謝罪
その日初めてルナは学校を休んだ。
夕方はシンシアとローラの家に行く。
私は自分のした事なのに、特に何もせずぼーっとしながら宿題のスケッチを簡単に終わらせた。
スケッチには羽ばたいているピーちゃんの姿を描いた。
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シンシアはその日レオを預けて、小鳥を買いに行った。更にいくらかお金を包んで菓子折りまで用意していた。
ルナとシンシアはローラの家を尋ねる。
ゴールデンレトリバーがワンワン!と駆け寄ってきた。
ローラがこらっ、走り寄る。
見慣れた光景だ。
そこでローラと目が合った。こちらに気がつくと近づいてきた。その表情に怒りはない。
シンシア「初めまして、ルナの母です。この度はご迷惑をおかけしました。ご両親いらっしゃる?」
ローラはケロッとしており、うん、待っててね!と両親を呼びに行った。
ローラとそのご両親が出てくる。
シンシア「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。こちらお詫びの品です。ローラの大切なペットを逃してしまい申し訳ありませんでした」
ローラの父親「良いんですよ。それにね、羽が生え変わると飛ぶようになるんです。それをローラは知らなくてね。それにうちには他にも動物が沢山いますから」
ローラの母親「ローラが怒っていたものですから、トラブルにならないように、うちは大丈夫ですからと連絡を入れただけですの」
シンシア「こちらが悪いのに沢山ご配慮いただいて申し訳ありません。ルナ、ローラに言う事があるでしょう」
ルナ「ローラ、ごめんなさい」
ローラ「別にいいの。また新しいペット買ってくれるってお父様も言ってるし」
シンシア「おばさんが代わりの小鳥を買ってきたのだけれど、受け取ってくれるかしら」
ローラ「うーん。要らない。それピーちゃんより可愛くないし。あと私、鳥ならオウムも居るし言葉を教えるのに忙しいのよ」
シンシア「そうなのね。ピーちゃんのこと御免なさいね。ルナも反省してるわ。」
ローラの両親は謝りに来たシンシアの気持ちをくんで、菓子折りだけを受け取りローラと自宅へ戻って行った。
ローラの両親はとても寛容で、ローラはケロッとしていた。ローラの家は裕福なクリスチャン一家である。余裕のある対応だ。
私の父は私の話も聞かず私を蹴り飛ばした。
あまりの違いに笑える。
シンシアと帰り道を歩く。
夕焼けが辺りをオレンジ色に包んでいた。
シンシア「ルナ、よく頑張ったね」
ルナ「…」
私の代わりに謝ってくれてありがとう。
そう思ったのに言えなかった。
シンシア「この鳥、どうしたい?」
ルナ「逃がしてあげたい」
シンシア「逃がそうか」
シンシアは笑顔だった。
この時初めてルナはシンシアの目を見て微笑んだ。
ルナ「でもこの鳥、羽切られてないの?」
シンシア「そうじゃないものを選んだのよ」
ルナは鳥籠を開ける。
ピーちゃんより可愛くないと言われたその鳥は、
夕陽の朱色を羽根に映しながら
あの時のピーちゃんより力強く、真っ直ぐ空の向こうに飛んで行った。
次は現代編に戻ります。




