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変態が3匹

最近俺に対する苛めがどんどん酷くなっていた。

原因は分かっているあの女だ。

今まではヒキガエル似のフェンが中心で、そんなに酷くは無かったのだが。

今は女達が主導で俺への苛めが酷くなっていた。

俺の物が隠されたり、通りすがりに殴られたり、

今までより酷く罵倒されるようになった。

毎日毎日『死ね、死ね』言われてたら頭がおかしくなる。

そして、この苛めは俺に対してだけじゃない。

どうやら僕のお父さんも僕のせいで苛められているらしかった。

お父さんは国から委託されていた仕事をこなしていたのだが、急に国から貰える仕事が減ったらしい。

きっと俺のせいだ。

俺が悪いんだ。

俺なんか死んだ方が良いんじゃないか?

そうだ。

俺なんか死ねば良い。

何故かそう思うと頭がズキズキと痛んだ。

くそっ。

頭が痛い。

「レオ!今日は学校には行かないのかい?」

ベットの中で頭を抱えていると、お母さんが部屋に入ってきて言った。

「ごめんなさい。頭が痛いんだ」

僕がそう言うと、お母さんは部屋を出ていった。

くそ!くそ!

なんでこんな事になった?!

俺の何が悪いんだ?!

「お兄ちゃん?大丈夫?」

エリーが俺の部屋に入ってきて言う。

「大丈夫。でもちょっと休ませて?」

俺がそう言うと、エリーは小さく頷いて部屋を出ていった。

エリーの目には涙が溜まっていた。

俺の異常を感じているのだろう。

エリーは可愛い、あの妹とは違って。

ん?

あの妹?

俺は何を考えているんだ?!

俺に妹なんて一人しか居ない。

ダメだ!

くそ!頭が痛い!頭がガンガンする!

頭を抱えて布団の中に入った。

なんで、なんでこんな事になったんだろう。

俺の何が悪かったんだろう。

やっぱり俺みたいな平民が学校に通うなんて駄目だったんじゃないか?

平民は平民らしく、町で働いていれば良かったんだ。

そうしたら、お父さんも俺の為に一生懸命働かなくても良いし、俺だって働けば少しは家計の足しになるはずだ。

学校なんて、貴族だけが通っていれば良いんだ。

頭の悪い連中の為の物なんだよ。

俺みたいな奴は通わなくったって良いんだ、

あの学校で教えてくれる事なんて全て頭に入っているんだから。

それに、エリーだ。

エリーにもずっと我慢させている。

俺が学校になんて行っているから遊んでやれないし、エリーの服はずっとボロのままだ。

薄汚れたツギハギだらけの服を着ている。

俺は学校に行く為に、良い服を着させてもらってるというのに。

でも、エリーは喜んでそのボロを着て、『お兄ちゃん行ってらっしゃい』って言ってくれる。

なのに俺は、

学校に行かないでベットに寝ている。

お父さんもお母さんも俺が学校に行って、学校を卒業して、さらに上の学校に入って、きっと偉い人になれるって信じてる。

エリーも『お兄ちゃんは偉い人になるの!』って。

家族皆が俺を応援してくれる。

俺は偉い人にならなければいけないらしい。

お父さんは、

『俺みたいな仕事に着くな』

って言う。

僕はお父さんはカッコいいと思うんだけど、

毎日遅くまで働いていて、僕とエリーが寝た後に帰ってくるなんてざらだ。

それでも、毎日僕達が起きるより早く働きに出ていく。

大変だと思うんだけど、凄くカッコいいと思うんだ。

でも、俺がそう言うとお母さんは、

『お願いだからあんな仕事は止めて』

と言うのだった。

家族皆が俺を『偉い人』にしようとしてる。

でも、俺は分からないよ。

偉い人って何なんだ?

この国の役人にでもなれって事か?

