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102 2次試験 4

 私は筆記具を机に置き、問題用紙及び解答用紙の回収をしてもらった。


 次の試験は化学だ。私は、コンビニエンスストアで買ってきたおにぎりを食べて時間をつぶした。


 ヘリアンサスガールズで知っている人がいないか周りを見渡してみたが、話しかけられることはなさそうだった。私は、少しばかり残念な気持ちになってしまったが、当然だと自分に言い聞かせた。


 ヘリアンサスガールズはA市のローカルアイドルであり、地元でも、知名度は、全くとは言わなくてもほぼないに等しい。仕方ないという思いもある。それでも、地元に近いということもあり、知っている人がいてほしいという思いはあった。


 化学もそこまで難しい問題が出るわけではない。私は、教科書を読んで知識を確認していった。


 気づいたら集合時間の13時20分になっていた。試験監督のような人が段ボールの箱を持って入ってくる。恐らく、あの中に試験問題が入っているのだろう。


「それでは、参考書・電子機器・音の出る端末をカバンの中にしまってください」


 私は試験官の合図に従い、筆記具以外のものをしまった。


 試験監督が化学の解答用紙を配布する。そして、その後に問題冊子を配布した。表面には注意書きがある(どうやら、問題回収を行うようだ)。試験官の指示に従い、私はそれを黙読した。


 模試の場合、たまに問題を透かして読むことができるのだが、入試ではそれは無理なようだった。


「試験はじめ!」


 監督は試験開始の合図を告げる。私は、数学のときと同じ要領で問題冊子をめくっていった。


 化学の方が難しい気がするが、そこまで解けないということもない。私はいつも通りの調子で問題を解き終えた。試験終了後、監督は問題と解答を回収した。


「それでは試験はここで終わりになります。お疲れ様でした。忘れ物なきよう気を付けてください」


 私は大学を出てバス停まで向かっていった。その途中、1人の男子に話しかけられた。


「あの、前田さん? 覚えてる?」


 振り向いてみると、見覚えある人が立っていた。誰だったか全く覚えてなかった私は、誰ですか?と聞いてみた。


「中1のころ同じだった、木下!」


 正直名前を言われてもピンとこなかった。私は、彼に申し訳ないという気持ちになってしまった。


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