第2話 希望の光と王子様
少女が投げ込まれると同時に、牢の鉄柵の扉が閉まり、暗闇に重い音を響かせた。続いて牢番が錠前に鍵を掛ける音は、少女の鳴き声にかき消された。
シェルリは幼子のように、声を上げて泣いていた。騎士団の余りにも非情な仕打ちは、シェルリに牢に叩きこまれた事も分からないほどの悲愴を与えていた。だが、いつまでもそんなふうに泣いてはいられない。やがて泣き疲れたシェルリは、少し眠ってから牢の石床の冷たさに震えて目を覚ました。シェルリは、その時になってようやく少し冷静になり、自分が牢に閉じ込められている事を知った。
「寒いよ、お母さん…………」
初春の気紛れで、この日は真冬のように冷え込んでいた。牢の石床も壁も凍りついたように冷たく、シェルリはこのまま凍え死ぬと思って、力なく母を呼んだ。それに答える者はなく、あるのは牢の闇に消え入る自身の弱々しい声だけだった。
シェルリは牢の隅で絶望的な寒さの中で震えた。きっとこのまま自分は死ぬんだと思っていると、牢の外でホットワインを飲んでいた見張りの兵が、急に青ざめた表情をして慌てて出ていった。その代わりと言うように、白い制服の女騎士が牢の外に立った。
「可愛いお嬢様、今日は冷えるからこれをって」
若い女の騎士は微笑を浮べて、牢屋の隙間から厚手の毛布を差し出していた。
シェルリは牢の隅から騎士に近づいて、毛布を受け取った。毛布を手に取っただけで、驚くくらいの温かさを感じた。
「ありがとうございます、騎士様」
シェルリは毛布を胸に抱いて言った。
「いえ、わたくしではありませんよ、エリオ様の心づくしです。エリオ様があなたがここに連れて行かれるのを見ていて、とても可愛いからってね」
可愛いから施しを与えるというのは、馬鹿と噂されるエリオ王子らしい理由だった。シェルリも王子の頭が悪く軟弱という事を信じていたが、それでも一国の王子に見止められて施しを受ける事に胸が少しだけときめいた。
「疲れているでしょうから、今日はゆっくりお休み下さい」
はたして騎士の言った通り、シェルリに与えられた毛布は最上のものだった。床が石畳なのが気にならない程に柔らかく温かで、まるで母に抱かれているように安らかに眠る事が出来た。それが一国の王子が与えてくれた物だという一事が、シェルリをさらに安心させてくれた。
朝になると、また毛布を与えてくれた女騎士が来た。昨日は夜ではっきりしなかったが、今はその姿をよく見る事が出来た。二十歳を過ぎたくらいの若い娘で、碧眼で背中にかかる長さの銀髪を後ろで三つ編みにして青いリボンで縛り、騎士然とした凛々しさはなく、優しい微笑を浮べる姿はシスターでもやっていそうな印象だった。姿は王国騎士と同じ白い制服を着ているが、女性用なのでズボンの代わりに動き易さを重視した短いスカートをはいて、細い腰にはショートソードを2本差していた。王国騎士との唯一にして最大の違いは、胸に躍動する獅子の前に剣を十字に交差させた紋章だった。獅子は王族を表し、二本の剣はそれを守る者を表す。つまりこれは、王族直属の近衛騎士団を表す紋章だった。
近衛騎士団の数は百人程度、対して王国騎士団は五千を超える軍勢だが、その地位はまったく同じとされていた。そう言われる程に、近衛騎士団は精鋭揃いだった。ただし、それは少し前までの話で、愚かな王子が現れてからは、同時に近衛騎士団も、そのおまけとして卑下されるようになっていた。
「おはようございます、昨日はよく眠れましたか?」
「はい、この毛布のおかげで……。あの、わたしこれからどうなるんですか? あと、わたしのお母さんはどこにいますか?」
シェルリが聞くと、若い女騎士は少し首をかしげて困ったような顔をした。
