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私は遂に手に入れた

風邪引きました。皆様風邪などにはお気をつけ下さい。


 気絶から目覚めた私は大事をとって今日一日は大人しく家で待機することになった。



 私には全く怪我などはない。攻撃も受けていないのだ。


 

 半日は眠っていたのでとても元気です。



「元気でも大人しくしていてくれ」


「何で私の心の声が」


「・・・声に出てた」


「!」



 なんと、私の心の声は口から出ていたのだ。なんて恥ずかしい失態だ。


 ・・・もしかして今も聞こえてます?



「?」



 どうやらさっきのはたまたまだったらしい。安心した。もし最初から全部心の声が声に出ていたなんて恥ずかしくて落とし穴に嵌まってでも身を隠したい。



「落とし穴に落ちるのはやめようね」



 なん・・・だと・・・今のは聞こえていたのでしょうか?



「いや、何となく?」



 やっぱり声に出てたんじゃないですか!!



 こうして他人から見たらコントのような掛け合いをしているのはリビングの暖炉前。この前ジンさんが突然狩ってきた(誤字ではない)カーペットが敷かれているので折角だからと靴を脱いでゴロゴロしてます。子供だから許させる所業をリンクさんは眠そうな半開きの目で見ていた。

 こういう時にスカートを穿いてる系女子だったならきっとこんな格好は出来ないだろう。ズボン万歳。

 とは言え、これはズボンでもはしたないとお叱りを受けるかもしれない。



 モコモコの毛皮のカーペットに寝転がり丸くなって暖炉の熱が心地よい眠気を呼んでくる。さっきまで眠っていたので筈なのに眠くなってくるとは。暖炉の暖かさというものは何か抗えない魔力があるのかと眠くなって思考力が低下している頭で考えていた。


 そういえば暖炉で焼いたらマシュマロ美味しそうだなぁ



「使う?」



 丸くなっている私に長めの竹串を見せて首をかしげているリンクさんは、私が食いしん坊だと思っているのか? まさにその通りでございますが何か?


 でも、眠気の方が食欲より強かった。何時もなら眠気より食い気だったんだけどなぁ。精神的に疲れているのか。気絶と睡眠は別物だと誰かが言っていた気がする。半日寝ていても精神的な疲れは取れなかったと・・・



 そこまで考えて私の意識は眠りに落ちてしまった。



 そして眠った私に毛布をかけてくれたリンクさんは暫く私が魘されないのを確認するとイスに座り本を読み始めたのだった。




 私が目を覚ましたのは数時間後のお昼頃。ベルさん特製スープを温める匂いで起きたのでした。


 その日はゴロゴロ自堕落な1日を過ごした。最近こんなのばっかりな気がしてならない。鍛練しているかクエストこなすかゴロゴロするかしか選択肢が無いんですよね。特に鍛練後は疲れて寝落ちするのが定番になりつつある。



 あの後私が倒したモンスターは何だったのか、どうなったのかと言うと・・

 あのモンスターは元々地中深くに棲むモンスターで滅多に出てこないレアものだった。

 外見はイタチの鼻が潰れたような顔に鋭い長い鉤爪、長い尻尾は土から出せば人を薙ぎ倒す凶器にもなる。潰れた鼻は犬よりは劣るものの人よりは鋭い。そして一番の武器はその優れた聴覚だ。

 地中深くに居ても地上の震動や音を感知できる優れた聴覚で感知して獲物を中から襲うことで狩りをする。その優れた聴覚のせいで人の生活圏には棲めず、本来の生息圏は静かな森深い場所だが、何か強いモノから逃げてきたのではないかとギルドでは推測される。現在森全体を調査中とのこと。

 そのモンスターの素材は肉以外は使える物ばかりでレアなのもあり売れば結構良い値で売れるそうだ。私には不要なので売ればウハウハだが、まだ売らない方針だ。

 保護者二人がギルドに呼ばれたのもこのモンスターの生息圏の調査のためと思われる。



 後日、素材を受け取りにギルドに行くとちょっとした事件があったのでここで紹介しておこう。




 次の日には解体も終わっているそうなので私はクエスト受注も兼ねてギルドに受け取りに行った。保護者二人は別件でギルドマスターに呼ばれたのでリンクさんに付き添われて受付に受け取りに行った。


