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6 仮入部

 仮入部が行われる音楽室の扉の前に立った。あと5分で始まるということだが、まだ(私たちを除いて)2人しか来ていなかった。もし仮入部に来ている人しか本入部しないならば、私と、長谷川くんと、他クラスの名前がわからない男女それぞれ1人の計4人体制で活動することになる。


 長谷川くんに腕時計を見せてもらうと、もう4時になっているようだった。


 「仮入部に来てくれてありがとうございます。例年通り、今年もグループは1個になりそうですね。把握していると思いますが、軽音部の活動は火水金土の週4回です。とりあえず、音楽室に入ってきてください」


 岩田顧問は私たちを中へと招く。音楽室の中に入っていくと、5人の先輩たちが私たちを歓迎してくれた。


 「座ってください」


 先生の合図で私たちは正座した。先生はプリントを配っている。そこには、先輩方のバンドの名前と、今日披露する予定の歌のセットリストが書いてあった。


 「今日は、実際の先輩の演奏を見ていただきます。先輩のバンドがどんな感じに活動しているのか、ということを実際に見てみてください。それでは高2の『DEGREE(デグリー) CELSIUS(セルシウス)』さん、お願いします」


 顧問が合図してすぐ、5人の先輩が私たちの前の低いステージ台の上に立った。


 「みなさん、仮入部に来てくれてありがとう! 俺の名前は黒木隆くろきりゅう、このバンドDEGREE CELSIUSのギター&ボーカルです!」

 「このバンドのベース担当は私、大川玲加おおかわれいかです! 今日はきてくれて、ありがとうございます! 後輩の憧れとなれるような、そんな姿を見せていきます!」 

 「キーボード担当の雨宮信あめみやしんです! 今日仮入部に来てくれた4人の方、私たちのパフォーマンスを見て『軽音楽って面白そうだな』って思ってくれれば嬉しいかぎりです!」

 「白川夏菜しらかわなつな、ドラム担当です! 軽音楽の楽しさを皆さんに伝えることができればな、って思っています!よろしくお願いします!」

 「ギター担当の佐々木柚加ささきゆずかです。 このバンド『DEGREE CELSIUS』のリーダーです。このバンド名は辞書を開いた時に5人の目が止まった単語に由来しています。それでは、歓迎ライブ楽しんでください!」


 5人が自己紹介を終えたあと、黒木先輩は話し始めた。


 「みなさん、来てくれてありがとうございます! 早速いきましょう。今日演奏するのは、皆さんご存知のバンド、『ε-カプロラクタム』によるソング、『荒野の朝』です!」


 ε-カプロラクタムは、中高生人気のバンド第2位に食い込む有名なバンドだ。どんなに詳しくない人でも、名前は知っているというレベルの知名度を誇る。


 先輩方は5人とも凛々しい披露を見せてくれた。先輩方も色々忙しいようで、今日は1曲で終わりらしい。私は、短いけどしょうがないと思った。


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