「う~ん、貴方がどうなるのかは王子次第ですねぇ。お母様の事は、申し訳ないけれど良く分かりません」
「そうですか……。王子様は、わたしをどうしたいんですか?」
「それは近い内にわかります。とりあえず朝食にしましょう。貴方はお肉とお魚、どちらがお好みですか?」
「え? お魚ですけど……」
シェルリが流されるように答えると、騎士は頷いて言った。
「それでは、お魚を使った美味しいお料理をコックさんに頼んできますね」
その時シェルリは、目の前の騎士は自分をからかって遊んでいるのだろうと思った。牢屋に放り込まれた少女に対して、そんな旨い料理が出てくるとは思えなかった。騎士はその後、牢の前から姿を消した。
シェルリは期待せずに毛布にくるまって待っているうちに、うとうとしていた。やがて牢の鉄格子が叩かれ、シェルリはそれで目を覚ました。
「お待たせしました、お食事を持ってきましたよ」
シェルリは自分の目を疑った。近衛騎士自らが食事を持ってきた事もそうだが、銀のプレートに乗せられている朝食は、今までに見たこともない豪華な内容だった。
「うん、とても美味しいです」
騎士は牢屋の前に座って、シェルリに出されたのと同じものを食べていた。シェルリはご馳走を前にして怪訝な顔で黙っていた。
「どうぞ、遠慮なさらずに食べて下さい? この鮎のパイ包み焼きはレモンソルトが良く効いていて素晴らしいお味ですよ」
「あの、どうしてこんなに良くしてくれるんですか? わたし酷い仕打ちがあると思って覚悟していました」
食事をしていた女騎士はナイフとフォークを置くと言った。
「あちら様はそういう事をするつもりだったようですけれど、王子が介入して貴方の身柄を王国騎士団から近衛騎士団に移したのです。かなり強硬なやり方で、宰相様はお怒りですけれど、王子は気にもしていませんわ」
「王子様は、どうしてそんな事を?」
「昨日も言いましたけれど、貴方様が可愛いから助けたのです」
「たったそれだけの理由で?」
「そうですよ、王子はそういうお方なのです。自分で言うのもなんですけれど、わたしなんて美人だからというだけで、近衛騎士団の隊長に抜擢されたのですよ、吃驚しちゃいますよね」
それを聞いたシェルリは目を丸くして驚いた。
「隊長さん!? そう言えば、近衛騎士団の隊長が女性だって聞いたことがあります。確か名前は……」
「ルナリオン・シェローテです。ルナとお呼び下さい」
「名前覚えてなくてごめんなさい……」
「いいのですよ。よかったら、貴方の名前も聞かせて下さい」
「シェルリです」
「見た目にぴったりの可愛らしい名前ですねぇ。ではシェルリさん、冷めないうちに食事をどうぞ」
ルナリオンに進められて、シェルリはようやく食事をする気になった。その時になって、極端な程に腹が減っている事に気づいた。
「じゃあ、頂きます」
鮎のパイ包み焼きを食べたシェルリの口から、自然に美味しいという声が零れた。それ以外にもシチューとバターのたっぷり塗ってあるパンに、小さな器に入ったジャムはイチゴとレモンマーマレードの2種類、デザートには卵をたっぷり使ったプリンとふんだんの果物が演出するミニパフェがあった。朝食と言うにはあまりにも豪華で、シェルリの気が少し引けるくらいだった。
「昨日は大変な目にあったのでしょう。王子がここにお見えになるまで、体を休めていて下さい」
それを聞いたシェルリは食べるのを止めて言った。
「王子様がこんな所にくるんですか?」
「はい、来ますよ。でも、王子は夜中にならないとお姿を見せる事が出来ませんので、しばらくはお待ち下さい」
「夜中、ですか……」