役人になればお給料も良いし、仕事も安定している。

定年で仕事を辞めるときには、退職金といって、まとまったお金が国から貰えるらしい。

確かに恵まれている。

でも、役人になるって事は、貴族と一緒に働くって事だ。

俺はまたそこでも絶対に虐められるだろう。

こうして、毎日毎日『死ね』と言われながら働くのか?

貴族と平民は水と油なんだよ。

一緒にいて上手く行くわけが無い。

だからもう学校なんて辞めていましたい。

平民らしく暮らしたい。

だけど俺は、俺は、

お父さんもお母さんも俺に学校に行って欲しくって。

偉い人になって欲しくって。

でも俺は、でも俺は、

俺は何をやっているんだ。

何をしたら良いんだ!

どうしたら良いんだ!

くそ!くそ!くそ!





「レオ?お友達が来てるわよ?」

お母さんが部屋に入ってきて言った。

友達?俺の?

そんな事を思っていると外から俺を呼ぶ声がした。

『レオ君!』

クラスメイトの声だ。

何故?

家まで来て僕を虐めるのか?

「レオ?皆心配して来てくれたみたいよ?顔だけでも見せてあげたら?」

ガクガクと震える足を押さえて、何とかベットから立った。

声で分かる、一人や二人じゃ無い。

十人以上はいる。

呼吸を整えて、玄関のドアの前に立つ。

ドアの向こうからはヒソヒソと話す声が聞こえる。

ゆっくりと開けると案の定、

15人ぐらいいるだろうか、マーニャも遠くには居るがしっかり来ている。

「何のよう?」

と俺が聞くと、

「心配して来たに決まってるだろ?」

一番近くにいた、いつも俺を殴ってくる奴が答えた。

フェンは遠くで手を組んで立っている。

後ろで心配そうにしているお母さんに見えないように、体を外に出すと、そっとドアを閉めた。

「で?何?」

「まぁ、こっちに来いよ!」

と、僕は腕を引っ張られた。

腕を引っ張られる俺を見て女達は笑っている。

「情けない!」

「あれでも男なの?」

と言ってくる。

マーニャはその様子を見てニヤニヤしていた。

やがて、家から見えない位置まで移動すると、

『ドッ!』

いきなり腹を殴られた。

「痛った!」

「ずる休みしてんじゃねぇよ!」

そいつはそう言って拳を振り上げる。

俺は避けようとするが、体が萎縮して動かない!

『ガッ!』

次は顔面を殴られた。

口の中に血の味が広がる。

「おい!やり過ぎた!」

なんと1人で立っていたフェンが止めに入ってくれた。

が、

「気持ち悪りぃんだよ!お前はホモか?」

と言ってフェンも殴られた。

そして、

『ガッ!』

と、俺も殴られて地面に転がった。

遠くでマーニャが女達に顎で指示したのを目の端で見る。

すると倒れた俺の顔を踏もうと女の子がクラスの俺の上で足を振り上げたその時、


パンツが見えた。


女の子のパンツだ。

ピンク色の可愛いパンツだ。

何故だ!頭が痛い!ガンガンする!

そして、皆が寄って集って俺の顔や体を蹴る!

身体中も痛いし頭も痛い!

その時!

「やめて!!」

大きな声がした。

エリーの声だ。

皆の顔がエリーに向く、

「お兄ちゃんを苛めないで!!」

その瞬間周囲が笑いに包まれた。

「きったね!さすが平民だな!」

「やだぁ~、嘘でしょ?!浮浪者じゃあ無いの?」

「ほんと貧乏人はつれぇな!おい!」

エリーが突き飛ばされて転がる!

「止めろ!!」

体を起こそうとすると、

『ガッ!』

と、また顔を蹴られる!

「おいおい、こいつ、雑巾を着てるぜ!」

そう言って、そいつはエリーのスカートを引っ張った、

ビリビリと音を立てて、

簡単に破けるスカート。


エリーのパンツが見えた。


「止めろー!!!」

頭がガンガンする!!!なんなんだ!!!

「アアアァァァ!!!!」

何なんだよ!!!


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