人
遠く昔の話だが、ある所に同じ人がいた。それは同じ人間ではなく、同じ人だった。
その人は世界各地にいた。元は1人のはずなのに…。
世界各地にいた人の名が、「アモーレ・ヴィンチ」と言う名だ。アモーレはイタリア語で「愛している」を表しており、ヴィンチは「ヴィンチ出身の〜」と言う意味らしい。
アモーレ・ヴィンチは先程も言った通り、元は1つなのに世界各地に存在していた。おかしな話だ。
しかし、その事実を解明した人間がいた。その人間はアメリカの人間であった。その名も「スピード・ジョンソン」と言う。
スピード・ジョンソンはアモーレ・ヴィンチについて論文の中でこう語った。「私は長年の研究によりアモーレ・ヴィンチの正体を突き詰めるまでに成功した。そのため、この研究結果を皆に報告しよう。アモーレ・ヴィンチと言う人は、現実世界に存在しているのではなく、人間の心の中に生息しており、人間にとって煩わしい存在であることに違いない!」と、、、良いようにまとめたとは思うが皆、納得がいかなかった。皆は納得こそはいかなかったが、どちらでも良いと言う顔をし始めた。
それからと言うもの、皆に認めてもらったと勘違いをしたスピード・ジョンソンは鼻を高くした。
ここから、アモーレ・ヴィンチとスピード・ジョンソンの短い戦いが始まった。
まず、スピード・ジョンソンはアモーレ・ヴィンチは十字架が嫌いと言う仮説を立て、皆に十字架を配り着けさせた。しかし、十字架を受け入れられないと言う者達がいた。
そうすると、スピード・ジョンソンは、十字架をしない者達を殺すように全世界に指示した。各国は従った。全世界の半分が殺された。
次に、アモーレ・ヴィンチは世界の淡水の川から発生しているとして、淡水の川を全て枯らすようにした。
それからと言うもの、淡水の川が無くなった事により、様々な人が命を落とした。世界の殆どが死亡した。
ここから生き残った者は、二人しか居なかった。最後の二人は、自分だけ水を確保していたスピード・ジョンソンとその心に住んでいるアモーレ・ヴィンチだった。
その後、スピード・ジョンソンとアモーレ・ヴィンチは同年同日に亡くなった。
これで戦いは終わり、世界から人と人間が消えた。
近くにいたネズミが言った「人と人間は愚かだ。最強で最弱なのかもな。」と、ここでネズミはヘビに食べられて死んだ。
これは、半年間で起こった出来事だった。