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私はテイマーではありません 4


 次の日の朝。



 結局ベルさん達は帰ってこなかったみたいだ。朝になって用意しておいた食器は置いたまま手付かずだった。ギルドの方で何か問題でもあったのかと思ったが、問題があるからギルドにそもそも行っていたのだ。話し合いが難航したのだろう。


 いつもの朝御飯の時間になっても帰ってこないので食器は片付けてしまった。あ、私は勿論リンクさんもちゃんと朝御飯は食べました。作り置きが出来立てって最高♪



 クーちゃんは朝御飯を食べない時がある。そもそも幻獣は一切食べないものも居るらしいから別にどこから悪いわけではないので心配はしなくても良いらしい。実際クーちゃんは今日も元気にふわモコです。


 違った。


 今日も元気に私の周りを走り回っています。そんなにぐるぐる回っているとバターになっちゃうよ?



「クゥ?」



 クーちゃんの「なぁに?」攻撃! 私には特効が入り効果は抜群だ! 私は戦闘不能になって目の前が真っ白になった。クーちゃんの毛並みでね。

 顔をクーちゃんに埋めるのは日課になってますね。



「キャン!」


「どうしたの?」



 急にクーちゃんが私の腕を振りほどき飛び降りる。するとリビングから出ていってしまった。・・・もしかして嫌だったの?


 リビングから頭だけ出して廊下に出ていったクーちゃんを探すと直ぐに見つかった。クーちゃんは玄関でお座り状態でドアを見つめて何かを待っている様子だ。ベルさん達を待っているの?

 辛い体制で見守っていると後ろからリンクさんも様子を見に来た。暫く首をかしげていた彼だが玄関前のクーちゃんを見て納得したのかリンクさんも一緒になって見守るのだった。


 暫くするとガチャっと音をたててドアが開いた。防犯のために子供しかいない状況の時は鍵をかけているので開けられる人物は限られている。この家の凄いところは防犯対策が尋常じゃないくらいに厳重なところだろうか。

 例えば違う鍵を鍵穴に入れると1回目はセーフでも(間違えてしまう事もあるから1回目はセーフなんだとか)2回目に間違えると電撃が流れるとか。

 例えば鍵開けしようとしてピッキングツールを鍵穴に刺すと電撃が流れるとか。

 その他様々な防犯をしているそうだ。私もおっちょこちょいなので気を付けなければいけないのだがそんなことはない。実は生体認証とか高度な魔法で登録しておけば自動に鍵が開くという便利な機能付きなのです。もう魔法で科学でも再現が大変な事もいとも簡単に出来てしまうって少し複雑な思いだが便利なので良しとしよう。

 そうそう。実は鍵もスゴいのだそうだ。リンクさん曰く泥棒が開けようとしても電撃抜きでも不可能な凄い鍵で作りがとっても難しいそうです。もうどこから突っ込めば良いのか。



 と、話がずれたね。



 クーちゃんがまるで飼い主が帰ってきたときの仔犬の様にその人物の足元を走り回っていた。そう、帰って来たのはジンさんとベルさんでした。鍵を開けられて尚且つ外から入ってくるのはこの二人しかいないもんね。



「おわっと、こらこら歩けないだろ」


「クーちゃん踏んでしまうかも知れないからちょっと落ち着いて」



 二人はクーちゃんのお出迎えに微笑みながらも少し表情が固い。やはり何かあったのだろうか?



「お帰り二人とも」




 リンクさんが出迎えても二人の憂い顔は晴れることはなかった。




 リビングにて話があると言われ私とリンクさんはいつもの席について二人が話し出すのを待つ。



「急だけど私たちはこれから森の奥へ調査に行くことになったの。勿論あなた達は留守番をしてもらうことになるのだけど」


「何日かかる分からない。それに━━━」



 実は昨日調査に向かった上位冒険者からの連絡が無いらしい。その調査も兼ねて二人はギルドから調査依頼を受けた。何日かかるか不明で戻ってこれるかも分からない危険な依頼だという。

 突然の事に思考が追い付かない。多分頭が思考することを放棄してしまったのだろう。


 こうなるのではないかと思っていたとベルさんはいう。実は森の異変に森エルフ達は何の対策もしていなかった訳ではないという。彼らも何異何度か異変を調査しに森の奥へ入ったそうだが、予想以上にモンスターが凶暴化していたそうで彼らもきちんとした調査を出来ずにいた。怪我人も多数出ている。


 そんな状況を領主とその側近達はギルドに本格的な調査を依頼。そして先日調査に出た調査団は行方知れず。全てが悪い方に進んで見えた。



 街にいる上位冒険者はジンさんとベルさんだけ。こんな状況で街に上位冒険者が居ないのは大変危険な事だが森の異変を放っておくことは出来ず、国からの援護も見込めないので仕方ないのだそうだ。こういう時って国から何かしら助けがあっても良さそうだが、何でも国からは「そこまで危険な場所ではないのも考慮して国から援助は必要なし」と返答されたらしい。


 なにそれ。この街が重要でもないから滅んでも良いの?それもと楽観的に考えている?


 どんな国のでも末端は見過ごされるものなのだろうか。



 私たちへの説明もそこそこに二人は準備を早々に済ませて調査に出掛けてしまった。いつも無口ぎみなリンクさんはいつも以上に無口だった。きっと心配と不安で私よりも内心穏やかではないのだろう。だって両親だもんね。それは心配でしょうね。

 他人だけど私も心配だ。



 そして、その不安は的中するのであった。








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