米子湊総力決戦!さらば変態四天王、そして玉藻の前降臨!?
伯耆国米子の湊、禍々しい妖気が渦巻く広場。桃色助平太一行の前に立ちはだかるは、玉藻の前の妖力によって復活・強化された「変態四天王」!力士道山、お仕置きマダムお銀、夢幻斎、そして月影。彼らは、それぞれの歪んだ「美学」を胸に、一行に最後の戦いを挑んできた!
「刮目せよ、桃色助平太!これぞ我が『筋肉芸術』の最終奥義!大山鳴動・肉弾大圧殺!」
力士道山は、その肥大化した筋肉をさらに隆起させ、米子城跡の石垣すらも砕かんばかりの勢いで突進してくる!
「うふふ、変態侍さん、お仕置きの時間ですわよ?このお銀様の『愛のSMフルコース・極』、存分に味わっていただきませんとね!」
お銀は、黒薔薇の紋様が浮かび上がった特製の革鞭をしならせ、その先端からは紫色の妖気が立ち昇っている。彼女のサディスティックな笑みは、もはや芸術の域に達していた。
「ククク…お前さんたちには、我が最高傑作『夢幻からくり・百鬼夜行』を見せてやろうぞ!米子の夜を、永遠の悪夢に変えてくれるわ!」
夢幻斎は、懐から無数の呪符を取り出し、宙に放つ!呪符は、米子の町に転がる瓦礫や道具に憑依し、おぞましい姿のからくり妖怪となって動き出す!
「……(月影は、その氷のような瞳で助平太だけを見据え、抜き放った愛刀『氷殺』から絶対零度の冷気を放ち、静かに間合いを詰めてくる)」
「おおおおおっ!なんと!なんと素晴らしき『進化』でござろうか、我が愛しき変態四天王の皆様!そのお姿、その技、まさに『変態の最終形態』!この助平太、貴殿方のその『究極の美』を、我が魂の全てをかけて、とくと拝見させていただきますぞ!」
助平太は、四方八方から迫りくる脅威を前に、むしろ喜々として筆を構え、その瞳は興奮と歓喜に濡れていた!
「ド変態!今度こそ本当に死ぬんだゾ!」
「助平太殿、集中しろ!」
「テメェら、まとめてかかってきやがれ!」
プルルン、カゲリ、辰五郎も、それぞれの覚悟を胸に、四天王に立ち向かう!
お福は、この地獄絵図のような状況下でも、どこからか大きな握り飯を取り出し、もぐもぐと頬張りながら戦況を見守っていた。
「あらあら~、なんだか皆さん、とっても大変そうですわねぇ。でも、あのお相撲さんの筋肉、なんだか美味しそうなお肉に見えてきちゃったわぁ…じゅるり」
そのマイペースぶりは、絶望的な戦場において、ある種の異様な清涼剤となっていた(かもしれない)。
力士道山の肉弾攻撃を、辰五郎が江戸っ子の根性で受け止め、その隙にカゲリが力士道山の巨体の関節を狙う!しかし、強化された力士道山の筋肉は、もはや鋼鉄の如き硬度を誇り、容易にはダメージを与えられない!
お銀の変幻自在の鞭捌きと、夢幻斎の生み出す幻覚の波状攻撃に、助平太とプルルンは翻弄される!助平太は、お銀の鞭が描く「美しき曲線」に見惚れ、夢幻斎の幻術が生み出す「悩ましき美女の群れ」に鼻血を噴き出しながらも、筆を走らせ続ける!
「おお!この鞭のしなり!この幻の美女たちの誘惑!まさに『SMとハーレムの融合』!この助平太、新たな『変態の扉』が開きそうでござる!」
月影の氷の剣技は、カゲリの忍術をもってしても完全には捌ききれず、その頬を浅く切り裂く!
「…強い…!」カゲリが呻く。
絶体絶命のピンチ!その時、お福が、懐から取り出した巨大な「大山おこわ」の包みを、誤って(あるいは意図的に?)夢幻斎の足元に落としてしまった!
