子供達
気が付くとそこは薄暗かった、肌の感じから少し湿気がある。瞼を開けるとここが洞くつの中だと気が付いた、凸凹の岩の空洞、岩自体が赤く光り輝いている。
その御蔭で暗闇を追い出している。
起き上がろうとしたが動かない、体を痛めたのだろうか。
視界に映る世界を確認すると体の上に白い毛が見えた。
ああなんだ、またこいつか。
「おい、起きるですよう、なんでリリリの上で寝てやがるですよう!?」
「んんっ、りーりり気が付いたか」
リリリのお腹の上で蹲って寝ていたのはフェルトと呼ばれる地獄の住人だ、何故か懐かれた。
気持ちよさそうに背伸びをして毛繕いを始めていた、舌で毛を舐めて整えていく。
視線がこちらと合うとにこりと優しい笑みを浮かべる。悪い奴ではないのだがリリリを子供扱いするのが腹立たしい。
でも、悪いこと考えていない。
優しい気持ちである。
そんなことよりもここはどこだろう?
あのリーゼスと呼ばれる悪魔に攫われた、まあこのかわゆいリリリちゃんに欲情するのは分かるが限度というものがある。
不意にフェルトが頭を撫でてきた、それは子供をあやすように。
「大丈夫、あたしが側にいるぞ。りーりり守ってあげる」
「うううーーっ! リ、リリリは守られる女じゃねーーですよう! だいたいリリリはお子様ではなく立派なレディですよう! 子供扱いは勘弁ですよう!」
精一杯の主張を行った、これだけ言えば子供扱いはしないだろうと思った。しかしフェルトは慈愛の眼差しで更に愛おしそうにこちらを見詰めてくる、なんだその感情は?
「りーりりは怖がらない、立派だ」
そしてまた頭を撫でた。
されるがまま髪の毛がボサボサとなる頃に止まってしまった思考が動き出す。
えっと、つまり怖がる子供が精一杯それをこらえて背伸びしていると思っているのかこの女、温厚なリリリちゃんでもさすがに怒るぞコレ。
そんな事を考えていたが周りの風景が視界に入った瞬間にその考えは引っ込んでいった、この空洞はリリリ達だけではなかった。
広い空間に百に及ぶ地獄の住人の子供達で溢れていた、様々な種族、獣顔の子供、翼の生えた子供、尻尾の生えた子供、牙の生えた子供など多種多様だった。
みんな泣いていた。
「な、なんですようこれ、子供がたくさんいるですよう!」
「あの黒いのに連れて行かれたりーりりを追って地下へと向かった。そしたらここにたくさん子供いた、子供に執着していたから黒いのが集めたんだろう、たぶん」
「……つまり色んな村から子供を攫ってきてるって訳ですよう?」
恐怖で泣いている子供、蹲る子供、震えている子供達。フェルトは子供達を心配して近付いていく。フェルトはしゃがみ込んで、子供たちを一人ずつ静かに見ていった。
青い肌に魚の鱗を生やした女の子がフェルトの袖をそっと掴んだ。フェルトはすぐに表情を和らげて、その小さな手を両手で包んだ。
「大丈夫だ。あたしたちが来たからな」
「……ほんとに?」
「ほんとだ」
ニコリと笑ってみせると女の子は少しだけ、肩の力を抜いた。
「それにしても……」
フェルトが立ち上がって、洞窟の奥へ視線を向けた。
「あの黒い奴はどこにいる? 見当たらない」
「分からないですよう……」
不安の中悪魔リーゼスを探して視線を彷徨わせた、すると周りに見えているのは子供たちだけだった。
震えている子供たちを見詰めていると感情が聞こえてくる。
(こわい)
(いやだ)
(かえりたい)
(くらい)
(ひとりにしないで)
(おかあさんどこ?)
