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ASMR系VTuberの私、ぼっちのはずがなぜかクラスの美少女に溺愛されてます!  作者: 海野アロイ
第一章 ASMR系Vtuberの私、ぼっちのはずがクラスの美少女に囲まれています!
30/62

30.エピローグ:この間まではボッチだったのに、今では三人の圧がちょっと怖いぐらいです

「おめでとー! とにかく、おめでとー!」


 事故の釈明や謝罪など一週間は怒涛のように過ぎたけど、なんとか収まった。

 そして、私の家に三人を招待するのだった。


 私が風邪をひいてしまってできなかった、パーティをやるためだ。

 エリカさんはとにかく盛り上がっていた。


「たこ焼き、焼くわよ? いいわね? 焼くわよ?」


 透子さんはたこ焼き器の前に陣取って、エプロンをつけている。

 たこ焼きを作ってくれるというのだが、表情が鬼気迫っている。


「わ、私の作った食べ物をゆうなさんが食べる。これってつまり……」


 独り言をぶつぶつ言っていて、思いつめた表情。

 ひょっとしてお料理が苦手なのかもしれない。


「ちょっと落ち着きましょう。焦るのはよくないわ、よし、レシピを確認しましょう。まずはパイナップルを入れるわよね?」


「ぬぉわ、しれーっとなにすんねん、あんた!?」


 透子さんは突然、フルーツカクテル用に出しておいたパイナップルをタコ焼きのたねに入れようとする。

 いくつか破片が入ったものの、ふみさんが慌てて止めた。


「あははは、透子、お料理苦手だもんねぇ! あたしに任せなよ。隠し味はデスソースだっ!」


「だから、なんでレシピ通りにやらないんだよ!?」


 エリカさんが途中で割り込んできて、骸骨のマークの付いた瓶の蓋を開ける。

 こちらもふみさんが間一髪のところで取り上げた。

 危なかった。ナイスな仕事だと思う。


「ええい、うちが焼くわ! あんたらには任せておけん!」


「えー、ふみばっかりズルいよぉ、私もゆうなちゃんに作ってあげたい」


「私もよ! 私が作ったものじゃないと安心できない」


「あんたら、今までの過程覚えてないのか!?」


 三人は今日も楽しくいがみ合っている。

 仲良しだなぁって思う。


「それなら、私に焼かせてください! 実は結構、得意なんですよ」


 タコ焼きは私が引き受けることにした。

 今までならそばで笑ってみていた私だけど、距離感がぐっと近づいた。

 今日の私はひと味違うのだ。


 よく熱したタコ焼きの鉄板に種を流し込んでいく。

 じゅうぅーっと美味しそうな音とともに色づいていく生地。

 タコ焼き用のピックでひっくり返していけば、かわいい形に形成されていく。


「あぁ、いい! 最高なのじゃ! えへへ、めちゃくちゃインスピレーション!」


「あんたはあんたで気持ち悪いけどね?」


「ふみ、普通に変態なんじゃないのー?」


 私がタコ焼き作りに熱中していると、ふみさんは小さなメモ帳に何やら書き込んでいた。

 ふぅむ、タコ焼きのヒントでも掴んだんだろうか。


 三人が笑う姿を見て、私の胸の中は今日もいっぱいになる。

 仲良しになって一か月しか経っていないけど、その一か月が私にとっては宝物だ。 


「それじゃー、このエリカがゆうなちゃんにあーん、いきますっ!」


「はぁ? ふざけんじゃないわよ? なんであんたが最初なの!?」


「タコ焼きのタネを作ったのはうちじゃ! そもそも、タコもうちが持ってきた。わしが最初にやる!」


 三人はタコ焼きを片手にあぁだこうだ言い合っている。

 私なんぞに食べさせてくれるっていうのは恐れ多いなぁ。

 いや、そもそも、一気に三個も食べられそうにないや。熱いし。


「そうだ! 私が皆さんに食べさせてあげますよ。やってみたかったんです」


 ここで思いついたのが、あーんをこちらがすることである。

 ASMRの配信でも疑似的に食事を一緒にするというコンテンツを見かけたことがある。

 その時、配信者さんは「あーん」を効果的に使っていた。

 まるで、その人とデーとするみたいに。


 ……ん? デート?