「あっ!わたくしの大事なおこわ様が!」
夢幻斎は、足元に転がってきた、湯気を立てる巨大なおこわの塊に気を取られ、一瞬幻術の集中が途切れた!
「今だ!助平太の旦那!」
その隙を見逃さず、辰五郎が叫ぶ!
助平太は、我に返ると(というより、さらに変態的なインスピレーションを得て)、四天王に向かって高らかに宣言した!
「我が愛しき変態四天王の皆様!貴殿方のその『歪んだ美学』もまた、実に素晴らしい!しかし!真の『美』とは、他者を支配し、苦しめるものではなく、共に悦び、共に高め合い、そして時には…その『弱さ』や『醜さ』さえも愛でることのできる、無限の『包容力』なのでござる!そして、この拙者の、天をも貫く変態性こそが、その究極の調和点なのでござる!」
助平太の、もはや「変態説法」とも呼ぶべき言葉は、不可思議な力を宿し、四天王の心を激しく揺さぶった!
力士道山の筋肉が、ピクリと痙攣する。「…共ニ…タカメアウ…?」
お銀の鞭を握る手が、わずかに震える。「…ヨワサモ…ウツクシイ…?」
夢幻斎の翁の面が、カタカタと音を立てる。「…ワガゲイジュツハ…チョウワ…?」
月影の氷の瞳に、ほんの一瞬、人間らしい戸惑いの色が浮かんだ。「……」
「さあ!今こそ、その歪みを解き放ち、真の『美』の境地へと至るのですぞ!この助平太が、貴殿方の『新たな扉』を開いてご覧にいれましょう!」
助平太は、筆を天に掲げ、何やら怪しげな呪文(もちろん彼が即興で考えた変態的なもの)を唱え始めた!
その瞬間、仲間たちが一斉に動いた!
カゲリは、月影の心の隙を突き、その剣を弾き飛ばす!
辰五郎は、力士道山の懐に飛び込み、渾身の頭突きを叩き込む!
プルルンは、夢幻斎のからくり人形の制御回路に擬態し、人形たちを暴走させる!
そしてお福は、落ちたおこわを拾い上げ、「あらあら、まだ温かいですわねぇ。お相撲さん、半分こしませんこと?」と、なぜか力士道山に差し出した!
「ぐおおおおおっ!」「きゃあああっ!」「なんじゃとおおお!」「……っ!」
四天王は、仲間たちの怒涛の反撃と、助平太の理解不能な変態エネルギー、そしてお福のマイペースな行動によって、ついにその巨体を支えきれず、地面に倒れ伏した。
彼らは、最後に何かを悟ったかのように、穏やかな(あるいは、諦めたような)表情を浮かべ、玉藻の前への忠誠を口にすることもなく、静かに光の粒子となって消えていった…。その最期は、どこか物悲しくも、そして助平太の目には、やはり「美しく」映ったのであった。
四天王が倒れると、米子の町を覆っていた禍々しい妖気が、わずかながら薄らいだように感じられた。苦しんでいた人々の中から、安堵のため息や、小さな希望の囁きが聞こえ始める。
しかし、その時、天高くから、玉藻の前の冷たく美しい高笑いが響き渡った!
「ククク…フフフフ…我が愛しき四天王も、所詮はその程度の人形であったか。だが、お前たちのその下らぬ足掻きも、ここまでじゃ。七つ目の『天逆毎の鍵』は、もはやお前たちには渡さぬ。この米子の地こそ、我が輝かしき『千年王国』の、最初の礎となるのじゃからな!」
声と共に、米子城跡の方角から、黒紫色の妖気が奔流のように噴き出し、天を突く巨大な塔のようなものを形作り始めた!そして、その塔の頂上に、十二単を纏った絶世の美女…妖狐院玉藻の前が、ついにその美しい姿を一行の前に現した!
「さあ、最後の宴を始めようぞ、桃色助平太よ。お主のその『変態』、どこまで妾を楽しませてくれるかのう?」
玉藻の前の妖しい微笑みが、絶望と共に米子の空を染め上げていく!




