7.はじめてのおせきはん
※今回も閑話なので読まなくても大丈夫です
※少々生々しい描写が続くので苦手な方はご注意ください
ヒキコモリ狩猟生活9日目。狩猟は順調でぐんぐんと成長を続け、缶詰程度の食品でも最長期間の3日で召喚可能になり、ハウスもワンルーム程度の広さになって快適な生活環境が整ってきております。
今日はとある事情により戸を締め切って狩猟はお休み。目の前にはオリーブドラブ色の缶詰があります。自衛隊の戦闘糧食I型です。缶詰に書かれた文字は『赤飯』。みっちり詰まったもち米と小豆をほじくり出し賞味しております。うまい。
ええっと、女になりました。改めて。
女神様に報告すると「おめでとう」と祝福の言葉をいただくものの、どう返して良いのかわかんなかったから「どうも」で終わってしまった。しばらく気まずい沈黙の後、いくつか注意を言い渡されて「じゃあね」。……世の女の子はどうやって返すんでしょうね。
女の子トレーニング中に話は聞いていた。けどいざ目の当たりにすると感慨深いね。実家は男子だけだったからこういう赤飯食べるの初めてだ。数日前から下着を汚すような分泌があり、トレーニングで指導された通り布ナプキン当ててたから惨事は防げた。洗う時に臭いでちょっとヘコんだけど。
痛みはへその下の深いところから感じるシクシクとした軽いものだけ。なので今日も活動するのに問題はないけど、念のためと女神様より外出禁止の指令。
正直ビミョーな気持ちではある。けれど、これからお付き合いしていくことになるので早く慣れたいものだねー。
◇
ヒキコモリ狩猟生活10日目。狩猟再開するが基本ヒキコモリなのでいつもとやることは変わらない。ジャージ姿でタブレットを手に、主に医療関係の知識吸収に励みながら頃合いを見計らってタイベック装備で狩りを行う、というサイクル。
今までと違う点はアレだアレ。ナプキン替えるタイミングを誤って、ジャージまで被害が出たんだよ。洗うの大変だぁ……。量を読めるようになるまでにまたやりそうだな。タンポンあれば良さそうだけど『俺』はタンポンの製品なんて知らなかったんだよ。ナプキンみたいにCMすればいいのに。
◇
転生してから約1ヶ月。例の期間はその後つつがなく終了。アンリミテッドジャージは汚れに対してもアンリミテッドだった事が判明。アンリミテッドブラも洗わなくていいのかな。気分的にイヤなので洗うけど。
で、最近なんというか女体の神秘を探求したい気持ちでいっぱいです。というか探求してます。
いやこれまでも鏡で見たり軽く触ってみたりはしていたけど、恐怖心があって先に進めなかったわけだ。が、ついに一線を越えてしまいました。具体的には指2本。だってこの体、最初から膜がなかったんだもの。正直よかったです。はい。
おそらくアレだな。ホルモンバランスの変化によってもたらされたことだな。あの現象はエストロゲン(いわゆる女性ホルモン)を大いに供給してくれたので受け入れる環境が整った、みたいな。
今まで男の意識が強かった影響もあるのかテストステロン(いわゆる男性ホルモン)も供給されてる感触がある。えっと、尿道の上当たりに作用するような感じです。ジョイスティックより凄いです。
こうなると考えたくなかったことが現実味を帯びてきたな……。
「女神様、もしかして私子供産めます?」
「もちろん産めるわよ。だからお祝いしたんじゃない」
がーんだな。出鼻をくじかれた。
「それって男と女がどうこうしないと駄目ですよね。男とだけはどうしても無理です。魂が拒絶します!」
「まあそうでしょうね。別に強制はしないから安心しなさい。万一男とそういうことになっても子育てに時間取られるからしばらくは控えてね」
「今はiPS細胞というもので女同士でも子供が作れるらしいですよ」
「それは日本での話よね。なんだか凄い事だけどこっちじゃ無理」(※日本でもまだできません)
「ちなみに女同士でそういう事するのってここではどういう扱いなんですか?」
「それなりの数がいるわよ。別に禁忌とかないし」
「安心しました。目標にします」
「今は人口増えてくれた方が女神としては喜ばしいんだけどね。まあ頑張りなさい」
「大丈夫。いつかiPS細胞で人口増にも貢献しましょう」
「期待しないで待ってるわ。男の子もちゃんと増やしてね」
「約束はできませんが努力します。あ、そうだ。この体なんで膜がなかったんですか?」
「コーヘイが『エロ可愛いワガママボディ』をご指定だったからね。感度も良くしてあるから楽しめてるでしょ?」
うわ、バレてる。もう開き直るしかないな。
「ええ、大変楽しませていただいております」
「スライム退治での成長ペースも早いし、あまり心配はしてないけどそっちも程々にするように。それじゃまたね」
……そうか。原因は『俺』だったのか。失敗したなぁ……。こうなるとは考えてなかった……。
TS物はやはりこういうことを書かないとね!と開き直る