空気色の私 エピソード 0《ゼロ》
空気色の私の過去を振り返ってみるとそこには自分が思い描いたさまざまな花が咲いていた。
なんてかっこつけてみましたが、ひとまず今回も「なにいってるの?」という点もたくさんあるでしょうが、多めに見て呼んでいただけるとうれしいです!
みんなは空気って普段意識している?
してないよね。だって空気は認識するなんていうことはしないものね。普通にすってはいてを意識せずに繰り返して生きているもん。存在もみんな普段は忘れちゃってるんじゃないかな?。
私は空気と一緒なんだ。
空気色なんだよ。おかしいかな?
私は13歳で白血病というもので人生を終えたんだ。
え?どんな人生だったのって?
きっとつまらないと思うよ。私の話。だって空気だから。
あ!でも、産まれたときからなんてことはないよ。誰だって人は成長しながら性格が決まっていくからね。でも環境も影響するってどこかの科学者さんが言ってたなぁ。
う~ん・・・やっぱり話すことにするね。私ってさびしがりやだから。
それにせっかく聞いてくれたしね。
私の生まれたときはね
目がくりくりしている可愛い赤ちゃんだったんだって。
そのころは私・・・空気じゃなかったのかもね
それから成長していって・・・私が2歳のとき妹が生まれた。
髪の毛が赤ちゃんなのにふさふさでほっぺたが赤くてよく笑う子だったんだって。
・・・あれ?ここでもう私って空気なのかなぁ?
妹と私では写真の量も親からの血の量もきっと大体同じなのに印象が違う。
・・・まさかね。
私は保育園にいったんだ。
評価はいつも よくできました
友達もいた。いつもキャッキャッ!笑ってままごとをしたり追いかけっこをしたり。
でも一人で夕焼けを見た記憶が一番残ってるかな。
さびしいなんて思わなかった。ただ夕焼けがきれいだったんだ。
小学校に入ったよ。
地元の普通の小学校。桜の大木が目印だったな。
友達もできた。私はどちらかといえばもう静かな子だったな。
妹がいるということで姉としての責任感も増えたしなによりもう母は妹のほうが好きだったみたいだから。
私は成長するにつれて人とはあまり関わらなくなったんだ。
朝は早く来て自分の好きな本を読む。本を読むのが一応趣味だしね。
授業中はプリントは熱心にするけど手は決して上げない。指名されたり、先生が日付を見て「う~んっと。今日は6月の17日だから・・・佐藤さん」なんてこともあったけど。そのときは極力早く大声じゃないくらいの大きさの声で「~です」という。けっして先生とは目を合わせなかったし、目立つことを避けるようになったんだ。どうしてかなぁ?そこらへんはあんまり詳しくというか・・・はっきりとした理由はないな。ただ目立つのが恥ずかしかったのかも。目立つとなんだか体が熱くなるし。みんなの目線が突き刺さる。 今私に注目されてるなんて思うだけでぞっとしちゃうよ!
休み時間は図書室に入り浸る。好きな本でも何でも図書室の本を読みあさる。
そうしているうちに卒業までに図書室の本は全部読みきってしまったんだよ。少し私の自慢でもあるんだ、このことがね。
放課後は友達とも遊ぶことはあったけど、ほとんどは習い事が邪魔をしたかな。邪魔って言い方もないね。重なっちゃったんだ。でも習い事は嫌いではなかったし将来のことも言われて習い事を優先していたなぁ。
そしたら
友達から誘われることがなくなったの。
きっとこの時だと思うな。
私が空気になった瞬間って。
けっしていじめなどとは認識していなかったよ。でも認識することを考えないだけだったかもしれないし、周りの人に本当に認識されていないだけだったのかもしれない。でもそんなことどっちでもいいよね。
隣に私がいてあきらかに答えを知っているのがわかっていても、隣の席の人はわざわざ離れた人に答えを聞く。
発言をしたりテストで百点を取ったとしても、周りがざわつくこともなく、無言で目がうなずく。
休み時間本を読んでいても誰にも「なに読んでいるの?」なんて聞かれることはめったにない。
みんなからは親しい人までも「さん付け」
給食時間は会話することもなく、ひたすら口を動かす。そのおかげかはわからないけど、太りはしなかったよ。
体育の時間は二人一組なんていう地獄はないよ。仲のいい子は別の組だったから組めないし。だからいつも「組んでない人~」で立っている自分がいるんだ。
・・・・・・・・・・・・
でもこうしてみると。私ってやっぱりさびしかったんだろうなぁ。
どんなに認識されていないって自分で言ったって認識されたかった。
何の本読んでるの?って聞かれて心臓がたとえはじけても答えたかった。
今日は何があるかな?って空を見ながら登校中期待していた
そんな自分がいたんだ。
そんなこと、生きている私はわからなかったから空気色の私というあだ名をつけて無言のSOSを出していたんだ。
そんなときだね。
白血病がわかったのは
それからは本当につらい毎日だった。
薬ももちろんつらかったけど、看護師さんはいい人だったけど、家族も毎日来てくれたけど
誰一人友達は来なかった。
親しい友達だって学校に2、3人はいたけど。
きっと来れないんだ。いそがしから。都合が合わないから。そもそも面会は家族以外許されないのかも知れないな。
なんて言い訳して、本当はクラスみんなの寄せ書きとかドキュメンタリーを創造しちゃったりしてたな。
それからの私は窓から空を見上げることが日課になったんだ。
そして私は人生を見返しながら
本当は自分はさびしかっただけなんだなって思いながらあの世に旅立っていったんだ。
・・・・・・・・・・・・
どう?つまらなかったよね?
そんなことない?
そう?うれしいな。こうして聞いてくれる人がいるだけでも笑顔ができるよ。
生きてる間に私もこうやって人に話しを聞いてもいらいたかったなぁ。
もっと素直になればよかったなぁ。
でも世界って私みたいなちっぽけな存在が集まって固まってなってるんだって思うと少し笑っちゃうね。
だって
私みたいにいろんな人が悩んで生きてるんだもん
それぞれの考えがあってそれぞれの性格があって
人ってできてるんだよね。
だから
今を大切にいていこうってことじゃないかな?
それを今度はちゃんと守ろうと思うんだ
だから今はあの世でゆっくりしてるよ。
たまにおばあちゃんに会ったりして笑顔で挨拶するけど
ほかは何も考えずにあの世でゆっくりしてる
いつか私がもう一度神様からチャンスをもらえるのを待ち望んで・・・ね
読んでいただきありがとうございました!
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