脇役(主人公)の朝
遠い日の記憶、忘れられない大切な記憶。
『…………皆、これが最後の戦いになる。多分生きて帰える事は出来ないだろう。』
『『『………………。』』』
『それでも、それでも必ず生きて帰ってこよう。』
『『『…………!!』』』
『そしたら、また皆で…………………………。』
「…………久しぶりにみたな。」
窓の隙間からさす太陽の光で目が覚めた、どうやら本を読みなから寝てしまっていたようだ。昨日はいつも以上に疲れたからな。
まぁ仕方ないか、アイツとの学校生活は大変だし。それに加えて昨日の夜は
「お兄ちゃん朝だぞー!起きろー!」
と、いきなりドアを開けてきたパジャマ姿のコイツの相手をしたからなぁー。
「あれ?お兄ちゃんが起きてるなんて珍しいね。」
コイツは俺の妹の橘舞花だ。
舞花の見た目だが体育会系美少女って感じのやつで髪は後ろに束ねポニーテールにしている。
「そうだな。というかお前は勝手に人の部屋入ってくるんじゃない、後大声出さないでくれ。」
ご近所迷惑だ、後俺に迷惑だ。
「だって、お兄ちゃんもう朝なのに寝てるからだよ。」
「確かに朝だ、でも今は朝の6時だ。」
時計を見るとまだ朝の6時、早すぎだよ。7時に起きれば学校に間に合うんだから寝かせろ。
「なに寝ぼけたこといってるのお兄ちゃん?もう朝の7時だよ。」
「…………なぁ舞花?」
「何?」
「お前の部屋の時計持ってこい。」
「?分かった。」
といって時計を持ってこさせる。
「はい、持ってきたよ。」
「…………。なぁ舞花?」
「何?」
「この時計7時で止まってるぞ。」
「…………………………。」
「…………………………。」
「……お兄ちゃん。」
「なんだよ。」
「人は過ちを犯して成長するんだよ。」
「言いたいことはそれだけだな。」
俺は妹にアイアンクローという名の挨拶をしてやった。
「イタタタタタタタタタタタ!!お兄ちゃん痛い!!」
「過ちを犯して成長した舞花がしないといけないことは?」
挨拶をくらって痛がっている罪人は俺に
「と、時計を止めた犯人はこのなかにって、イタタタタタタ!ごめんなさいお兄ちゃん!!このまま続けたら朝から汚い花火を観ることになるよ!!!!」
「はぁ……、まったくお前というやつは。」
俺が挨拶をやめると舞花は「ごめんなさい」と言ってきたので許してやった。
もうお分かりだと思うが俺の妹は残念なとこがある。馬鹿ではないがアホではある。
それに反して身体能力に関しては、教えたことをすぐ身に付ける天才だ。
小さい頃から俺がアイツにしてた訓練に遊び感覚でついてきいた。そういえばアイツが悔しがっていたなぁ。
俺も楽しくなってきて色んな技術を教えてしまった、反省はしてるが、後悔もしてる。
たださっきも言ったが舞花は頭が残念だ。
この残念さを直してほしいんが、本人は治すきはない。その理由についてはまた後で説明させてもらう。
そんなこんなで目が覚めてしまった俺と舞花が制服に着替えて一階のリビングに降りると母さんが朝御飯の準備をしていた
「あら?空ちゃん、舞花ちゃんおはよう♪今日は起きるのが早いのねぇ。」
「舞花が時間間違えて起こしてきたから。」
「あらあら、うっかりさんねぇ舞花ちゃん。」
「エヘヘ///」
なんで照れる我が妹よ……。母さんも舞花を甘やかさないでほしい。
うちの母さん、橘瑠花はおっとりとした人で大和撫子みたいな人だ。本当に二児の母とは思えない見た目で、二十歳くらいにしか見えない外見だ。たまに姉弟に間違われるが実際の年は
「あら?空ちゃんまだ寝ぼけてるみたいね?お母さんが
起こして(ねむらせて)
あげましょうか?」
わからなくても良いよね、うん。
「だ、大丈夫今起きました。」
「あらそう?残念♪」
ヤバかった、今度は俺が挨拶をされるところだった。と命の危機を感じていると、横にいた舞花が
「そういえばお父さんはもう仕事に行ったの?」
「ここにいるぞ。」
後ろから声がしたので振り向いたらターミネーター(シュ○ちゃん)がいた、というのは冗談?で父さんがいた。
「お父さんおはよー。」
「あぁ、おはよう。」
父さん、橘誠実はある御屋敷の執事をしているらしい。らしいというのも、見た目が完璧に殺し屋だからだ。身長1m90cm・つり目・中々に引き締まったボディ…………、どこが執事だよ。
マジで○ュワちゃんだろ父さん。そんな父さん(サイボーグ)と何故結婚したのか小さい頃に聞いてみたところ、『お父さんは優しくて可愛い人だったからよ♪』と言っていた。母さんは目の病気ではないかと疑った。
「それじゃあ皆揃ったことですし朝御飯食べましょうか♪」
と母さんの一言でそれぞれの席につき「「「「いただきます。」」」」をして朝御飯を食べた。
朝御飯を食べ終わり、俺と舞花は学校に行く準備を整え
「「いってきます。」」
「いってらっしゃい♪」
さあ、今日も頑張りますか。