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第114話 お隣さんと酒盛り

【書籍化決定】

 いつも応援していただき、ありがとうございます。

 当作品が、ダッシュエックス文庫様より書籍化いたします!

 略称は『まるフレ』。9月に発売予定となりますので、Twitterをフォローして続報をお待ちください!

   ◆



 作戦決行日──夏祭りの日になった。

 言い換えるなら、花本さんと青座さんの因縁の日と言ってもいい。

 俺たちは昨晩、別の意味で眠れなかった。

 いつもなら、純夏と一緒ならどんな状況でも眠れていたのに、今回だけは心が波立ってダメだった。


 それは純夏も一緒みたいで、一睡もできずに朝を迎えた。

 でも……眠くはない。眠さより、ちょっとのドキドキが勝っている。



「うぅ〜……! きんちょーしてきたっす……!」

「純夏、青座さんは誘ってあるんだよね?」

「もちっす! だいぶひよられましたけど、クソごねたら頷いてくれました!」



 あぁ、純夏と天内さんの2人に駄々を言われたら、そりゃあ頷くよね……俺の発案だけど、青座さんには同情する。ごめんなさい。



「段取りは俺に任せて。純夏たちは、青座さんを時間通りに連れてきてくれたらいいから」

「おいっす! 私、がんばっちゃうっす!」

「…………」

「……カイ君?」

「……あー、いや、その……ごめんね。本当は普通に夏祭りを回る予定だったのに」



 それに、今日は……。

 少し罰が悪くて俯き、目だけで純夏を見上げる。

 が……何もわかってないのか、きょとんとした顔をしていた。



「どしたっすか、カイ君? お腹痛い?」

「い、いや、そうじゃないよ。大丈夫」

「そうですか? じゃ、私はそろそろ深冬んとこ行きますっす! 準備もあるんで!」

「わかった。気を付けてね」

「あい!」



 早々に準備を済ませて、純夏は天内さんの家に向かった。

 今日も暑いのに、元気なことで。散歩が大好きなわんこかな。



「さて、と……俺もぼちぼち、下準備しますか」



 スマホを取り出し、白百合さんへ連絡を入れる。

 どうやら、白百合さんの方も準備はてきたらしい。

 こういう作戦は、大人がいないと成り立たないからな。利用するみたいで申し訳ないけど。


 連絡もしたし、差し入れも用意した。

 適当に鞄を持って、白百合さんの部屋のチャイムを鳴らす。

 と、中からぱたぱたと軽快な音が聞こえてきた。



「はーい。海斗君、いらっしゃい」

「おはようございます、白百合さん。準備できてますよね」

「うん。ばっちり」



 白百合さんも今日という日を待ちわびていたのか、華やかな笑顔を見せた。

 珍しくエプロン姿だし、髪の毛もゴムで縛っている。

 普段、こんな姿を見ないからだろうか。ちょっと……いや、だいぶ可愛い。



「どうしたの、そんなにジロジロ見て?」

「いや……なんか人妻っぽいなって」

「言い方」



 すんません。だから頬をぐりぐりしないでください。

 白百合さんは呆れたようにため息をつくと、奥へと招いた。

 リビングには、かなりの量の料理が準備されている。メインは唐揚げで、他にも居酒屋メニューが揃っている。



「準備万端ですね」

「料理なんて久々だから、張り切っちゃいました」

「花本さんは?」

「もう来ると思いますよ」



 白百合さんがエプロンを脱いだ、ちょうどその時。玄関のチャイムが鳴った。

 白百合さんが迎えると、外から花本さんの声が聞こえてくる。



「おーす、来たぞー。急に呼び出してどうしたんだよ」

「お酒飲もうかと思いまして」

「はあ!? おい、いくら暇な大学生だからって、朝から飲むとか……!」

「まーまー、いいじゃないですか」



 リビングに入ってきた花本さん。

 ショートパンツにぴったりめのシャツ、それに頭にはキャップを被っている。

 リビングに入ると、俺を見て首を傾げた。



「え、吉永? なんで?」

「俺はいつも通り2人のお世話です。お土産につまみはいくつか作ってきたので、好きに飲んでください」

「好きにって……さすがに朝から飲む気はないぞ、私は」



 1分後。



「かーっ! 昼ビールうめぇ〜!」

「即落ち二コマじゃねーか」



 5分と持たなかった。普通にキンキンに冷えたビールをがぶ飲みしてる。

 そんな花本さんを見て、白百合さんもちみちみと飲む。



「白百合さん、わかってますね? 今日は飲みすぎないでくださいよ」

「わかってます。これでも一端の大人ですよ。こんな大事な時に飲みすぎるわけ──」



 1時間後。



「だーかーらー! 私はこー思うわけよ!」

「わかるっ、わかるぞー白百合!」

「知ってた」



 まあ、この2人の酒の強さは異常だからな。酔っててくれた方が都合がいい。

 けど飲みすぎるなって言ったよね俺。あとで説教だ。

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