様々だな感情が胸の奥に押し込まれるように飛び込んでくる。
ひとつじゃない、いくつも、いくつも。
違う声。
違う感情。
全てが同時に、境界もなく流れ込んでくる。
「……っ」
息が詰まる、視界が揺れる、自分がどこにいるのか一瞬わからなくなる。
ああ、まただ。
(いやだ)
(こわい)
(たすけて)
その感情と言葉は子供たちのものだ、ここにいる全員の“恐怖”。
それが、リリリに入ってくる。
「……うるさいのですよう」
小さく、呟く。
誰に聞かせるでもない声。けれどそれは、確かに震えていた。
昔と同じだ。
あの赤い荒野で、ひとり膝を抱えていた夜と。聞こえもしない声に押し潰されそうになっていた、あのときと。
拒絶された言葉、“気持ち悪い”と笑われた空気。
――わかることは、いけないこと。
だから。
「……ふ、ふふっ」
口角を持ち上げる。
ぎこちなく、でもいつものように。
「なーーに怖がってるのですよう!」
わざと明るく声を張る、洞窟に響くくらい、大げさに。
子供達はリリリに視線を集める。
「この死神リリリちゃんがいるのですよう? こんなの余裕なのですよう!」
自分に言い聞かせるみたいに。
誰よりも先に、笑う。
びくり、と何人かの子供が顔を上げた。
涙で濡れた瞳が、リリリを見る。
(……こわい)
(でも……)
(この死神の子、わらってる)
ほんの少しだけ、本当にほんの少しだけ。
混ざる感情が変わる。
「……そうそう、それでいいのですよう」
軽く肩をすくめる。胸の奥はまだ、ざわざわと騒いでいるのに。
うるさい声と感情が少し、過去を思い出させた。
赤い空は濁ったような深紅と、焼けた鉄のような鈍い黒が混ざり合い、まるで空そのものがゆっくりと腐っているみたいに脈打っている。
雲はない、大地はどこまでも乾いた赤い荒野だった。踏みしめるたびにざり、と音がする。
その音はやけに軽くて――中身のないものを踏んでいるようで、少しだけ怖い。
私はしゃがみこんでいた。
細い指先が触れているのは、木ノ実。けれど、それはもう黒ずんで崩れかけていた。もう食べる気はない、食べられないのだから。そんな実を投げ捨てた。
不意に気が付く、目の前に地獄の住人のランクDが今にも死にそうになっていた。白い毛並みの小動物、長い耳と赤い瞳、牙がびっしりと並ぶ口。
もう動かない、体中におびただしい血痕が侵食していた、もう長くないはだろう。
視線が重なった瞬間、わかる。
(さびしい)
胸の奥に、感情が落ちてくる。
(くるしい)
ぎゅっと心臓が縮む。
(いやだ)
それは自分のものじゃないのに、まるで自分の声みたいに響く。
物心ついたころから他人の感情を読み取れるようになっていた。
何故かはわからない、けれど声が聞こえる、感情が聞こえる。
こちらの意思など無関係に。
「……うるさい」
ぽつりと呟く、けれどその声は震えていた。耳を塞いでも意味はない、これは音じゃない。中に直接、流れ込んでくる。
嫌気が差していると背後で、足音が止まった。
「またやってる」
「なにそれ、気持ち悪……」
小さな笑い声。リリリは振り返らない。
振り返れば、もっと増えるのを知っているから。
「なんでわかるの?」
ひとりが近づいてくる。
足音が、ざり、ざり、と乾いた音を立てる。
「……なんとなく」
できるだけ軽く、何でもないように言う。
それが正解だと思っていた。
「嘘つけ」
すぐに返ってきた。
「全部知ってるみたいな顔してさ」
「気持ち悪いんだよ」
その言葉は、刃みたいに鋭かった。
けれど、痛いのはそれだけじゃない。
(気味悪い)
(気持ち悪い)
(近づくな)
