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帝国への招待

二話連続更新です。


 ゲームのハッチを開けたと思ったら、本物のロボットに乗っていて気付いたら異世界に居た。

 

「夢か、夢だろうな」

 

 どんな現実が待っていようと覚悟をしていたのにあっさりと意識を思わず開いた口から解放する。


 それでも視覚からの情報が無理矢理にでも脳を刺激する。


 ゲームによくある森林ステージだと思っていたら、虹色の七面鳥が空を飛んでいたり、耳を澄ますと、録音されただけのデータをループで流しただけでは無い、本物の鳥や虫の鳴き声が聞こえる現実世界だった。


 そして目の前に居た美女は、モニター越しでは無く自分の目で直接見てもその場にしっかりと居た。


「夢?確かにそうかも知れんな、お前のやった所業は正に夢物語に出てきそうなモノそのものだった」


 おお、生で見ると美人具合が段違いだ。ぷるんと弾けそうな口元に長い睫毛、宇宙がそこに広がっているような錯覚を受ける目。


 さっきから褒めすぎだとは思うけど、本当に有り得ない美人具合だ。普段女の子との接点が無い生活を送っていたせいで感動も一入だ。


 いや、感動は後だ。地球上とは思えない程のこの綺麗な景色もまずは後回し。

 さっきまでと違い、直に対面しての会話だと沈黙は不味い。手助けをしたと言っても完全に味方と信じているのはこのレリーシアって人だけだろうし出来る限り怪しい素振りは見せたくない。


 特に、ここが自分の知らない世界だと言うことだとか。


「そこまで褒める事でも無い、たかが量産機数機が居た所で烏合の衆と同じだ」


 この傭兵然とした喋り方も最早違和感を感じないレベルになってきた、元の世界に帰ったら苦労しそうだ。


「き、機体数の差を物ともせずに烏合の衆を言い放つか……。一人で六機全ての王国の機体の意識を自分に向けさせての戦いをしながら、まだ余裕があるとは恐れいった」


 え、この世界だと数の差はそこまで重要な事なのか?


 数の差と言っても鎧武者は四機で敵機は六機、たったの二機だけの差何てそこまで大きく無いと思うんだけどな……。


 いや、きっとこの世界だとこのロボットは希少なんだろうな。

それに敵機は俺が戦闘に参加するまでに色々消費していたんだろう。


 空を飛ぼうともしないしミサイル系の兵装も全く撃ってこなかったし、それにレーザー系の攻撃も無かったなー。


 そう考えるとやっぱりチュートリアルみたいな戦闘だった。


「さて、それでは改めて礼を言わせて貰う。私と部下、それに帝国兵であり守るべき臣下の命を救って頂き深く感謝する。ひいてはその功績を正式の評価し恩賞を受け取って欲しいのだが、我が国まで来てはいただけないだろうか」


 いきなり異世界に来て、美人のお姫様を救ってご褒美をあげるから国に来て欲しい!

 

 何て言われても裏があるのかと思えて仕方がない。

あれか、ファンタジーによくある『強い人間を我が国に抱え込んで前線で戦わせよう!』ってパターンか!?


 はたまた、見慣れぬ機体と俺の方を見て言っていたし、国に入った途端『その謎の機体を寄越せ!』と取り囲まれるかも知れない……!


 待て、思いだせ。このお姫様は自己紹介で何と言っていた?

『ラリアーラヘルツ帝国次期王女の――――』って言ってた様な気がする、いや間違いない。


 ファンタジーでもSFでも帝国って間違いなく主人公の敵国じゃないか!?


「ふむ、突然の申し出で困惑するのはわかるが命を救って頂いた身だ。下衆な真似をする事は無いと約束しよう。正直私としては御伽話の装甲王子様みたく正体が謎なまま何処かに去ってもらっても面白いのだが、我が国まで20km圏内での出会いだから、お前の存在は一国の姫としては無視出来無い存在なのだ」


 20kmと言ったらマラソンの42.195km以下か、確かにそんな場所でドンパチやりあった人を見逃す何て出来無いな……。


 かと言って大人しく付いて行きたくないと言いたい所だけど、現実問題としてはここで逃げても行く宛が無いんだよな……。


 帝国に着いても限界まで機体は降りないでおこう、そして怪しい動きをしたように見えたらすぐ逃げる!

 それなら、答えは決まったな。


「――――分かった、但しそちらが不可解な行動をすれば直ぐ様敵対する。それでいいな?」


「勿論だ、一つの約束も守れないような人間は帝国には居ない、安心してくれ!」


 破顔一笑、物凄い良い笑顔で答えたレリーシアは裏を感じさせない空気を纏い頷いてくれた。

 そして後方で重苦しい空気を放っていた味方の機体に向かって鋭い視線を向け口を開いた。


「他の者も聞いたな、次に命の恩人に対して殺気を放つ者、可笑しな真似をしようとする者がいれば問答無用でその機体に風穴を開けてやる!」


 ――――重苦しい空気、どうやら殺気だったようだ。

を見事に取り払ったレリーシアはまたこちらに視線を向け一つ頷くと、機体の中に戻り指示を飛ばした。


「全機、帝国に向けて移動開始!」

 ロボット戦闘物を書いておいて何ですが、あらすじにも書いてある通りのんびにした作品になる予定です。


 考えている事としては戦闘描写の練習の為に小規模な戦闘を複数回、大規模な戦闘をストーリーの進行に合わせて出す予定です。


 のんびりな日常物が好きなので、そちらに重点を置く予定ですがこれからもよろしくおねがいします。

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