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童話・児童書などまとめ

ただの石ころ「ごっつん」の物語

作者: 斎藤由希



 ただの石ころ「ごっつん」は宝石になりたい。


「ごっつん」は誰かにぶつかって、痛い思いをさせるくらいしかできる事がないので、宝石になりたい。


山の表面にへばりついていて、ときどきぽろっと落ちては、人にごっつんするだめの自分とは、さよならしたい。


 だから、宝石になって、多くの人に愛でられたり、プレゼントされたり、喜ばれたりしたい。


 けれどただの石では、どうやったって宝石にはなれない。


 宝石はたぶん、透き通ってたり、光を反射したりするものだから。


 ただの石は透き通っていないし、光を反射したりしないので、宝石にはなれないのだ。


「ごっつん」の夢はどうやっても叶わないものだった。


 けれど、ある日石の神様が「ごっつん」に声をかけた。


 ただの石でも宝石にしてあげるよと。


「ごっつん」は喜んだが、宝石になるには条件があった。


 たくさん人に悪戯すれば、宝石になれるというのだ。


「ごっつん」は悩んだ。


「ごっつん」の力はあんまし強くない。


 きっとちょっと痛い思いをするだけ。


 たまにたんこぶになったりするだけ。


 でも「ごっつん」は誰かに悲しい思いをさせてまで、宝石になりたいとは思わなかった。


 好きで山の表面にくっつく石になったわけじゃないけど、それをやめるために人を不幸にするのは間違っている。


 だからごっつんは神様の申し出を断った。


 すると神様は「君はなんて素晴らしい石なのだろう」と喜び、ご褒美に「ごっつん」を宝石にしてあげる事にした。


「ごっつん」の夢は叶った。


 綺麗で透き通っていて、光を反射してキラキラする宝石になった「ごっつん」は、多くの人の手に渡って様々な人に笑顔をもたらしたのだった。



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