12月4日 プロポーズで愛溢れる未来を創る日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。恋人募集中。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。恋人超募集中。
本編12月4日の続きです。
ここはとある郊外のマンションの一室。
「E.T.ってこういう話だったんすねー」
「久々に観るとやっぱり面白いな」
「これぞ王道!って感じっすよね!」
「ああ。…ていうかほんとに体調は大丈夫なのか?」
「怖いぐらい万全っすね…今からフルマラソンでもできそうなくらいっすよ。さすがに今日はゆっくりしますけど」
「ほんとに怖いぐらいの効果だな…この生姜湯は…まあ元気になってなによりだけどな」
「ありがとうございます!(ぐぅー) あっ…」
「ふふっ、食欲もバッチリみたいだな」
「…///」
「もう昼過ぎだしな。何か食べるか。うどんとかお粥なら作れる準備はしてあるぞ」
「さすがにそこまでお世話になるわけには…でもあのうどん、ほんとに美味しかったっす!どんなレシピなのか教えてもらえないっすか?」
「もちろん。太郎くんからのメールを転送しておくよ。でも特別なものが入ってるわけじゃないんだけど、いろいろと手間暇かかっててお母さんの愛情を感じたよ」
「ふふふ、うちの母は最高っすからね!でも高橋さんってなんだかんだ料理上手いっすよね」
「そんなことはないぞ。ただレシピ通り作っただけだしな」
「いやいや、それでも差が出るものっすよ。あのうどんは毎日食べたいくらい美味しかったっす!」
「そいつはよかった。なんかプロポーズみたいな褒め方だな」
「へ⁉︎プ、プロポ…///」
「ああ、すまん。深い意味はないぞ。実は今日はプロポーズで愛溢れる未来を創る日っていう名前の記念日でもあるんだ。それを思い出してな」
「す、すごい名前の記念日っすね…内容を全て説明してるじゃないっすか…」
「俺もそう思う。制定したのは有限会社オゥドゥビッシュっていうジュエリーの販売なんかを手がける会社で、日付は『1 2 4』で『いつも 二人 幸せ』の語呂合わせからだそうだ」
「へー。記念日中毒の高橋さんとしては将来プロポーズするならやっぱりこの日なんすか?」
「中毒って…まあいいけど。そうだな…他にもプロポーズに関する記念日はあるし、この日だけってことはないかな」
「他にはどんな日が?」
「プロポーズの日ってのが6月の第1日曜日だ。ジューンブライドに関連して作られた日だ。あと毎月10日はスカイプロポーズの日だな」
「スカイプロポーズ?」
「ヘリでの遊覧を行ってる会社が制定したんだけど、その遊覧中、空中でプロポーズをすると成功率が高いってことで、それをスカイプロポーズと名付けたそうだ」
「なんかいろんな意味でドキドキしそうっすね…」
「あとはクリスマスとかバレンタインデーとかその相手の誕生日とか…いろいろ選択肢はあるな。まずはプロポーズする相手を見つけないといけないけどな…そんなことよりご飯だな。手っ取り早く何か食べに行くのはどうだ?」
「いいっすね!…あー、その前にシャワー借りてもいいっすか?さすがに汗を流したくて…」
「ああ、いいぞ。まだ使ってないシャツがあったはず…着替えに使うか?あと歯ブラシとかもストックがあるぞ」
「至れり尽くせりですみません…じゃあ、ちょっとお借りしますね」
「どうぞ、ごゆっくり」
「お待たせしました…って、あれ?」
「zzz…」
「(コタツで寝ちゃってる…そういえば夜勤終わってそのままぼくの看病してくれてたんだっけ…ほんとに優しいんだから…)」
「zzz…」
「…毛布かけておいてあげよう。風邪ひいちゃいますよーっと(ファサー)」
『まずはプロポーズする相手を見つけないといけないけどな…』
「…ぼくにプロポーズしてくれてもいいんですよ?(ボソッ)」
ユーガッタメール!
ゆーがっためーる‼︎
「はっ!し、しまった…」(スマホチラッ)
『ニヤニヤ』 『ヒューヒュー』
「ち、違うんです!今のは…口が滑ったというか…と、とにかく忘れてください!」
「う、うーん…あ、すまん…寝てたわ…どうかした?」
「なんでもないっす!」
謎のメール 高橋家の住人の幽霊から届くメール。原理は不明。どんな機種でも受信音が固定になり、全文カタカナなのが特徴。
武から→「ユーガッタメール!」
貴子から→「ゆーがっためーる‼︎」