10月21日 あかりの日 その後
10月21日の続きです。
「雨全然弱まらないっすね…」
「ああ…停電も復旧の目処はたってないみたいだしな…どうしたもんか…」
「…」(ウトウト)
「大丈夫か?」
「はっ⁉︎大丈夫っす!ちょっと眠いだけで…」
「君、昨日から寝てないんじゃないか?」
「実はそうなんすよね…ずっと漫画読んでたんで…お陰で心のトキメキパワーはフルマックスなんすけど」
「すまん、そのステータスはよくわからんわ…うーん、そうだな…埒があかないし、今日は泊まっていくか?朝になれば雨も止むかもしれないし。それに明るくなれば車も出しやすいしな」
「ええっ!い、いやそれはさすがに悪いですよ…ほ、ほらベッドひとつしかないんでしょ?寝る場所ないじゃないっすか」
「いや、この前マットレス買い直したときに予備の布団も買ったから大丈夫だぞ。どっちでも好きな方使ったらいいよ」
「あっ、そうでした!すみません、マットレス弁償しますので…おいくらでしたか?」
「別にいいよ。そろそろ買い替えろって貴子さんから怒られてたんだよ。どうせ近々破棄する予定だったし」
「でも…」
「もう言いっこなしだ。それでどうする?どうしても帰るって言うなら、送っていくが…」
「え、えっと…」
「…」
「…(ど、どどど、どうしよう⁉︎帰るって言ったら高橋さんはきっとついてきちゃうだろうし、この雨の中往復させるのも悪いし…で、でもだからといって泊まるのは…たしかにもう2回泊まってるけど、どっちも酔い潰れてたから…素面だとさすがに緊張するというか…)」
「…?田中くん?」
「…(いや、高橋さんのことだから9割9分9厘何もないと思うけど…もし万が一何かこう…アクションがあったらどうしよう⁉︎…こ、心の準備が…はっ⁉︎ち、違う!受け入れるとかいう意味じゃなくて!)」
「おーい」
「…(…でもこの人はこの人で涼しい顔して『泊まっていくか?』とか提案してくるし…なんだろ?ぼくのことを一切意識することがないってことかな…それはそれでムカつくし、ちょっと、へこむ…)」
「田中くん?」
「あ…すみません…ちょっと考え事を…そうっすね。この雨だと帰れないので、すみません、一晩泊めて下さい…布団をお借りしますね…」
「…あー、俺、実家に帰ろうか?ここ1人で使ってもらっていいぞ」
「なんでそうなるんすか…雨で外に出るのが危ないから泊めてもらうのに…高橋さんが外出たら意味ないじゃないっすか…」
「いや、その方が田中くんは安心かと思って…というより別に俺のことはいいんだよ。ここにいてもどうせ寝れないし…」
「…?なんで寝れないんすか?ぼくが布団使って、普通にベッドで寝ればいいじゃないっすか?」
「あっ…えっと…それは…」
「めっちゃ目が泳いでますけど…何かあるんすか?」
「あー…ま、前の2回のときがそうだったんだが…田中くんが泊まってると、なんというか…意識しちゃうというか…緊張するというか…そんなんで全然眠れないんだよね…あっ⁉︎いや、何か手を出そうとしてるとかいうことはないぞ!ほんとに!」
「…!ふふふ、そうなんすか!へー、高橋さんがね〜」(ニヤニヤ)
「うっ…からかうなよ…///はぁ、口が滑ったなぁ…」
「でも眠れないのは辛いですよね〜 あっ、今日はぼくが添い寝してあげましょうか?よく眠れるように」
「えっ…あの、それは…」
「プッ、あははは!フリーズしちゃってるじゃないっすか!冗談っすよ、冗談!さっ、布団はどこっすか?敷くのを手伝ってくださいよ」
「お、お前なぁ…あー、びっくりした…変な汗かいたわ…」
「これは本編じゃないんすか?」
「オチもないし、長いし、ラブコメを書きたいがためだけの話だからな」
「ふーん」
「…なんだその意味深な表情は?」
「いえ、べっつにー。なんでもないっすよー」
「なんなんだ、いったい…まぁたまにこういう話があるけど、1話完結のくだらない話を基本にしたい所存みたいだな」
「しっかりオチもつけていきましょうね!さあ、次のセリフでこの後書きのオチをどうぞ」
「やりづらいことこの上ないわ!」