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私は初勝利した


 自分の周りをぐるぐると回る赤い▼がマップに表示されている。時折(獲物)を探しているのか止まっては動き出すのを繰り返している。


 マップには近くには私とモンスター以外は表示されていないので多分生き物は居ないのだろう。それはこっちには有利に運べる条件だ。


 作戦はこうだ。



 私が動かなければモンスターは私の場所を感知出来ない様なので何か音を出して誘導して地面から誘き出して撃退する。単純だ、単純だが失敗すれば私は攻撃を喰らうリスクもある。

 正直恐い。だが、自分でどうにかしないときっともっと恐い目にあうと思うとこっちの方がまだましに思えるのだ。



 アイテムポーチに静かに何か音が出そうな物がないか手を入れて探す。何でもいい、耳を塞ぐ程の音でなくてもいい。何か、何か聞こえやすい音をたてる物は━━━あった。



 手に掴んだ物を静かに取り出す。少しでも私の場所を知らせればこの作戦はご破算だ。

 左手に持った槍は地面に落とさないように確りと握り締める。


 投げるのは少し離れた、けれど槍の攻撃範囲内。


 さあ、ここが正念場!



 狙った場所に投げた物が高い音をたてて地面に落ちた。するとその音の鳴った地面がモコモコと盛り上がり鋭い爪が見え次に頭と思われる土で汚れた物体が姿を現した。


 私は投げた瞬間から槍を持ち上げてモンスターが出てくるであろう場所に狙いを定めた。


 案の定出てきたモンスターの頭に勢いよく槍を降り下ろした。




 モンスターの頭に見事に当たり鈍く嫌な感覚が柄から伝わってくる。


「ギェェェェ!!!!」



 耳を切り裂くような恐ろしい声した。穴から全身が出るほど暴れて暫くすると動きを完全に止めた。


 もう死んでしまったのかと槍で突っついても反応はなく完全に死んでいるように見えた。



「・・・っはぁ~・・」



 やっときちんと息が出来たと思った。どうやら息を止めていたようだ。息苦しいと思っていたので納得する。止めてればそりゃ苦しいよね。


 モンスターに降り下ろした槍は当たったであろう場所に鮮やかな赤がこびりついていた。穂先の方を下に下ろしこれ以上滴ってくるのを防ぐ。自分の腕を見ると少し飛び散ったのか赤い点が一つ二つの付いていた。もしかするとからだ全体に付いているかもしれない。


 完全に沈黙しているモンスターをもう一度見て腰が抜ける。



 地面に座り込んで動けない私に遠くからの声は聞こえない。


 モンスターは恐いものだと知っていた。初めて見た豚頭も失神してもおかしくない程に恐かった。緑のヤツも棍棒を降り下ろされた時も恐かった。


 だが、自分で生き物の命を奪うのはもっと、もっと恐いと思った。未だに手にその時の感触が消えない。降り下ろした感覚が消えない。

 安心したのか震えが止まらなくなってくる。そうか、私は恐怖していたのかと今更に気が付いた。もうこんな思いはもう、もう勘弁してほしい。



 南門から門番が駆け足で駆け寄ってきた様だ。私はそちらを見もせずにただただ震えるくらいしか出来ないで居た。



 震えながらマップを見ると青い▼が二つ近づいて来ていた。そして灰色の▽が私の横、私から見たら目の前に表示されている。死ぬと灰色に表示されるのだと理解した。そしてそのまま気絶したのだった。








 私が目を覚ましたのは次の日の朝だった。





 これは私が初の戦闘で勝利したときの話。



 






 イメージはスイカ割り

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