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第31話 ギャルとギャル友と密談

   ◆純夏side◆



「そんで、純夏とパイセンはどこまで行ったん?」

「……何言ってんの?」



 深冬の作ってくれたご飯を食べていると、突然そんなことを言い出した。


 センパイは今熟睡中。

 本当ならソフレらしく添い寝してあげたいところだけど、今は深冬がいるから我慢。


 深冬はニヤニヤ顔で、寝室を指さした。



「パイセンってイケメンだし、さっき見たけど寝顔もスーパー可愛かった。あんなパイセンと一緒に寝てて、何も無いことはないでしょ?」

「なんもないよ。私とセンパイはそんな関係じゃないの」

「……マジ?」



 何さ。そんな奇妙な物を見る目で見なくてもいいじゃん。

 私とセンパイは、同じ穴の……同じ穴のうなじ(?)だから、そんな不純な関係じゃないもん。



「でも、純夏も欲求不満じゃないの?」

「そ、それは……」

「パイセンもそうかもよ。というか、私が抱きついた時のあのテント、凄かったし」



 うぐ。そ、それは……確かにそうだけど。

 寝てる時もセンパイ、凄いし……。



「で、でも……つつつ、付き合ってもないのにっ、そんなの……!」

「はぁ……これだから処女は」

「はぁ!? 深冬に言われたくないし!」

「ななななな何言ってるのかな? 私は取っかえ引っ変えだし!」

「わたわたわたわた私だって!」



 …………。



「深冬、この話はよそう。お互いに傷つくから」

「だね」



 自慢じゃないけど、私も深冬もモテる。

 顔面偏差値に自信あるし、おっぱいも大きい。自覚はないけど、陽キャと呼ばれる部類に入る。


 告白された回数は数しれず。特に高校入ってからは、何故か教師にまで告白される。いやそれ犯罪だから。


 そこまでモテるのに、お互いまだ彼氏がいたことがない。


 別に白馬の王子様を信じてるわけじゃないけど、初めては絶対、心の底から愛し合う恋人同士って思ってるだけだ。

 だから軽率な気持ちで付き合いたくないし、キスもしたくない。


 ……夢見がちなのかな、私たち。



「こほん。その話は置いといて。でもパイセンと純夏、お似合いだと思うけどなぁ」

「そ、そんな訳ないじゃんっ。センパイ、私なんかより凄く立派な人だし……親切に付け入ってる私なんか、センパイに相応しくない」



 これは私の本心だ。


 今まで努力し続けてきた海斗センパイ。

 今まで好きに生きてきた私。


 どこがお似合いなんだ。

 私なんかが、センパイと並び立つなんてできっこない。

 センパイにお似合いなのは、私なんかより可愛くて、私なんかより頭良くて、私なんかより料理が美味くて……そんな優等生みたいな美少女がお似合いに決まってる。



「でもあんた、今までつるんできた男子共の中で、パイセンといる時が一番楽しそうだよ」

「楽しいに決まってるじゃん。だって……」



 その先の言葉を口に出来ない。

 自分の言葉は、自分が一番聞いている。悪口も、いい言葉も。

 だからこそ、この言葉を口にすると……もう、引き返せない気がする。


 だから口に出来ない。

 センパイにお似合いなのは私じゃない。

 だから、この気持ちに名前を付けちゃダメ。


 私の心が、その気持ちでいっぱいに──






「いや、あんたがパイセン好きって、傍から見たら丸わかりだからね」

「言うなし!!」






 私が言いづらそうにしてたの気付いて言ったでしょ! 意地悪!



「何? パイセンのこと嫌いなの?」

「好きだよ! ……あ」



 い……言っちゃった……。



「うぅ。深冬のばかぁ……!」

「てか寧ろ、毎晩添い寝して体を密着させてて、相手の事が気にならないって、ある意味で病気だよそれ」



 まあ、確かに……。


 優しくされて。

 一緒に寝てくれて。

 温もりをくれて。

 努力してる姿を見せられて。

 私の事情も聞かないでくれて。

 顔も良くて。

 一緒に寝ると安心する……。



「こんなにされて、好きにならない方がおかしいでしょっ……!」

「わかる。私も正直、海斗パイセンにキュンと来てるし」

「だしょっ!?」



 思わず大きな声で前のめりになってしまった。

 でもなんというか、センパイに優しくされると本能でキュンキュンする感じがするのだ。

 深冬も同じって、ちょっと嬉しい。


 でも深冬は目をパチパチさせ、首を傾げた。



「えっと……純夏、いいの?」

「何が?」

「今私、もしかしたら純夏のライバルになるかもしれないのに」

「え? 同じ人好きになってもよくない? 特に深冬となら、三人で楽しそうだけど」

「…………」



 あれ。私、今変なこと言ったかな?



「純夏って、変」

「えー、どこが?」

「普通自分の好きな人って誰にも取られたくなくない?」

「んー。他の人なら嫌だけど、深冬ならいいかなって。というか私、深冬好きだから。好きな人と一緒の人を好きになるって、つよつよじゃない? ずっと一緒にいれるよ?」

「……やっぱ変」



 ぷいっ。顔を背けられた。なんで?

 というか、さっきから私ら好き好き言いすぎなような。吹っ切れた感はあるけど、まだちょっと恥ずい。


 うぅ……今日の夜、無事に添い寝出来るかなぁ……?

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