 受付はギルドが経営する酒場にあるので少し酒臭い。朝から酒を飲むなんて暇な人たちが居るのだろうか?それともこれが休日の過ごし方?身体に悪そうだと思うのだけど。

 ガラの悪そうな人たちが奥の方に座っている。顔を赤くして酒盛りしている人もいた。陽気に歌ったいる人がイスに乗って居たら落ちたらしく悶絶している、痛そうだね。


 受付にはここ2ヶ月の間に馴染みになった受付さんが待っていたと手を振り笑いながら声をかける。


 あのモンスターは頭は大玉スイカ程度だったが、長い尻尾も含めると5mを超す大物であったそうだ。尻尾だけでも1mを越しているらしい。よくこんなのを仕留めたものだと自分に感心する。もう二度とごめんだが。


 解体した素材を持って受付さんは奥から出て来た。持って来たと言ってもその手に持つのはアイテム袋と呼ばれる大容量を収納できるアイテムだけである。

 リンクさん曰く、解体したモンスターの素材が量が多い場合はこうして素材を見せずに持ってくるものだそうだ。悪事を企む輩に目をつけられて奪われるのを防ぐためも有るらしい。

 でもアイテム袋を持っているのを見られた時点で目をつけられるのではないかと思うのだが・・・



「こちらが解体を終えた物です。リストと中身をご確認ください。」


「・・・・・・どれがどれ?」


「ん?・・・・うん、リスト通り入ってる」



 見た目で判別出来なかった私に代わりリンクさんが横から確認した。一人ではなくて本当によかったと思う。これどうやって判別するの? 家に帰ったら素材が入る袋に名前を書いて置かないと何がどれか分からなくなりそう。聞きながら袋に小分けして名札でも付けておくか?


 そんなとこを考えていると後ろでリンクさんが動いて私の真後ろに移動した。何事かと思うと、


「おう、坊主ども。身の丈に合わねぇーモン持ってるじゃねえーか」


「お前らのような子供が狩れるわけねぇーよな。どんなズルをしたんだぁ?」



 私を酔っ払いのオッサン達から庇うように私を背中に隠すリンクさんは無言のまま佇む。受付さんはカウンターから出てこようとしたが、



「俺たちに寄越してくれりゃあ、倍にしてかえsッ!?」



 その前に典型的な小物感漂う酔っ払いのオッサンが宙を舞う。


 そのまま数メートル飛ばされ床に落ちた。もう一人の後ろからジンさんが酔っ払いの肩に手を置いて何やら話している。内容はこちらには聞こえない。


 赤い顔を歪ませた酔っ払いは床で延びている仲間を引きずり急いでギルドを出て行った。その時肩を頻りに痛がるそぶりをしていたが何処かにぶつけでもしたのだろうか?


「ああいうのがいると冒険者への風評が悪くなるから困るわ。ごめんなさいね直ぐに助けに入らずにいて。ジンさんもありがとう助かったわ」


「絶対一人は居るよなぁああいうの」


「大丈夫?」



 この世界は人が宙を舞うは日常茶飯事なのだろうか? 最近はこんなのばっかりな気がしてならないのてすが。


 これ以降私に絡む輩は居なくなったのでした。ベルさんが後から来ると酒場がシーンと音が無くなったが何かあったの?



 三人はクエストで街の外に出るそうなので私も着いて行きたかったが、先日のことがあるので猛反対をうけたので大人しく訓練場で鍛練することにした。最近訓練場と家を往復しかしていない気もする。


 背中に背負う槍を手に取る。血で汚れていた槍は綺麗に拭き取られていて貰った時の新品同様であった。何処も欠けていなくて良かった。



 突き、斬り、突き、凪ぎ払い。穂先のついていない反対の柄の先で練習用のズタ袋を殴打する。槍の攻撃方法は以外にも多い。リーチを活かして使いこなす人はすごいと思う。私は一生無理でしょうね。



 先日のモンスターを仕留めた一撃は火事場のなんとやらだから実力では無いと私は思っている。



 そうそう、こんな風に思いっきり槍を振り上げて下ろして・・・・



 バッコーーッン!!



 音をたててズタ袋が巻かれた丸太ごと割れた。


 近くで見ていた教官があんぐりと開いた口が塞がらない様だ。


 私もこの威力に呆然としている。




 教官よりも早く立ち直り急いでステータス画面を見ると、「槍術」スキルが追加されてましたよ。

 ようやく現実に戻ってきてくれた教官の話ではモンスターを仕留めたことがスキル習得の引き金になったのではないかと言われる。普通の習得は鍛練をある程度していれば出来る筈なので私は余程才能がなかったのかと思うと複雑だった。


 モンスターと対峙してまでスキルを得たいかと言われると別に危険な思いをするくらいなら戦闘職は諦めて何か街の中で出来る仕事を本気で考える事にした私でありました。




 これは冒険者としての人生を早々に諦めた私の話。



 もとから私には戦闘職は合わなかったんですよ。そう思う事でこれ以上自分の無力さを見ないようにしていた。









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