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これはゲーム……?

お気に入りが四人に増えてました、四人『も』では無い所にこの作品の人気を表している様な気がしますが、とても嬉しいです。思わず二日連続更新です。


「チュートリアルすら無しで、いきなりの戦闘か。仕様変更の時に入れ忘れただけかな?」


 (幾らテストプレイでも手抜きはしない父さんと母さんにしては珍しいけど、こういう事もあるのかな。ナニかするのに夢中だったみたいだし)


 そしてロボットゲームの鉄板武器、大口径のガトリング砲をゲーム特有の謎空間に格納しながら先ほどの戦闘に考えを巡らせる。

 

 重力何かを取り入れた、より本格的な設定のせいなのか。

 ガトリング砲を召喚した右手に掴んだ瞬間、機体の重心が少し右に傾き操縦に違和感を感じた。


 (そういえば思わず不利に見えた日本の鎧武者みたいな機体の方を助けたけど、実は敵でした!何て事にはならないだろうな……、母さんがシナリオを考えてたら有り得なくないぞ……)


 西洋風の機体より日本風の機体を応援してしまうのは日本人として仕方ない、うん。


「何て事を考えてても相手には伝わってないんだなー……」


 二脚タンク型、と言える様な装甲厚のある機体を鎧武者達へ振り向かせながら悲しみにくれる。


 視線の先には、さっきの戦闘で突出したいた他の機体より豪奢に見える白い機体を囲う様にして守りを固め、こちらにライフルの銃口を向けている鎧武者達の姿があった。


 (鎧武者なのに手に持つのは刀や槍、弓では無く銃。ア、アンバランスだ……)


 と言うかまだこのテストプレイは終わらないんだろうか、シナリオモードみたいだけどロボットのアクション格闘ゲームだし他の機体と接触する云々はムービーシーンとして流れるだけで終わりじゃないのか?


 (早く帰ってネ格に接続しないと友達にキレられそうだし早く終了しないかな)


 ボーっと鎧武者と対峙していると、先に向こうが動きを見せた。


「そこの見慣れぬ機体、何処の国の所属かは分からないが支援に感謝する。そちらはこちらに対して敵意は無いと言うことでよろしいか?」


 (えっ!?喋るの!?)


 まだライバルキャラの戦闘ボイスですら収録していないと聞いて居たのに。

 モブキャラみたいな機体からは鋭く、聞く人に刃を突きつけているような冷たい声で静かに語りかけてきた。


 プ、プロの声優ってすげぇ!!こんなに怖くてチビリそうな女性の声聞いた事無いぞ!


 思わず眠っている特殊な性癖が目覚めそうになりながら、そういうイベントがあるのかと思いコックピットの中でマイクやスピーカーやらのボタンを探す。

 

 するとスピーカーの絵が描かれたスイッチが有り、『全体』の表示が書かれた場所に光が点滅していた。もしかしてそのまま喋ったら周りに聞こえるのか?


「あ、あー。余計な真似をして済まない、そちらが押されているように感じたので勝手な判断で支援戦闘に参加した。そちらと争う気は無いのでそのライフルを降ろして貰えないか?」


 そ、相当恥ずかしいぞこれ!NPC相手になりきりプレイって、こんな羞恥プレイを態々導入しなくてもいいだろう!?


 しかも「降ろして貰えないか?」ってなんだよ!普通に降ろしてくれませんか?でいいだろ、俺は古参兵か何かかよっ


 大体NPCにこんな事喋っても返答なんか来るわけが――――


「との事です、レリーシア様。どうなさいますか?」


 マジで?


「うん。そこの機体に乗っている者!お陰で命を拾うことが出来た、感謝する。そこで、きちんとした礼をしたいのだが私達の国に来てもらいたい」


「レ、レリーシア様!?何を馬鹿な事を、あの機体は六機のデバッカルを一人で殲滅する様な――――」


 ドSボイスが様付けで呼ぶレリーシアと言う人は恐らくあの守られている白い機体に乗っている人の事だろう。


 いやいや、その前に何で会話が成立してるんだ?高性能人工知能でも会話の為に導入したのか?

 でもそんな予算はうちの会社には無かったはずだけど……


「二度も言わん。それに帝国首都まで遠くないここまで来ていながら、あの強力な武装を我らに向ける気配が無いのだ。首都に着いた途端襲撃する様な真似はしないだろう。そうだろう?」


 レリーシアと呼ばれているその人は、聞く人を魅了する落ち着いた声音で俺を挑発する様な問いかけをしながら手に持っているライフルを腰に付けているのであろうタンカーに仕舞った。


「そういえば自己紹介がまだだったな、私はラリアーラヘルツ帝国次期王女の――――」


 一歩前に出たその白い鎧武者はそのまま歩みを進めると俺の目の前に来る、そしてコックピットハッチを開けて出てきたのは美しくデザインされたグラフィックで描かれた女性では無く――――


「ラリアーラ・ヘルツ・レリーシアと言う」


 太陽に照らされて輝く月を川にしたと言える程美しく長い銀髪に、見るものをハッとさせる緑色の瞳、極限まで造形を美しくする為に洗練された人形の様な整った顔立ちをした、美の究極を体現した"本物の"美女が居た。

『ラリアーラ・ヘルツ・レリーシア』か『レリーシア・ラリアーラ・ヘルツ』にしようか迷いました、名前は前に来たほうが良いのかな?

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