それを聞いた途端に、シェルリの気が重くなった。王子が好色であるという噂を聞いたことがあったし、ルナリオンが美しいというだけで近衛騎士団の隊長に据えている事が、それを証明しているようでもあったからだ。シェルリは良くしてくれた事には感謝していたが、愚かしい王子が自分に対してどんな感情を持っているのか考えると、身の毛がよだった。
それからのシェルリは、母のアリアを心配していた。店が燃えてなくなった事をお母さんが知ったらどんなに悲しむだろう、シェルリはそう思うと涙が出た。今の状況で考えても仕方がないと分かっていても、母の事を思わずにはいられなかった。あまりに心配しすぎて出された食事も喉を通らず、夜も眠れなかった。その内に夜中になった。
牢屋の通路には幾つかのランプが下げてあり、それから生まれる薄闇の中で、シェルリは考えるのに疲れてぼうっとしていた。そうしていると、ずっと向こうの方で扉が開く音がしてから、数人の足音がシェルリの牢に向かって近づいてきた。シェルリの意識は瞬間に覚醒して、少女は毛布を跳ね除けて立ち上がり、そのまま緊張して固まった。ルナリオンの言っていた事が本当なら、いま近づいてくるのは王子様のはずだ。
やがてシェルリのいる牢の前に三人の人間が立った。真ん中の長身の青年が、手に持っていたランプを高く上げて牢内を照らした。それはシェルリの姿を確認する行為だったが、同時に彼の姿をシェルリに晒す事にもなった。シェルリは見た、そこにいる金髪秀麗な青年は、エリオ・ロディス、この王国の王子に他ならなかった。シェルリはエリオの事を遠目からしか見たことがなかったが、彼の醸し出す独特の雰囲気や、常人にはない胸を突くような気品の高さから、すぐにこの人が王子だと分かった。王子の左右にはルナリオンと、シェルリが薬を譲ったあのグラニド将軍もいた。
エリオは相手を安心させるような笑みを浮べた。
「開けてくれ」
グラニドが王子の言葉に従い、牢の扉の錠前を外した。牢内に入って来たエリオは、ゆっくりとシェルリに近づいた。王子が自分に何をしようというのか、シェルリは不安で一杯になり、胸の鼓動も早くなった。王子が目の前にくると、シェルリは何をされても良いように覚悟を決めて両目を閉じた。
「すまなかった」
「え?」
シェルリは呆けたような声を出して目を開けると、王子が目の前で跪いていた。シェルリは何がどうなっているのか分からず、目を何度も瞬いた。
「君の身の回りに起こったことは聞いている、君の母上の事も、薬の事も知っているよ。こんな事になったのは、僕に力がないせいだ。どうか許してほしい」
「そんな、王子様……」
シェルリは予想もしない状況と、自分の想像からあまりにもかけ離れた王子の姿に戸惑い、どう言ったらいいのかわからなかった。ただ、一国の王子が一人の少女の前で頭を下げて許しを請うという姿は、どこか神聖で感動を呼ぶものがあった。
王子は立ち上がると言った。
「本当はこんな所に閉じ込めたくはなかったが、君を牢から解放したら宰相が黙ってはいないし、僕が話をするのにも丁度良い場所だったんだ。でも牢での暮らしは今夜限りになるだろう」
グラニドとルナリオンも牢に入り、王子の後ろに立っていた。そしてグラニドが前に出てきて言った。
「王子を前にして失礼な言い方になるが、俺が駄目元でお前を助けてくれるようにお願いしたのだ。お前は娘の命の恩人だからな、いざとなったら一人でもお前を助けるつもりでいた。しかし、王子がこのような方だったとは驚かされた」
シェルリはグラニドの話を聞いて、暗雲に閉ざされていた心の中に光が差しこんで、ぱっと表情を明るくした。
「娘さん、助かったんですね!」
