番外編 復帰後 2
1期生のライブがあるが、今日は顔を出すだけだ。私は、1期生3人と集合したのち、車で市民会館へと送ってもらった。
今日は私も衣装に着替えて出ることになっている。黄色を基調としたデザインに、メンバーカラー(私の場合、オレンジ)が織り込まれている衣装だ。久しぶりに着るが、そこまできつくなかった。
ヘリアンサスガールズの衣装は露出度がそこまで高くない。NEWAWA(阿波市のローカルアイドル)の露出度に比べてもかなり低いほうだ。
私は、市民会館の楽屋へと向かっていった。
当然だがここに来るのも3年以上ぶりだ。しかし、記憶が何とか残っているということもあり、そこまで困惑することもなく復帰できそうな雰囲気はあった。
しふぉんがいないことを除けば、3年前と何もかもが変わっていない印象を受けた。しふぉんはヘリアンサスガールズのクールキャラ担当だった。彼女なき今、クールキャラはそかかに移行していたようだ。
私はどういう扱いになるのだろう。そう思いながら、私は着替えて昼ご飯を食べ、オレンジ色に髪を染めて、他メンバーの物販が終わるのを待って舞台へと向かっていった。
私がすることは2022年12月の横浜ライブでしたようなこととほぼ同じことだ。基本的にみんなの前に出るだけであり、何かを歌ったり披露したりはしない。物販も行わないため、単に舞台上に立つというだけだ。
私は舞台裏、観客から見えない場所に座って場の進行を待った。
舞台の電気が消えた。気づけば13時10分になっていた。予定通りならあと10分でメンバーの披露が始まる。プロデューサーさんは、スマートフォンの電源を切るように放送で促してくれた。
そして14時20分、ライブが始まる。3人しかいないにもかかわらず、彼女らは場を盛り上げてくれているようだった。
いつも通り自己紹介および、「○○から来た人いますか!?」といったような定番のあいさつからスタートする。そして彼女たちが数曲歌い終えたあと、私に招集がかかった。
「実はなっきぃが3年ぶりに復帰します! 拍手で迎えてください!」