番外編 復帰後 3
私の復活自体は公式ホームページでも伝えられていたのだが、少しの間は戻るための準備期間として、レッスンには出るが活動はまだ先になるという旨のことも併せて発表されていた。そのため、ファンの方たちは、ここで私に会えるとは想定していないという状況だ。
私はこの声に合わせて、舞台のみんなから見えるところに立った。
私は久しぶりということもあったが、どういうわけか緊張はしなかった。私は、6年前初めて舞台に立ったあの日のことを思い出していた。
観客からはまた歓声が飛んでくる。私は、無事に戻ってくることができてよかった、と心の底から思うようになっていた。
「じゃあ、復帰記念的にひとことしゃべってください!」
「えっ、何かしゃべるの?」
そういって、かわみんが私にマイクを渡してくる。特に何か話すことになるとは聞いていなかったので私は少しばかり困惑してしまった。
私は彼女からマイクを受け取って、アドリブで話を始めた。
「実は今回の公演にサプライズ的に出てほしいとは言われていたのですが、何かしゃべってといわれるとは全く思ってなくて、正直困惑しているのですが……」
私は笑いを抑えられないような言い方で話した。そして続けた。
「3年ぶりの復帰ということもあり、色々慣れないことも多いかもしれません。変わっていることも多いとは思います。ですが、私としてはこの舞台に戻ってくることができて本当に良かったです。
引っ越しときいて、私のことを案じてくださっていた方もいらっしゃるかもしれませんが、向こうでも私は元気でやっていいました。そして今ここに戻ることができたのは、ひとつはみなさんのおかげです。ありがとうございました。そして、ここからもまた、ヘリアンサスガールズの一員としてよろしくお願いします。
今日はここで私は舞台を去りますが、来月以降ライブに復帰できそうです。これからも応援よろしくお願いします!」
私はアドリブで話したので、日本語がおかしくなっているところもあるかもしれない。それでも観客からは拍手が聞こえてくる。私は、涙を抑えながら舞台裏まで向かっていった。
3人は続けて歌を歌っていく。そして彼女らの発表が終わると、3人は物販の場所へと向かっていった。私は、楽屋へと向かっていった。
LINEを確認するが、メッセージは来ていなかった。ショウとは別れたとは言ったがいまだに仲は良く話している。しかし、ライブにはなかなかこれなさそうだとも言っていた。
私は、3人の物販が終わるまで楽屋で待機していた。