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変態が5匹

剣の練習の後、窓にもたれ掛かって外の景色を眺めながら、

「はぁ」

と、ため息をついた。

「ど、どうしたの?レオ君」

この剣術の道場の娘であるハンナが心配して俺の近くに来た。

女性ならではの良い臭いが鼻腔に入ってくる。

たまらんな。

「欲しいものがあるんだ」

俺はスカした顔で言ったが俺の欲しい物と言えばもちろん、

『おパンツ』だ。

ハンナのおパンツだ。

剣術の練習による汗を吸って、

しっとりしてるおパンツが欲しいんだ。

でも、もちろんそんな事は言えない。

「はぁ」

もう一度ため息をつく。

「お金が必要なの?」

ハンナが聞いてくる。

「ごめん、お金では買えないんだ、良いんだ、気にしないで」

俺が少し困った顔で言うと、ハンナは目に涙を溜めて、

「ごめんね?私に出来ることなら何でも言って?」

と言ってくれた。

そんな事を言われたら、もちろん俺は、

『おパンツください!』

と言いそうになるが、もちろん言えない。

変態は変態だと、ばれてはいけないのだ。

変態は、変態だとばれた瞬間に犯罪者となる。

変態とは秘めたる物であって。

決して、公にして良い物ではない。

私は変態の端くれとして。

それだけはしっかりとわきまえていた。


今は剣術の道場に来ていた。

流派は、

『琥剣』

という流派で、迷宮に潜るのにとても向いた流派だそうだ。

そしてもちろん、学校で教えてくれるようなチャンバラ剣法じゃない。

魔力を使った戦闘を教えてくれる。

じゃあ魔力をどう使うのかというと、

魔力を使って体をタイムラグゼロでパワーアシストする、これがこの世界の剣術だ。

このタイムラグゼロでってのが難しい。

というのは、パワーアシストするタイミングがずれたら意味がないからだ。

というか、タイミングがずれたら大きな隙を作る事になる。

きっと致命傷を負うことになるだろう。

これを命を掛けた戦闘中に行わなければいけない、

例え練習であっても、これがなかなか思うように行かなかった。

感覚としたら右手と左手で違う動きをさせるような感じだ。

しかし、筋肉に力を入れたときにどうしても魔力もつられて動いてしまうのだ。

これがいけない。

魔力は体にあるチャクラから発しそこから決まった動きをさせなければいけないのだ。


「はあ」

レオ君の真似をして。ため息をついてみる。

「どうしたんですか?」

お父さんが聞いてきた。

「レオ君が『欲しいものがあるんだ』って言ってて、凄く悩んでいたから」

「そうですか。あの子はとても頭が良いから、あの子の悩みを私達が理解するのは難しいかもしれませんね」

「そうなんだよね」

「でも、レオンハルト君は何が欲しいのかは言わなかったのですか?」

「うん、教えてくれなかった。でも、お金では買えないって」

「じゃあハンナにもお手伝い出来るかもしれませんね」

「うん、そうなら良いんだけど」

うちは貧乏道場だ、お金なんて言われたってどうにもならない。

「でも、何が欲しいんでしょうね?

剣術の腕をもっと上げたいとかでしょうか」

「ちょっと、それは無いでしょ?!って言うか、勘弁してよ!この間始めたばかりだっていうのにもう私より上手なんだよ!これ以上私より上手くなられたら私はどうしたら良いのよ!」

お父さんは苦笑している。

「では、あとお金では買えないものといえば、心と相場は決まってますが、、、」

「え!ちょっ!そうなの?!も、もしかして?!

もしかしてだけど、私の心が欲しいのかな?!そうなの?!そうなのかな?!」

そんな事言われたら今すぐにでも上げるのに!!

もう全部、全部あげちゃうのに!!

ていうか、既に私の心はレオ君のものなのに!!

「盛り上がっている所申し訳ないのですが、ハンナの心が欲しいとは限らないと言いますか、、、」

頭から氷水を被ったような気持ちになる。

「なんでそういう事を言うかな。そんなんだからお母さんに逃げられるんだよ」

「そっちこそ、、、。なんでそういう事を、、、」

お父さんは傷付いたようで泣きそうになっている。

「でも、確かに、女の子だったら誰だってレオ君のものになりたいし、、、」

「あと、お金では買えないものと言えば、生得的な物か、命か。それぐらいですかね」

「生得的なものは、レオ君は既に凄く恵まれてるわよね、

頭も良いし、運動神経も抜群だし、お家は私達と同じ平民だけど、レオ君のお父さんは貴族のガザ家の元で働いているっていうし」

「そうなると、命ですかねぇ」

「そうかも、レオ君って、いつも難しい事を言うし、よく分かんないけどきっとそうだね」

「そうかもしれませんね。レオンハルト君はきっと答えの出ない答えの様なものが欲しいのかもしれませんね」

命か、きっとそれだ。

レオ君はきっと、命そのものが欲しいんじゃあ無くて、命のような物というか、何かの中心的なものというか、きっと確信の様なものが欲しいんじゃあないだろうか。

レオ君らしいな。

カッコ良すぎるよ。

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