言葉を発した子の奥にある感情まで、同時に流れ込んでくる。
拒絶と、恐れ。
――私は、理解してしまう。
“わかること”は、怖がられる。
なら、ならわからないように振る舞うしかない、馬鹿な自分を演じていれば呆れて去っていく。
それが身を守るための処世術。
「……ふふっ」
口元を歪める。
「なに言ってるのですよう? リリリは何もわかってないのですよう!」
わざとらしく肩をすくめる。声を少し高くする、自分のことをわざと名前で呼ぶ、そしておかしな語尾が過去の気持ち悪い私を消してくれるだろう。
「かわゆいリリリちゃんは、ただのおバカさんなのですよう!」
沈黙。
一拍遅れて、くすくすと笑いが広がる。
「……なんだよ、それ」
「ほんとバカじゃん」
空気がほどけていく、拒絶じゃなく嘲笑。
それでもいい、いやそれでいい。
これなら大丈夫と胸の奥で、小さく呟く。
その夜。
赤い空は暗くなる。私はひとり、岩陰に座っていた。膝を抱え、額を乗せる。
偽り続ける自分に嫌気が差す。
処世術なのにどうしてこんなに苦しいのか。
どうして、こんなに“わかってしまう”のか。
「……リリリは、ばかなのですよう」
自分に言い聞かせる。
バカなら、感じなくていい。
バカなら、わからなくていい。
そのはずなのに。
そんなある日だった。荒野の奥、普段なら絶対に近づかない場所にいた。
空気が、違う。重く濃い。
足が止まる。
そこにはランクAの地獄の住人がいた。
金色の毛を纏い、四本脚の獣。顔はない、ただあるのは大きな口、胴体まで走る口角から伸びる鋭利な牙がひしめき合っていた。
力だけならランクAとSは変わらない、知性があるかないか。
だが、相性の問題がある。
獣形の動きは素早い、私のような人型とは違う。殴ればダメージを与えられるだろうがきっとその前に大きな口に食われてしまう。
逃げろ、と本能が叫ぶ。同時に、何かに引かれるように進んでしまう。ざり、ざり、と足音がやけに大きく響く。
(くるな)
それは、自分の感情ではなくこの先にいるランクAの感情。
「……っ」
呼吸が浅くなる。
膝が震える。
動けない。
その時だった、空から影が落ちてきた。
「なんだ、ガキか」
雑で、遠慮がない。
そこに立っていたのは銀の髪の女。赤い空の下でも、異質なくらい冷たい色。
背中から生える漆黒の翼が異質だった、そしてその手にあるのは大きな鎌。
刃先が、かすかに光を帯びている。
「こんなところで何してる? ここは危険地帯だろ」
リリリは言葉が出ない、ただ見上げる。
この人はつよい。
それは感覚じゃない、確信だった。
銀の女がランクAを睨みつけた瞬間、空気が変わる。
(死)
その感情が、流れ込んでくる。ランクAは恐怖が限界まで膨れ上がる。恐怖に我慢できずに牙を剥いてこちらへと迫ってきた。
足が、動かない。逃げなきゃいけないのに。
「チッ」
舌打ち。銀髪の女が一歩前に出る。
「目、閉じてろ!」
苛ついた声、しかし妙に落ち着いていた。
反射的に目を閉じる。
――音が消えた。
いや、違う。音が、追いつかない。
風が裂ける気配、何かが断たれる感覚。
一瞬。本当に、一瞬だった。
「……もういいぞ」
目を開けると何もなかった、さっきまであった脅威が完全に消えている。
傍らに真っ二つになったランクAがそこにあった。
「……なんで、泣いてんだ」
頬が濡れている。
「……こわかったのですよう」
違う、それだけじゃない。
「……あのランクA、こわがってたのですよう」
スミスは、少しだけ目を細めた。
「……あーー、なるほどな」
数秒、沈黙。
「お前、全部わかってるだろ」
心臓が跳ねる。見抜かれた。
