101 2次試験 3
私は少し早いがスマートフォンの電源を切り、試験勉強を続けていった。
少しずつ会場に人が集まっていく。一クラスに40人程度が入れる教室だが、今のところ20人来ていた。しかし、見る限り、知っている人はいなさそうだ。中学時代の人がいてもおかしくはないと思うのだが、見つけることはできなかった。
また少しずつ教室が埋まっていく。どうやらこの教室は席を全部使うようで、40人全員が集まったようだった。見た感じ男女比は8:2。理系ということもあり、かなり男子が多いのは仕方ないことなのだろう。
気づいたら集合時間の9時になっていた。試験監督のような人が段ボールの箱を持って入ってくる。恐らく、あの中に試験問題が入っているのだろう。
「それでは、参考書・電子機器・音の出る端末をカバンの中にしまってください」
私は試験官の合図に従い、筆記具以外のものをしまった。
試験監督が数学の解答用紙を配布する。そして、その後に問題冊子を配布した。表面には注意書きがある(どうやら、問題回収を行うようだ)。試験官の指示に従い、私はそれを黙読した。
模試の場合、たまに問題を透かして読むことができるのだが、入試ではそれは無理なようだった。
「試験はじめ!」
監督は試験開始の合図を告げる。私は、解答欄に受験番号を書いてから(名前を書く場所はない)問題冊子をめくっていった。
1問目は数列の和、無限級数の極限。2問目は置換積分を利用して計算する漸化式の問題。3問目は空間図形とベクトルの問題。4問目は整数の問題のようだ。
見た感じ、難易度が異常に高い問題はなさそうだった。私は、1問目から順に解き始めていった。
1問目は普通に部分和が計算でき、それを極限に飛ばすという問題だった。そこまで難解なロジックは必要なさそうだ。2つ目は、x=tanθと置くタイプの問題。部分積分の計算が若干きついが、見たことあるといえるような問題だった。
3問目は少しめんどくさそうだが、そこまで大変というわけではないだろう。4問目も、実験していけば答えが出せるような問題だった。
計算ミスだけをしないように、私は問題を解き進めていった。
慎重になっていくとその分時間がたつのが早い気がする。あっという間に120分が立ち、試験官は「試験終わり」の合図を告げた。