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頭に「き」のつく映画といえば?

 不正乗車のことを「キセル」と言ったりしますが、これはタバコを吸う道具の「煙管きせる」が、本体は竹製で、先端と末端だけが金属製ということからきています。

 両端の部分だけが金属で出来ている=「両端だけが金」で、中間の運賃を払わない不正な乗車方法を例えているわけです。


 というわけで今回は、無賃乗車の映画の話。


 頭に「き」のつく映画、「北国の帝王」を紹介します。


 原題は「Emperor of the North Pole」。


 1973年のアメリカ映画。監督はロバート・アルドリッチ、出演はリー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、キース・キャラダイン、チャールズ・タイナーほか。


 世界恐慌の真っ只中、1930年代の大不況下のアメリカ。

 職の見つからない者たちは、列車に乗って、当てもなく各地を放浪していました。


 そんな無職の彼らは、貨物列車にこっそりと乗り込んで無賃乗車で移動。

 彼らは「ホーボー」と呼ばれました。


「ホーボー」の間で、ひとつの噂がありました。

 オレゴン州に拠点を置く19号列車には、無賃乗車する「ホーボー」を容赦なく殺す車掌がいるから、絶対に乗ってはいけないぞ、というのです。


 実際、その列車には、シャックという腕利きの鬼車掌が指揮をとり、「ホーボー」は発見次第、容赦なく惨殺されていました。

 表向きは「転落事故」として処理されているのですが、実態は「シャックが手にしたハンマーで殴りつけて殺す」という野蛮なものでした。


「ホーボー」たちは、シャックに葬られる仲間たちを嘆く中で、唯一「あえて19号車に無賃乗車する」伝説の男の存在に、希望を見出していました。


 通称“北国の帝王”と呼ばれる伝説の「ホーボー」こと、エース・ナンバーワン。


 シャックの耳にもその伝説は聞こえてきましたが、いつも目を盗んで忍び込むため、エースの顔すら見ることが出来ずにいました。

 そこに、「シガレット」という若者が、“北国の帝王”の座を奪おうと、エースの後を追って「あえて19号車に無賃乗車」しました。


 エース、シガレット、シャック……三人の戦いは、思わぬ方向に進んで行くのです。


 鉄道の無賃乗車で放浪を続ける浮浪者「ホーボー」と、無賃乗車犯を許さない車掌との対決を描くスリリングなアクションです。


 タダ乗りする人たちと、それを厳格に取り締まる車掌との死闘、というバトルだけで延々と見せるという設定はまず他に無いですし、追随の模倣作も出ていません。唯一無二の絶対的迫力! 


 この作品の鬼車掌・シャックを演じた、アーネスト・ボーグナインのサディストぶり、まるで殺すのを楽しむかのような嬉々とした表情がまあ本当に怖いこと怖いこと!

 これ一発で、私にとっては一生忘れらない名前になったのでした。


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