私は・・・
私がベットに寝っ転がりながらゲームをしている。暫くすると女性の声に呼ばれてゲームの電源を切ってベットから降りて部屋を出て行った。そうか、ここは私の部屋だったなぁ。
一階に降りると父親と母親が茶の間でテレビを見ながら食卓を囲っていた。あの女性の声は母親の声だったのか。
私は足の低いテーブルの緑の座布団の場所に座ったて居た。私の後から弟・・・そう弟がやって来て私の横の座布団に座る。
楽しそうな食卓。美味しそうな料理・・・お母さんは和食以外は得意ではなかったと思うけど、いつの間にシチューが上手くなったのだろうか。いつも私がねだって作ってもらうとホワイトソースが玉になっているのに。
それにお父さんはこんなにも話をする人だった? いつも無口だけど優しかったのは・・・
弟は、こいつはこんなにも無口ではない。それに食べ方ももっと雑だったはず━━━?
視界が一瞬歪む
歪んで一瞬違う光景が見えた気がするが、またもとに戻る。しかしもとに戻ったが全体が霞んで━━━━
私の視界は完全に真っ白になったかと思うと
━━━━暗転した。
※※※※※※
パチリ。
唐突に目が開いた。強制的に開かれた様に限界まで瞼が開かれている。少し上瞼が痙攣するほど開かれているに一向に閉じれない現状に混乱するも、目に写った光景に余計に混乱するのだった。
今の私の視界いっぱいに薄い金色が広がる。苦しいほど抱き締められていると頭が理解するまでに数秒かかった。
私はベルさんに抱き締められてベットに寝かされていた。どういう状況なのこれ?
「本当に・・本当に!! 心配したのよ!!!!」
「良かった。目が覚めてよかった・・・・(ズビッ)」
「・・・門番が異変を感じて見付けた時には気絶したんだ。大丈夫?」
「だ、だいじょー・・ぶ?」
「いや、聞いてるのはこっち・・頭打ってないか?」
「無傷です。この状況が、分からないだけですよ?」
両者ハテナが飛び交う会話で緊張感がなく、私の場合は+締め付けられて余計に分からない状況何ですけど。ナニコレ?
私はあの後門番に発見されて保護して貰った。そしてモンスターは連絡を受けた保護者二人によってギルドに解体を依頼して回収済みらしい。それは結構どうでもいいのですが。
「冒険者を志すなら狩った生き物はきちんと活用しないと命が無駄になるわ。それは許されないの」
「特にあのモンスターは滅多に姿を現さないから素材を活用しない手はないよ。自分で仕留めたなら権利は主張しないと横取りするヤツがいるからな。それは全体に迷惑が掛かるぞ?」
「要らないなら後で素材を売ればいいよ」
冒険者の先輩三人に諭されて素材は貰っておくことにした。何か使えるかは不明だから当分使い道はないだろう。
ちょっと錯乱しているベルさんを引き剥がしてくれたジンさんも涙目で「良かった。良かった」と私が意識を取り戻した事を喜んでいたり、その引き剥がされたベルさんがジンさんの脇腹に肘鉄を入れたり色々とゴタゴタした状況が出来上がってしまったが何とか正気に戻ったので良しとしよう。そうリンクさんに諭された私だった。息子にフォローされる両親ってどうよ。
私が失神して一番始めに駆けつけたのは実はリンクさんでした。ちょうど採取してたところ酷い断末魔の鳴き声を聞いたので何事かと森を出ると南門付近で倒れる何者かと慌てる門番の姿があった。近づいてみると夥しい血痕と倒れる私を見つけて心臓が止まるほど驚いた。今年一番の驚きだったそうです。
私の脈動と呼吸を確認して無事を確認した後に門番に両親へと連絡を頼みモンスターの亡骸を回収してもらうファインプレーをやってのけた。ありがとうリンクさん。今度私のイチオシのお菓子を贈呈いたします。
ちなみに保護者二人は仕事に行きました。もう意識が戻った私に付き添っていなくてもいいと私が付き添を断ったからだ。それにリンクさん曰く二人に依頼が指名で来ているので早く行くように説得した。私は無傷だったのだからそこまで心配は要らないと言いたいが、半日意識不明だった為に強く言えなかった。
二人もギルドからの要請なので渋々家を出たのだった。
そしてリンクさんは今日はお休みなので私のお目付け役も兼ねてお留守番らしい。私って見ていないとやらかす子供だと思われているのだろうか? 否定できない。
さて、お世話になりっぱなしなリンクさんに贈呈するお菓子は何が━━
「チョコとカボチャのお菓子がいい」
「了解です」
今日もリンクさんは通常運転です。勿論、保護者二人にも何かお礼も兼ねて渡そうと思った私でした。後でリンクさんだけに渡すと拗ねそうだからね。特に私のジンさんのイメージでは拗ねると思う。拗ねるだろうなぁ。ベルさんはそうでもないけど喜んではくれそう。
ベットから出て着替えた方がいいと言われて自分の今の格好に気が付いた。━━━ネグリジェってこんなヤツなのね。寝巻きは昔からズボンだったので足がスースーする。世のネグリジェを着るご婦人達はよくこれを着て寝れると思った。
私普通に寝てたら大股開いてはだけそうで怖いです。それに何か薄い。きっと色の濃い下着は透ける。白いブラウス並みに透けるだろう。そんな今の私の状況にリンクそんの提案に納得する。
私が着替える為に部屋から出ていこうとしたリンクさんは思い出したと言って自分のポーチから何かを取り出した。
「モンスターの側に落ちていた」
「あ、」
リンクさんの手のひらには街から出る前に貰った御守りが乗っていた。どうやら私は手頃な物だと思ってモンスターを誘き出す為の囮にあの御守りを使ってしまったらしい。なんて失礼な使い方をしてしまったのだろう。しかもくれた本人に見つかったのだ。気まずい。
「そ、その・・せっかく貰ったのに、あんなことに使ってしまって・・」
「? 囮に使ったんだよね?」
「はい。すいません」
「何で謝るの? これは御守りに渡したんだから間違いじゃないよ」
無事で本当に良かった。微かに笑いながらそう言い残してリンクさんは部屋を出て行った。私は何故か御守りを受け取った格好で暫くすると固まっているのでした。
何故、思考停止してしまった考えても結局答えはでなかった。
結局、ベット横に立て掛けた私の槍が倒れた音で我に返るまで私は暫く思考停止していたのだった。何でだ?
これは・・・・何か始まりそうで始まらないそんな話。
貰った御守りはしまわずにポーチ横につけようと思います。




