一難去って
振り返ると、全身が毛で覆われていて大きな口が一つだけある異形の化け物の姿があった。
僕が気づいたのを察知したのか、その化け物は威嚇するように叫んだ。
脳を揺らされるような咆哮に一瞬クラつくとその化け物は大きな口を開け突っ込んでくる。
「グォォォーー」
咄嗟に避けると、自分が今さっきまでいたところに大きな穴が空いていた。化け物はムシャムシャと大きな口を動かし土を咀嚼している。
ひとしきり咀嚼して満足したのか、化け物はドシンドシンと跳ねながらそのまま直進していった。
僕は冷や汗をかき、しばらく呆然とそこに立ち竦んでいた。
そうしてるうちにまた化け物の叫び声が遠くで聞こえて僕はハッとして早く森を抜けようと歩き始めるのであった。
1時間くらい歩いてようやく森を抜けたら今度は草原が広がっていて遠く小さな村がみえる。とりあえずはそこを目指すことにした。
また小一時間程歩きようやく到着した。入り口に門かあり読めない文字が書いてあった。
(おそらくこの村の名前なのだろう。読めないけど)
門の下を通り抜けようとしたそのとき、いきなり足元にボスッと音がした。
足元をみるとそこには矢が刺さっていた。