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29 ラーメン屋 2

 「このYくんね、この付近に住んでるらしいよ、毎日神社に参拝してるらしいって聞いたことがある」


 私は(タイトルは知っているが)正直その番組をあまり見ていない、ということをショウに伝えた。彼は、僕も見てないよ、と言っていた。


 「ごめん、ライブの注意の話に戻していい?」


 「ああ、うん」


 私は、ショウに確認を取ったあと話をつづけた。


 「3つ目ね。わかってるとは思うけど、私のあだ名ってヘリアンサスガールズの中では『なっきぃ』なのね。君は『なっち』って呼んでるし、今はそれでいいけど、ライブの時は間違えないでね。あと、半年ぶりのサプライズ出演ということで顔だけ出すけど、何かグッズを販売したりはしないからね」


 「思い当たる範囲ではこれだけかな。また何かあったら、ラインで送っとくね」


 私は、とりあえず今のところ思い浮かんだことは全てはなした。特に話すこともなくなったので、私たちは二人で大量にあるサインを見ていた。その中の一つを見て、私は驚いてしまった。


 「アカギリかつよし 2022/8/13」


 アカギリかつよしは一発屋の芸人だ。私と同じ徳島県A市生まれで、数年前にブレイクしたがすぐ舞台を降り、その後ローカルアイドルのプロデューサーになったという経緯を持つ。そのローカルアイドルが、私が所属している(「していた」、と言った方が正確だが、戻るつもりなので「している」と表現)ヘリアンサスガールズ、というユニットだ。


 「え、これ、ヘリアンサスガールズのプロデューサーだ!」


 私は驚きのあまり立ち上がって叫んでしまった。周りのみんなが私の事を見てくる。ショウは、落ち着いて、と私を諭してきた。私は、ごめん、といって座った。


 「あ、ごめん、ちょっとびっくりして」


 ショウは、どうして私が驚いたのかは理解しているようだった。


 先月のお盆に地元に戻ったときに、アカギリかつよしが下見に行っているらしい、という話は入っていたが、そのことを話す前にショウは厨房のおばさんに話を聞いていた。


 「アカギリさんね、12月のライブ会場の下見でこの辺に来たらしいんですよ。C北駅近くの彼の知り合いの家に寄ったとき、その辺のおすすめのラーメン屋を聞いたら、この店を上げてくれたんですって言ってました。私としてはちょっとC北駅からは距離があると思いますけど、彼なら十分歩ける距離だったって言ってましたね」


 ……確かに赤P(赤桐克義P)ならC北からここまで来ることくらい朝飯前そうなイメージがある。彼は身長は高くないもののマッチョで、肺活量が尋常ではない。上半身裸で「マヨネーズ!」とシャウトするだけの芸人なのだが、その声量はガラスを割ることができるほどだ。


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