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第52話 エピローグ②

 □■


「透花さん……何であんな嘘を言っちゃうんですかね……」


「あの……いや~、それはねぇ。のっぴきならない理由がですね……」


「結局、ティアさんを百合家のごたごたに巻き込んでいいのか決心が付かなくって、テンパった挙句、とっさに出てきた綾崎君と美少女の写真をタネに、しっちゃかめっちゃか誤魔化してきたというわけですね……」


「雪ちゃん、人の心を120%読むのは止めて! 泣きたくなる……」


「泣きたいのはティアさんの方だと思いますよ。あれだけ頑張ったのに、あの言い方はさすがに……」


「あの言い方って、何で細かい台詞まで知っている風なの? 聞いてたの? どこで!?」


「それは秘密です。で、あれはさすがに可哀そうでしたよ。あまりの衝撃でヒビで済んでいた肋骨が完全に折れたらしいです」


「嘘っ!?」


「もちろん嘘ですけど。いくらなんでも言葉で骨折するはずないじゃないですか」


「ちょ、雪ちゃん!?」


「ティアさんの代わりにお仕置きですよ。本当に透花さんは大事な場面で日和ひよりますよね」


「面目ないです。ティアちゃんの気持ちが本気だってのいうのは、身に染みて分かってるの……でも、総くんのことを考えると、私だけ幸せになっちゃって良いのかな……とか。私のことを好きだって言ってくれる女の子を、こんな面倒な家に連れ込んでいいのかな……とか」


「まぁ、気持ちは分かりますけど……私も面倒な家に生まれた仲間ですから……」


「それでね……あの後ティアちゃんどうしてた? まさか一晩気絶したりとか、おうちに引きこもったりとか……?」


「それが意外に大丈夫そうでしたよ。むしろ天に向かって拳を突き上げて、透花と両想いになってみせる~みたいに叫んでいました」


「ぷっ、何それ、漫画の主人公みたい」


「笑ったら可哀そうじゃないですか。というか、とっくに両想いなんですけれどね……透花さんがテンパって、決断力のない嘘を付かなければ、今頃は二人仲良くお家デートとか洒落込んで居られたでしょうに……」


「言わないで~ 想像すると、勿体なさでおかしくなりそうだからぁぁぁぁ!」


「お家デートどころか、初のお泊り、サラサラと漏れ聞こえるシャワーの音、無防備なパジャマ姿……常夜灯に照らされるティアさんの可愛らしい寝顔……」


「ちょっとぉぉぉぉ、何で余計想像を掻き立てるようなこと言うのぉぉ!」


「さっきのはティアさんの分、コレは私の趣味の分です」


「ひどい!」


「とにかく、難しく考えずに素直になってさえいれば、今の妄想話だって夢じゃないんですからね。ですから、次にティアさんに会ったらちゃんと本当の気持ちを伝えるんですよ」


「雪ちゃん……」


「そんな顔しないで下さい。きっとティアさんなら大丈夫です。どんな困難でも打ち破ってくれますよ……」


「うん。そうだよね……だって兄さんだってやっつけちゃったくらいだもん。次に頑張らなきゃいけないのは私なんだよね」


「そうですね。ええ、そうですよ、透花さん――」



 透花さんは、まだ少しの心細さを残しながら、でも確かな決意を胸に抱いて去っていった。

 その後姿うしろすがたが見えなくなるまで、

 そう、見えなくなるまで、私の視線は透花さんを追い続ける。




「ほんと……人の気も知らないで、手のかかる人なんですから…………」



――――――――――――――――――――



『TS百合に俺はなる!』


 最後のおまけ書下ろしを含めて、これにて完結となります。

 ここまでご愛読ありがとうございました。


 続編については……ええ、書きたい気持ちはあるんですけどね。

 大事な子たちなので。

 追加ヒロインとかも居るんですけどね……。


 ただ、私自身の目標がプロのラノベ作家になることなので、可能性を追い求めるなら、また次の作品へと進む必要があるかと考えています。


 意地汚い話ですが、

 この『TS百合に俺はなる!』が時間を置いて話題になったり、いいお話があったりしたら、その時には続きを書きたいと思います。

 そういう意味でも、☆☆☆やフォローなどで応援して貰えたら嬉しいです。


 作品や私をフォローしてくれたら、連載再開した時にすぐに気づけて一石二鳥ですしね(物は言いよう)。


 次の作品についてですが、

『女の子のアイドルアニメ世界に転生する百合もの』


 さらにその次は、

 このすば系、『ポンコツヒロインたっぷり異世界転生ファンタジーもの』を予定しています。


 では、また次の作品でお会いできることを願って。

 間一夏はざまいちかでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とりあえずの完結お疲れ様でした。 [気になる点] ほんとエピローグが残念すぎる。高級食材を使って調理したものの、最後の最後で味つけだけをミスって廃棄になった料理、最後の一組でバラバラに散っ…
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