目覚め※
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長い夢を見ていた気がする。
どうでも良いと感じていたのか、忘れていただけなのか
時と共に自然に薄れていった昔の光景を見た気がする。
あれ、ここどこだろう。
キョロキョロと辺りを見渡す。
高級家具、シャンデリア、テーブルの上の粉。
趣味の悪いキングサイズの赤いベッドに、昔の太客が寝ている。
あ、そっか…
ヤクをやって、ハイになって幻覚を見て夢を見て…
ずるずるとベッドから這い出る。
脱力感と吐き気して足元がふらつく。
ぴくん。
足の裏にひんやりとした大理石の冷たい感覚が過度に伝わってきた。
しばらくぼーっとした。
ゆっくり記憶が戻ってくる。
バーの借り部屋を飛び出して、人を殺せなくて、
死にたくなって、ここに来てヤクをやった。
考え出すと急に頭痛がしてきた。
帰ろう。
ルナはイビキをかいて寝ている客を残して、黙って邸宅を出た。タクシーを捕まえて、バーに向かう。
もう朝日が登り始めていた。
ルナはタクシーの窓から街並みをぼーっと見る。
タクシーが信号待ちをしていると、鳩が3羽近くに舞い降りた。
ルナ「ハト…」
信号が青になりタクシーが走り出すと同時に3羽の鳩が飛び去っていった。
ルナ(そうだ、まだ終わってない。あの時にお母さんと約束したじゃないか)
騙されたなんて、相手が私よりうわてだったからで。
あの時の私は現実をとっくに分かっていたのに、自分の力で大金を手に入れて、なんでも出来るって思い込んでいたんだ。
今私の居場所はあの日、マスターが拾ってくれたからある。
そこで頑張って、お金を貯めて、進学して、いつか、誰かに踏みにじられる人生から脱するんだ。
自分で何もかも決められる位、賢く強くなるんだ。