「まだ全快とはいかないが、もう心配はない。お前の母さんが作った薬は本当に素晴らしいものだ」
「よかった、本当によかったです」
シェルリが胸をなで下ろすと、エリオは微笑を浮べながら言った。
「グラニド程の男が、たった一人の少女を助ける為に命がけで僕に訴えてきたんだ。どうしようもなく愚かな王子の僕に、なりふり構わずにね。だから僕は、この男に本当の姿を明かしてここに来た」
「今の王子様が、本当の王子様?」
エリオはシェルリに頷き一つで答えると、急に表情を引き締めて、どんな乙女でもときめかせるような凛々しい顔つきで言った。
「ここに長居は出来ないから、必要な事だけを言うよ。まず、君の母上の事だけれど、ここから少し離れた牢獄に囚われている。僕が必ず助け出そう。それともう一つ、君にはここを出て、墳血症の薬を作ってもらいたいんだ、出来るかい?」
「それは……」
その時、シェルリの脳裏に先の惨劇が克明に浮かんだ。シェルリに逃げるように訴え切り殺された老人の姿は、今目の前でそれが起こっているかのように思い出された。途端にシェルリは瞳に涙が溢れて顔を覆って悲嘆にくれた。
「わたしが薬を売ったせいで、沢山の人が殺されたり捕まったりしました。どうして王国はこんな酷い事をするんですか、誰も悪い事なんてしてないのに、ただ大切な人を助けたいだけなのに、どうして……」
最後の方は王子に対する訴えになっていた。
「人が殺されたのは君のせいじゃない。王宮から特効薬の禁止令を出したのは宰相のディオニスという男だ。ディオニスは薬王局長のレイスレイと結託して君の母上を陥れたのだ。レイスレイは君の母上が特効薬を売る事で薬王局の面目が潰れる事を恐れている。レイスレイにディオニスが手を貸す理由は、薬王局から出している墳血症の薬が売れなくなると国益が大きく損なわれるからだ。薬王局の薬には重い税金がかけられているからね」
「そんな、お金の為に人々を見捨てるんですか!? そんな事の為にお母さんは捕まったんですか!?」
あまりに信じがたい酷い内容に、シェルリは王子に迫って言った。悪いのは王子ではないが、一国の主を攻めずにはいられない話だった。
「ディオニスは人々の苦しみなど見向きもしない、奴にとっては自分の懐がさびしくなる事の方が問題なんだ。ディオニスとはそういう男なんだよ」
「だったら、王子様がその人を説得して下さい!」
シェルリが攻めるように言うと、エリオの表情は暗くなった。
「それは無理なんだ。あの男の権勢はもはや国王以上だ。実質、ロディス王国はディオニスのものだ。今は奴の好きなようにさせるしかないんだ」
「そんな……」
シェルリは希望を断たれたように思い、意気消沈した。
「君には薬を作ってほしい、これは人々の希望なんだ。墳血症は今も広がり続け、多くの人が苦しんで死んでいく。僕にはどうにもならないが、君は人々を救う可能性を持っている。必ず僕が君を守る、だから頼む」
王子が頼むと言ったとき、母アリアの姿が重なった。母もきっとそう思っているに違いない。そうだ、自分がやらなければ、墳血症と戦える人はいない。立ち上がるんだ、立ち上がって薬を作るんだ、お母さんの代わりに薬を売って人々を助けるんだ。少女は決心して言った。
「わかりました、わたしやってみます」
「ありがとう、シェルリ」
エリオは心からの敬意を持って礼を言うと、今度は後ろの騎士たちに向かった。
「ルナリオン、シェルリをここから脱出させる」
「ご心配なく、もう手筈は整えてありますわ」
「よし、シェルリには北の森にいってもらう。あそこには高名な錬金術師がいるんだ、きっと君の助けになるだろう。早馬で誰にも見つからないように出るんだ」
シェルリが牢から出ると、グラニドは申し訳ないという顔で言った。
