36 学園祭当日 1日目 5
「1cmおきに等間隔に打たれている点を結んで、面積が5の正方形を作ってください。制限時間は2分です」
そういって、私は点が打たれている紙を渡した。
「え、これ無理じゃない?」
「マス目をはみ出すとかすればいけるね」
小学生にとっては決して簡単な問題ではないと思う。私は小学校のころ、先生に教えてもらって感動した覚えがある。
彼女らは、紙の点を下のように結んで答えとした。
「正解です!」
私がそういうと、2人は嬉しそうにはしゃいでいた。
もともとこの問題を持ってきたのは私だ。小学生は三平方の定理は(知っている人はいるかもしれないが)多くは知らないだろう。しかし、この問題の場合、それを知らなくても、真ん中の四角形が面積1、そのまわりの面積1の直角三角形が4つで、合計で面積5になるということは小学生でもわかるようになっている。
この後の3問も難なく正解し、2人は無事に猫をマッチョまで育て上げた。景品はカップ焼きそばのはずだったが、もう前の1時間で完売(といっても、お金はとらないが)してしまったため、飴6個にせざるを得なくなっていた。
その後も仕事をつづけ、11時になると次のシフト担当の人が来てくれた。特に何もすることがなかった私たちはスタッフルームに隠れて話をした。
「実はあの点をつなぐ問題、小学校のころやった問題なんだよね、中学校受験はしなかったけど」
何人かに問題を出したが、結局正解したのは、あの1時間では最初の2人だけだった。三平方の定理を知っている今からすれば簡単に見えるが、知らない小学生からは意外と盲点なんだろう。
「中学受験する人なら、割と解けそうな問題だよね。ひらめき系だし。僕も中学受験はしなかったけど、中学校に入ってからは結構中学入試の問題を見てたよ。その中には、今見ても解けないものも多いし」
ショウは話す。中学受験の算数の問題を見るのは私も好きだ。中学校・高校の知識を使えば比較的容易に解ける問題もあるのがまた面白いと感じている。
「そろそろ軽音部の宣伝しない?」
ショウは提案した。私たちは、今日の14時すぎから演奏が行われるから来てね、と言うために、教室を出てテラス前の場所へと向かっていった。




