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第120話 ギャルと誤解

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   ◆



 夜遅くになり、純夏の誕生日パーティーは解散となった。

 といっても、花本さんと青座さんは、白百合の部屋で雑魚寝するらしい。とか言いつつ、まだ酒盛りの音が聞こえるけど。


 天内さんは、とりあえずソーニャの家に行くことになったらしい。さすがに夜も遅すぎるから、出歩くのも良くないということで。


 で、部屋にはいつも通り、俺と純夏だけがいる。

 幸せを噛み締めているのか、それとも夢見心地なのか、純夏はずっとぽわぽわした感じで天井を見上げていた。



「……カイ君。やばいっす……」

「どうかした?」

「……幸せすぎます……」

「だろうね」



 思わず苦笑い。あんなに大勢で祝ってもらえたんだから、嬉しいに決まっている。

 みんなにまとめてもらったゴミを一箇所に集めると、ソファーに寝転がっていた純夏が起き上がった。

 なぜかウサギのように跳ねて、こっちに向かってくる。



「わ、私もお手伝いするっす」

「もう終わるから、横になってていいよ。それに今回の主役なんだし、雑務は俺に任せて」

「無理っす。心がぴょんぴょんしすぎて落ち着かないっす」



 あぁ、だから体もぴょんぴょんしてるわけね。

 でもそんなに飛び跳ねられると、普通に近所迷惑だからやめなさい? お隣さん、白百合さんだけど。



「ステイ」

「すてい?」

「止まって」

「うす」



 よし、大人しくなった。あと、もう少し英語を覚えようね。



「純夏、嬉しいのはわかるけど、今日くらいはどーんと構えてなさい」

「でもぉ……」

「それより、お風呂入って来なさいな。今日1日動き回って、疲れたでしょう? ゆっくり疲れを取ってきて」

「うぅ……ん?」



 純夏は振り返って背中を向けると、くんくんと服を嗅ぎ出した。

 そして──ギュンギュンギュンッ! と顔を真っ赤にし、最終的に頭から湯気が吹き出た。



「おおおおおっ、お風呂っ、先いただきます!!」



 ドタバタドタバタッ、バターーーーンッ!!

 なんでそんなに慌てて……あ、いや……まさかさっきの俺の言葉、汗臭いって言ってるように聞こえた?

 ま、まずいっ。早く誤解を解かないと……!



「ま、待って純夏! 今のは違う、違うから! 全然汗臭くないよっ、むしろ純夏はいつもいい匂いだから! 今のは本当、純夏を思って出た言葉であって、決して他意があるわけじゃないから!」

「うぎゃーーーー! わざわざ言わなくてもいいっすから! カイ君、女心とデカシリーってものを学んで!!」

「それを言うならデリカシーだ!」



 デカシリーとか、ちょっと卑猥な感じになってるからな!?

 ぜぇ、はぁ、ぜぇ……ま、まあ、なんとか誤解は解けたか。……解けたか? まあいい。

 なんか、むしろもっと失言をしたような気もしなくはないけど。


 純夏が風呂に入っている間、念入りに部屋を掃除する。

 30分もすると、さっきまでパーティーをしていたとは思えないほど綺麗になった。

 ふぅ、さっぱりさっぱり。

 ソファーに座って、冷たいお茶で喉を潤す。はぁ、うまい……。


 ゆったりしていると、脱衣所の扉が開いて純夏が出てきた。

 相変わらず、俺のシャツをだぼっと着ている。

 でも下はショートパンツだから見ようによっては履いてないようにも見えて……うん、目の毒です。眼福でもあるけど。



「も、戻りましたっす」

「おかえり。お茶飲む?」

「い、いただきます」



 純夏はぎこちなく、俺とは反対側の隅っこに座った。

 まだ気にしてるのかな……本当、悪いことをした。女の子になんという無遠慮だ。距離感に慣れてしまったなんていう言い訳は、無駄だろう。


 ならこういう時、どうするか。



「えっと……純夏、さっきは本当にごめん。そういうつもりじゃなかったんだよ、本当に」



 誠心誠意、謝罪である。



「蒸し返さないでほしいんですけど」



 はい、轟沈。大失敗だ。

 やべぇ、やらかした。どうしよう。


 純夏の冷たい目に射すくめられて、冷や汗が頬を伝う。

 と……すぐに純夏はため息をつき、やれやれと首を横に振った。



「本当、私は気にしてませんから。でも、もうちょっと女心は学んだ方がいいっすよ」

「う。はい……」

「ほら、カイ君もお風呂に入ってきて。先に布団に入ってますからね」



 気付けば、もう夜も1時を回っている。

 確かにそろそろ寝ないと、明日の朝が辛くなる。予定は何もないけど、規則正しい生活は大切だ。



「じゃ、じゃあ、行ってくるね」

「はい、行ってらっしゃいっす。早く戻ってくるっすよ? 結構お眠なので」

「わかったよ」



 今日1日……いや、ここ数日は心労が絶えなかったから、俺もかなり眠い。

 風呂に入りながら眠らないよう、注意しないと。

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