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かのんちゃんへ
お返事ありがとう。
まさか貰えると思ってなかったので今恥ずかしくって嬉しくって、おかしくなりそうです。
実際おかしいです。
私なんて書いたっけと今青くなっています。
読み返しもしないで送ったことを後悔してるかと言われたら実はしていません。
あの時のあのパッションがなかったら書けなかったと思っています。
勢いって大事ですね。
戦いの趨勢もそこにあります。
何言ってるんだろうね。
つっこんでね。
この間の手紙には上手く整理して書けなかったからもう一度かのんちゃんの好きなところを書くね。
同じこと二回読んでもらうことになるのかな。
やっぱりちゃんと読み返せば良かった。
かのんちゃんの笑顔が最高とは書いたと思いますがそれがどれほどいいものかの説明は上手くできなかったことは覚えています。
あれからずっと考えていましたが一つ思いついたことがあります。
それはかのんちゃんは花を思わせる人であるということです。
かのんちゃんは花のような人。
これです、やっとしっくり馴染む言葉を見つけました。
かのんちゃんは近寄りがたい真紅の薔薇です。
そして静謐な純白のカラーです。
誰にも負けないピンクのガーベラで我が道を突き進む紫のヒヤシンスで冷静沈着な青い紫陽花で圧巻のマリーゴールド。
そして不思議で透明なたんぽぽの綿毛のようでもあります。
つまり花そのものです。
かのんちゃんはこの世のあらゆる花です。
花でもありますし星でもあります。
私はいつもかのんちゃんの瞳に星を見出していました。
かのんちゃんは花で星で、私が思う綺麗なものの全てです。
読み返したら羞恥で穴を掘りだすと思うのでこのまま誤字脱字すら確認せず出します。
笑ってくださいね。
お手紙嬉しすぎて何度も何度も読みました。
大切に保管しようとお母さんからジップロックを貰いました。
これで大丈夫かわかりませんので、念のため何枚かコピーしようと思います。
引かないで下さいね。
ネットで文化財の保管方法を調べてみようと思います。
戦国武将の手紙とか残ってるじゃないですか?
あの当時例えば天下人である徳川家康とか織田信長に手紙を貰った人はどんな気分だったのでしょうね。
恐らく今の私のように手は小刻みに震え頬は紅潮しやたらと喉が渇いたのではないでしょうか。
今なら博物館の頑丈なガラスケースに厳重に守られた手紙の価値がわかる気がします。
それは人類が英知を尽くして守っていくべき遺産なのです。
私は生涯かのんちゃんから貰ったお手紙を大事にします。
棺に入れてと遺言書に書くつもりです。
それだとこの世から消滅しちゃいますね。
でも私この手紙だけを持っていきたいです。
私が人生で貰った最高の手紙だからです。
嬉しいことが沢山書かれていました。
かのんちゃんの気持ちが凄く嬉しかったです。
これ以上のものはないでしょう。
何度でも言うね、本当にありがとう。
かのんちゃんならきっと全て叶うと思います。
そしてそれを私は目撃することができるのですね。
同じ時代に生まれて良かった。
それこそ奇跡的な確率だよね。
出逢えたこともこうして今日までお互い生きてこられたことも全部が。
話したいこといっぱいあるはずなのに言葉にするのって本当に難しいね。
きっと特別だからだよね。
最初からかのんちゃんだけが違って見えました。
次元が違うっていうのでしょうか。
解像度というのでしょうか。
他の人よりクリアなんです。
知ってしまったからにはもう後戻りはできません。
今後の私の人生でかのんちゃんはあらゆる基準になるのでしょう。
かのんちゃん以前以後として。
どうしてもかのんちゃんを語る時私は詩人のようになろうとしてしまいます。
恥ずかしいですけど、美しさを言葉にして伝えなければならないと人は自然とそうなるのでしょう。
滑稽ですね。
肯定しかないのです。
かのんちゃんがこの世で最もいいものだからです。
本当にどういったらいいのでしょう。
私は世界中にかのんちゃんを知って欲しいです。
かのんちゃんの素敵さを可愛さを綺麗さを面白さを余すところなく知って欲しいです。
まあ見たらわかるよね。
言葉なんていらないね。
人目見たら誰もが貴方に必ず夢中になります。
かのんちゃんはそういう子です。
それに気づけた私が何よりも誇らしいです。
私は何もできませんが人を見る目だけはあると思います。
それはかのんちゃんによって証明されるでしょう。
私の大好きな世界で一番素敵な女の子に寄って。
何度でも言います。
かのんちゃんが大好きです。
一生応援します。
目を見開いて絶対に一瞬たりとも瞬きしません。
貴方から離れてしまえば私に楽しいことなど一つも起きません。
ずっとかのんちゃんだけを見つめています。
絶対に目を離しません。
約束します。
誓います。
私の花。
私の星。
私の導。
本当に大好き。
世界で一番。
これからもずっとかのんちゃんが大好きです。
篠原胡桃
追伸
この手紙が最後です。
これからは事務所に送ります。
それがアイドルとファンの適切な距離です。
かのんちゃん。
ありがとう。