言葉に俺が、「いや、鶏だけと食用じゃねぇ~よ!」と突っ込む前に。
「ほう、なら”糞ジジィ”を仕留めて、スッポン鍋にでもしてあげようかんなぁ……!!」
「予定変更するかの。さて、”化け狐”はどんな味がするんだろうのぉ!」
おいおい、なんか二人の間に火花が飛んでるぞ…… ってか俺、完璧に 蚊帳の外か。
んで、この状況。どうしたものか…… って、一つあるか。
「厖-ボウ-!」
俺の体(毛)は一瞬で膨れ上がり、部屋を埋め尽くした。
「むごがぎぎぐげがぐが!」 「がー! ぐがぐう!」
さすがの老人と帝の使いの二人(?)も身動きがとれない(俺自身も動けない)
ようで、ただ「むがむが」と言っているだけだ。
「と、とりあえず。俺の話聞いてくれませんか?」
■■■
とりあえず、暴れ回る帝の使いを縛り上げ、爺さんに話を聞くのだが。
「で、食用ではない鶏とやら。要件は何かの?」
「いえ、そうだけどそうじゃないです…… えっと、カクカクシカジカ」
「ダイ●ツミニバン…… ふむ、転生してこの世界にか。ほう、帝の奴……
やはり、あの世界を利用してきたか。まあ、”あの方”には伝えておるし、
彼奴の悪さが増えただけかのぅ」
俺の端的な話でもちゃんと伝わったようで、安心したが。また、一人の世界に入って
考え出してしまった。いや、俺は全く分かってないんだが。お~い、爺さん?
「ふむ、鶏よ。少しの間、老人の昔話に付き合ってもらえるかの?」
「は、はい! って、もうこの世界については……」
「――この世界じゃない。お主の世界の話よ。いや、違うな。私がお主の世界を覗き
調べ上げた、” 帝”についての話をするかの」
■■■
幻獣達が生活範囲を広げ、人間の住処が縮小していき、約1000年程の時が経った頃、
村に、 白子……アルビノの男の子が生まれたそうな。
その男の子は村人に”忌み子”として扱われ、まるでそれが普通の事のように
小屋に監禁しだした。
赤ん坊の頃から毎朝、毎晩。死なない程度の暴力と食事を与えられ、永遠とも感じる
辛く苦しい人生を生き抜いていた。だが、それも齢七歳にして唐突に終わった。
忌み子担当の食事係が食べ物をくすねるようになり、男の子はみるみると痩せ細り
遂には死んでしまったそうな。
それを知った村人は、食事係を小屋の地面に生き埋めにした後……
少年を疫病神として、祀り始めた。災いを呼ぶとされていた 白子を殺してしまった
という事で、村人達が恐れた結果の行為だった。
そんな村人の恐れと、男の子の強い恨みが集まり……その村には強い念が
渦巻くようになった。そのせいか、この世を漂っていた男の子の霊が強い力を付け、
いつしか 人神と呼ばれる存在にまでなってしまった。
神の域に到達した彼の恨みは、恨みを晴らすことにしか使われないのは、目に見えていた事だ。
まず彼は、有能な人間を地下世界に、他はお互いが殺し合うようにたぶらかし、
人間の数を減らし始めていく。
この事で大半の人間は死滅しだし、残された人間には”嘘の歴史”を後世に伝えることを
約束させ、不自由ない暮らしを与えた。
そんな中、ある一匹の幻獣が彼の前に立ち塞がった。それは、人間達から”五霊神”と
呼ばれる中の 一柱。 鳳凰だった。
だが、鳳凰は人間を守ろうとした結果…… 彼と、彼にたぶらかされた人間によって
殺されてしまう。その行為は、彼の身を隠すのに使われ、鳳凰は”人間によって殺された”
と嘘の歴史が伝わっていった。
それからは、残った人間に幻獣の虐殺、人間同士の共食い、虐殺を行わせ、
四霊神以外の生物は全て死んだように見せかけた。
そんな光景を、呆然と眺めていた〝ニホン〟の神様だった黄龍-コウリュウ-は、全て彼が仕組んだ
罠だと知らずに〝ニホン〟を消し去ろうとし始める。
その時、神様の目の前に〝1人の少年〟が現れた。その少年は、
「どうせ消すなら、僕にこの世界を頂戴よ。君達も住まわせてあげるから。
きっと、いい世界にしてみせる」
そう言い、少年は世界を複製し、創り変え。
〝陽央〟と言う、新しい世界を作りあげた。
その少年は、後に〝帝様〟と呼ばれ、沢山の幻獣を創りだし、平和な
世界を築きあげはじめた。
裏で再成長させている、”ニホン”と呼ばれていた世界を眺めながら。
■■■
俺は、その話を聞いた後…… 静かに帝の使いを見たが。その顔には、深い”憎悪”が
見て取れた。
本日二回目の投稿です。
お詫びも兼ねての投稿です……
P.S.
章構成をし忘れていました。
第二章 《鳳凰山・修行編》となったので、
よろしくお願いします。まあ、ネタバレです( )
P.S.のP.S.
この話に出てくる世界、歴史が色々と書き換えられ、
本当の歴史がどれなのか、分からない状態だとは思います。
物語が進むにつれ、真実が見えるので、今しばらくお待ちを。