 自分がなんだか変なことを提案した気がして急に焦ってしまう。

 いや、変だよね、明らかに変なこと口走っている。


「あ、あぅ、今のやっぱりナシで、えと」


「だーめ! 自分の言ったことは責任持たなきゃだよ―」


「ゆうなさん、私、全てを受け入れる覚悟ができてます!」


「へへっ、しょうがねぇのじゃな、ゆうなはわしにぞっこんなのじゃから」


「うぅ」


 私は辞退を申し出るも、三人はぐいぐい来て逃れられそうにない。

 友だち同士の悪ふざけなんだろう。


「それでは、えっと、どうぞ、あーん?」

 

 私はタコ焼きをお箸でつまむと、三人のお口に入れてあげるのだった。


「うにょぉあーっ! 美味しい!」


「これってもう、ファーストバイトですよね!?」


「……パイン味? これはこれで美味いのじゃ」


 三人はとっても喜んでくれた。

 いや、ふみさんだけは渋い顔をしてたけど、私の責任じゃないよね?

 

「それじゃ、今度は私たちが!」


「ゆうなさんのファーストバイトは私がもらう!」


「ゆうな殿も、パイン味を試すのじゃ!」


「ひぇええええ!?」


 自分の家の中ながら追い立てられる私なのであった。

 最近、この三人の圧がちょっと怖いぐらいだ。


 でも、嬉しい。

 ずっと仲良しでいられたらいいなって思う私なのであった。


 このお話、今日の配信でしてみようかな?




◇ 悠木ゆめめ、今日も配信、がんばります!



「こんばんは。悠木ゆめめです。みんな、一日、お疲れ様です」


 そして、今日も配信活動を開始する。

 先日の騒動以降、一週間は毎日配信している。

 お姉ちゃんからは今が売り出し時なんて言われたけど。


『こんゆめめー』


『今日も配信嬉しい』


『ゆめめ様ー!』


 リスナーさんは今日も温かい。

 チャンネル登録者が増えたので、コメントが荒れるかもって思ったけどそんなことはなかった。


「今日は予告通り雑談って感じなのですが、えっと、まずは昨日までのスパチャ読みしていきますね」


 スパチャを送ってくださるリスナーさんはそこに私への質問や感想なんかを書いて下さるのだ。

 こちらも話題が途絶えないのはありがたいし、雑談配信では積極的に読むようにしている。


「えっと、nekonomuraさん。スパチャありがとうございます。


ゆめめ様、僕は先日はありがとうございました。ゆめめ様がニュースになったことで、例の友人がゆめめ様にはまり、ASMRの誤解を解くことができました。ありがとうございます。


 …とのこと」


 nekonomuraさんと言えば、この間の配信で私に相談してくれた人だ。

 私の例のリハーサル配信が貢献したとのこと、それはそれで嬉しい。

 しかし、ちょっとあの配信、際どいというか、私だけ恥をかいているというか。

 素直には喜べない私がいた。


「ASMRについての思い込みを解消できたのなら、嬉しいです。ちょっと内心、複雑ではあるんですけどね」


『伝説の誤配信』


『実際、あれでASMRの誤解解けた奴もいる』


『ゆめとも、すっげぇ増えたよな』


『新入りはマナー守れよ、まじで。半年ROMれ』


『古参のおっさんは黙っててー?』


 リスナーさんたちもレスポンスが早い。

 たははと笑ってしまうけど、今までは焦っていたんだろうなって思う。

 私はその後のスパチャ読みもそつなくこなしていく。


「えっと、告知をします! 来週の日曜日、延期していた一周年記念配信を行います! お時間のある方は、ぜひ、いらっしゃってくださいね」


 そして、最後に行うのが風邪で延期になってしまった一周年記念配信だ。

 さすがにあの放送事故を記念配信にしてしまうことはできない。


 一周年記念配信では歌とか、凸待ちとか、いろいろやってみたいことを考えている。

 えへへ、歌については放送事故の時も褒められたから自分でもちょっと期待している。


『絶対みます!』


『今度は事故らないようにね』


『うどん用意しておくねー』


『ゆめめ様、お歌はあの、えっと』


『すげぇ楽しみ』


「ありがとうございます! それじゃ、今日は少しだけ時間も余ったので、おやすみASMRをやりますね……。頑張り屋さんですから、しっかり休んでもらいます」


 私は今日もマイクにささやく。

 かつての私のように、悩みで眠れない夜を過ごす人の為に。

 私はASMRが好きだ。

 




【☆★読者の皆様へ お願いがあります★☆】


引き続き読んで頂きありがとうございます!

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ご感想などもすごく楽しみにしています。


次回もお楽しみに!

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