「……わかってないのですよう」
すぐに笑う。いつもの顔を作る。
「リリリはおバカさんなので何が何だかなのですよう!」
「嘘つけ」
即答だった。
逃げ場が、ない。
「ま、別にいいんじゃねぇの?」
その一言は、あまりにも軽かった。
「そのままでも、生きてけるならな」
否定されない。怖がられない。
ただ、そこにあるものとして扱われる。
胸の奥で、何かがほどける。
「……あなたは死神、なのですよう?」
「ああ」
短い返事。それだけで、十分だった。死を扱うのに、こんなにも軽い。
こんなにも、強い。
凛とした横顔に胸が熱くなる、この人の横にいたいと思ってしまう。見詰めているだけで胸が高鳴る、この人になら私のすべてを捧げてもいい。
それが死神スミスとの出会いだ。
そしてリリリの中で、何かが決まる。
「……リリリも、なれるですよう?」
スミスは一瞬だけ、こちらを見る。
「やめとけ。痛いぞ」
「それでもいいのですよう」
即答した、そして沈黙が流れる。
風が吹く。赤い灰が、ふたりの間を流れた。
「……そうか、なら頑張れ」
それだけだった。
でも、その一言は私にとって、世界を変えるには十分だった。
その日から少し変わる。
偽っているのに、なぜか楽しむようになった。
「リリリはかわゆい死神ちゃんなのですよう!」
軽く、明るく、バカみたいに。
私は私だ。そして、リリリちゃんもれっきとした私の一部なのだ。そう考えると少しだけ愛おしく感じられるようになった、死神スミスを先輩と慕っている後輩としての私が好き。
そう、偽った自分は時を経てもう一人の自分だった。
きつい日々を守ってくれた大事なパートナー、今はそんな立ち位置だろうか。
それからは本当に色々あった、死神の鎌との契約をして身体に一体化させる。激しい痛みが常に身体を駆け巡る。だけど、死神スミスの隣に立ちたいとの思いがそれを耐えさせた。
晴れて死神見習いとしてやって来て、ようやく胸を張って後輩になった。厳しくて、暴力的で、美しくて、そして心は優しい死神スミス。そんな彼女が友と呼ぶ人間を複雑な思いで接してきた。
けど、あいつらは良い奴だ。人間なのに。
嫌う理由がない、佐波峻と皆川真、二人と交流してきて生意気な私が峻とじゃれ合って、真に怒られる。正直嫌いじゃない。
誰かを好きになって、その人の為に命をかけられる峻を尊敬している。
ま、本人に言ってしまえば調子に乗るだけだから何も言わないけど。
心も身体も強くなった真をみてかつて死神として頑張ろうとした自分を思い出した。
だから二人とも尊敬している。
私はリリリとして今を謳歌している、何者にも縛らせずに。
悲しみに満ちている地下洞窟、怖がっている子供達。リリリは笑う、心配させないように。
かつて先輩に助けられた時のように、今度はリリリが助ける。
フェルトも子供達の中へ入っていき頭を撫で慰めていく。助けると希望を抱かせて、そして大人として子供を守る為に。
(助かるの?)
(この人達笑ってる)
(ままに会いたい)
(ここは嫌だ)
「大丈夫なのですよう! この死神リリリちゃんがきっちりと助けてやりますのですよう!」
そう声をかけて回る。
不意に、ざわりと洞窟の空気がほんのわずかに歪んだ気がした。
(嬉しい)
押し寄せてくる異質な感情の波、濁流みたいに。
今の感覚は何?
泣き声と、湿った岩肌に反響するか細い嗚咽、恐怖の感情が蔓延しているここで歓喜の感情を感じた。
誰がそんなことを思っている?
この中でひとつだけ違う。
(ぼくじゃない、ああ、嬉しい)
また感じる。
(みんなないてる、ふふっ、あはははは!)