「本当は一緒に付いていってやりたいが、俺はまだ王子の役に立たねばならん。しかし、お前が危機に瀕したときは必ず助けに行く」
「将軍様のおかげで牢から出ることができたんです、それだけで十分です」
「十分ということはない、おれはお前の母を」
「もういいです、その事は。それよりも、娘さんを大切にしてあげて下さい」
そのときのシェルリの顔がグラニドは太陽ほどに眩しく感じた。天使のような少女だと、グラニドは深く心を打たれるのだった。
人数が多いと目立つので、城中シェルリにはルナリオンのみが付いた。ルナリオンは城中の見張りの兵の配置を完全に把握していて、シェルリを見つからないように脱出させるのに適任だったからだ。
シェルリ達が厨房の裏口から出て、裏門へ行くと、若い騎士が馬に乗って待っていた。騎士とは言っても、今は旅装姿なのでそれとは分からない。そして、月明かりに薄く照らされる青年の顔は、少し歪んでいるように見えた。
「彼はレクサス・アレスター、わたしの副官です。レクサス君には、シェルリさんの護衛をしてもらいます」
ルナリオンは手短に紹介を済ませてから、今度は若い騎士に言った。
「レクサス君、頼みますよ」
「任せて下さい。俺と一緒に行けば、誰にも捕まりゃしませんよ。それで、この子の護衛の任が終わったら、俺はどうなるんですかね?」
「安心して下さい。あなたは近衛騎士団に付いて行けずに逃げ出した臆病者という事にしますから」
「ルナ隊長、何が安心なんですか、酷い扱いじゃないですか」
「自分から喧嘩を仕掛けて返り討ちに合う人にはぴったりな処遇だと思いますよ」
にこやかに言うルナリオンに、レクサスは苦笑いを浮かべていた。その時にシェルリは、レクサスの顔が腫れていて、口元に痣があるのを知った。
「喧嘩を売ってきたのは相手の方ですよ、それにこうなった訳はルナ隊長には分かるでしょう」
「わかっています。あなたを臆病者にする事で、王子の隠れ蓑になるのです。だからしばらくは帰ってきては駄目です」
ルナリオンはきっぱり言ってから、シェルリの背中をそっと押した。
「さ、シェルリさん急いで下さい」
レクサスの伸ばした手をシェルリが掴むと、小柄な少女の体は一気に馬上に引き上げられた。馬には二人用の鞍が付いていて、シェルリはレクサスの前へと導かれた。
「じゃあ、北の森の錬金術師様を拝みにいくか」
レクサスが鞭を入れると、馬が走りだす。少女と騎士は湖の底の様に薄明かりの指す群青の世界を、風を切って前に進んだ。
王子エリオはグラニドと一緒に、明かりのない自室のテラスから月明かりを頼りに城から離れていく二人の影を見ていた。
「頼むぞ、レクサス」
二人の姿が闇の向こうに消える頃合に、グラニドは言った。
「王子はあの少女に何を求めておられるのですか?」
「……グラニド将軍、質問の意図がよく分からないな」
「恐れながら申し上げますと、王子はあの少女にディオニスを討つ切欠を求めているのかと考えました」
エリオは極小さな声だが、心の底からおかしいという笑いを漏らした。
「それは余りにも筋違いな期待だよ。シェルリは多くの人々にとって希望であり、救いなんだ。だから僕はシェルリを助ける、ただそれだけだよ」
「出すぎた事を言いました」
グラニドが頭を下げると、エリオは気にするなと言う様に片手を上げた。その後エリオは、シェルリの消えていった闇色の道を見つめながら言った。
「ディオニスはいつか倒さなければならない、切欠がが欲しいのは確かさ」
そのとき風が吹いた。冷たく肌を刺すような激しい風だった。エリオの燃え上がる怒りに呼ばれたかのような突風であった。
希望の光と王子様・・・おわり