期末試験最終報告(幕間・2)
それから、テスト最終日までを終了しての自己採点は――。
「……微妙だ……」
「……微妙か」
「乱世、お前はどうなのだ」
「……微妙だ」
「ううぅ……」
総じてかなり微妙な線だ。
「気落ちしてるとこナンだけども、特別戦の対戦カードが決まったもきよ」
「相手は?」
「頼成組、乱獣の一派もきね」
「頼成のところか……」
「それは頼成本人ではないのだな?」
「もき。あくまで末端メンバーもき。でも……」
「……そうだな」
頼成とは、この間の皿騒動の一件で遺恨が残っている。
ともすれば、単なる補習を賭けたバトルで済まない可能性も無視はできない。
「そんで、ルールは代表一対一のバトル。それによってグループ全体の補習を賭けるって条件もき」
「一対一、か。あの頼成の一派相手であれば、それも幸いと見るべきか」
椿芽の言う通りだ。少なくともこれで対戦中においては、おかしな真似を仕掛けてくるのは難しくなるはずだ。
「それで誰が代表になるんです?」
「それは勿論、私が……」
「いや……。今回は俺が出よう」
「お前がか?」
「ああ。相手は本人ではないとしても……あの頼成だ。何があるか判ったものでもないしな」
俺が考えるに、まずもって頼成と椿芽は根本的に相性が悪い。
ただでも挑発に乗り兼ねない椿芽は、ちょっとしたことでピンチを招きかねない。
それに……頼成が目をつけてくるというのなら、恐らくは俺だ。
「しかしなぁ……」
「まぁ、たまには俺を信用してくれ」
「う、うむ……」
「ほんじゃ、参加はアニキで登録しとくもき」
「ああ、頼む」
もっとも俺は俺で、不安要素が無いわけではなかった。
ひとつは『アクセラ』の謎の不調。
もうひとつはあの時興猫が言った、俺の『弱点』。
(もしかしたら……その二つは何か関連があるのかもしれない……)
可能であれば、その対戦の前に、どちらかでも解決はしておきたいところではあった。