「誰ですよう……?」
リリリの足が止まる。
――ありえない。
この状況で、この場所で、こんな感情があるはずがない。
ぞくり、と背筋に冷たいものが走る。
それは恐怖とは別の、もっと形のない違和感。
ゆっくりと、視線を動かす。泣き崩れる子供たちの間を、なぞるように。
震えている者。
目を閉じて耳を塞ぐ者。
ただ虚空を見つめている者。
その中に“それ”はいた。
洞窟の壁際、赤い光が届ききらない、半端な陰の中。
ひとりだけ、背筋を伸ばして座っている子供。
周囲の子供たちが身を寄せ合い、縮こまる中で、その子だけは“整いすぎている”。
その姿がはっきりと映る。
黒い髪、滑らかな肌、角も、翼も、牙もない。
異物。
声にならない声が、喉の奥でかすれる。
ヘルヴェルトにいるはずのない存在。
――人間。
その認識が浮かんだ瞬間、胸の奥がざわつく。
さっきとは違う種類の、嫌な感覚。
その子供は泣いていなかった、怯えてもいなかった。
ただ、静かに口元だけが、わずかに緩んでいた。
(よかった、みんな泣いてる、よかった、よかった……)
感情が、流れ込んでくる。それは“安心”と“歓喜”。
でも、どこか歪んでいる。
最初から、違う“何か”のような。
リリリは無意識に一歩踏み出していた。ざり、と足元の砂が鳴る。
その音に反応して。人間の子供が、ゆっくりと顔を上げる。
目が合う。
その瞬間、胸の奥に、ぞわりとした感覚が広がる。
深くて底が見えない、子供の目じゃない。
(ぼくをみるな!)
一瞬だけそんな感情が、確かに流れ込んできた。
ぞくり、と全身の毛が逆立つ。
次の瞬間にその子供は、ふい、と視線を逸らした。
何事もなかったかのように。ただの“怯えた子供”の顔に戻っていた。
呼吸が、わずかに乱れる。
「……なんなのですよう」
気味の悪いと思うがその子供から視線が外せなかった、嫌な気配を感じている。
それは何処かで感じた気配、どこで感じた?
「どうかしたのかりーりり」
心配そうに顔を覗き込んでくるフェルト、その時に気が付いた。冷や汗をかいているのだと。
何故、どうして、そんな感情が渦巻く中、あの“重さ”と“歪み”を思い出す。
それは連れて行かれる直前。
「あ、悪魔……リーゼス、ですよう?」
今現在みんなが戦っている存在、悪魔リーゼス。無数に分裂していく異質の悪魔。それと同じ気配をこいつから感じる。
「……っ」
息が詰まる。
まさかこいつも分身なのだろうか?
でも何故子供の姿なのか、何故ここにいるのか、何が目的なのかわからない。
不意に足が後退していた、そして洞窟の壁にぶつかると痛みが走った。
それはお尻のポケットに何か入っていて、ぶつかった衝撃で食い込んだのだ。なんなのだろうと取り出すとそれは石だった。
「あ!」
すっかり忘れていた、これは通石だ。昔先輩から貰った連絡用の通石。それを握りしめ心で念じて先輩を呼び出す。
『先輩! 先輩! リリリですよう!』
『リリリか! 無事なのかお前!』
良かった、繋がったということはみんな無事だということだ。
これまでのことを知らせた、地下洞窟に連れて行かれたこと、そこにヘルヴェルト中の子供達がいることを。
『そんなことになってるのか、オレ達は今ピンチだ。あの分裂野郎が一斉に攻めてきている、それを留めるだけで今は精一杯だ』
黒い地平線と言うような大群に囲まれている、このままじゃ皆が危ない。
『先輩! ここに人間の子供の姿をしたリーゼスがいるですよう!』
『何!? まさか、そいつ核か?』
『核?』
『いろんな奴と戦ってきたが本体を別に隠して戦う奴がいた、もしかしたらそっちのリーゼスを倒せばこいつらは止まるかもしれないな!』
本体を別で隠す、子供の姿で子供達の中に。
ああ、なるほど木を隠すなら森というわけか。
『先輩、リリリやってみるですよう! この気味の悪いちびっこをリリリが倒すですよう!』
『無茶はするな! 何をしでかすかわからないんだぞ!』
それでもあいつを見付けたのはリリリの使命のように感じられる。
だからリリリが倒す。先輩や皆を助けるために。
『先輩、持ちこたえてくださいですよう! このかわゆいリリリちゃんがばっちり解決するですよう!』
『…………気をつけろよリリリ』
『はい!』
側にいたフェルトに声を掛ける。
「猫! ちょっとリリリちゃんを手伝うですよう!」
「ん? よくわかんないけど良いよ!」
こうして二人だけでリーゼスと対峙する。




