74 誕生パーティー後
観覧車がある建物(m-モール)はサイゼリヤが入ってるビル(p-ヨコハマ)のすぐ横にある。その建物は5階建てであるが、上に直径45mほどの観覧車がある。私はm-モールの中に入っていった。
m-モールのなかは人もまあまあ多くにぎわっている。ショウいわく、昔と今とであまり変わっていないらしい。
1回のM-Mallのロゴのある入口から中に入って右に行くと、すぐ近くにエレベーターがある。私たちはエレベーターに乗り込み、入口がある5階へと向かっていった。
一周は12分であり、値段は800円。周りに高い建物はないので、遠くまでを見晴らすことができる(天気が良ければ、みなとみらいや富士山、スカイツリーも見えるらしい)。私自身裸眼ではあるものの、そこまで目がいいというわけではない。夜ということもあり、そこまで見えるとは期待していなかった。
私たちはそれぞれお金を払い、4人で同時にゴンドラに乗った。ひかりは高所恐怖症と言っていたが、3人がいるなら大丈夫、と言って乗ってくれた。観覧車のゴンドラのうち、ふたつは地面がガラス張りになっている。それに乗ってみたいという気持ちもなくはなかったが、ひかりとショウが怖すぎるといったのでなしになった。
観覧車が少しずつ上がっていく。私たちは窓の外を見て、夜景に思いをはせた。
入口がある側の景色は暗く、住宅街といった雰囲気を醸し出している。一方、もう片方の窓から見える町並みは明るく、にぎやかな雰囲気を何となくではあるが感じ取ることができる。
晴れてはいるものの、当然ながら暗く、富士山やスカイツリーは見えなかった。私はかすかに見える星を仰ぎ暗い夜に思いをはせた。
確か初めて神奈川に来たのは高校受験の時だ。受験のため、「できるだけ家から近く」という点で選んだ記憶がある。そして3校受験したが2校落ち、受かったのは(奇しくも第一志望の)ここだけだった。
その日の帰り道、駅前で観覧車を見た。オレンジ色にライトアップされていたのを覚えている。その日から、いつか乗りたい、とは思っていた。
1年後にはなってしまったものの、今、最も仲がいい友達3人と乗ることができている。私は、3人にありがとう、と伝えた。
私の家族は転勤族だ。幼少期は徳島に住んでいたが、2回ほど引っ越しをした覚えがある。小2から2年ほど名古屋で過ごしたのち、そこから1年ほどは広島に住んでいた。小5のときに徳島に戻り、高校に入るまではずっとそこにいた。
しかし2021年の11月、引っ越しが決まってしまい、急遽神奈川にくることになってしまった。その時はショックだったが、意外と「住めば都」という言葉は的確だな、と思えるようになっていた。
気づいたら観覧車が頂上に来ていた。




