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プロローグ

何か夢で見たので見切り発車ですが書いてみます。不定期更新ですがリハビリがてら書いていきます。他の作品は何とか終わらせたいなぁ。

 こんにちは。本日はお日柄もよく・・・・


 いや、曇りだったわ。


 オッホン。失礼


 唐突だけど私は今猛烈に怒りを感じている。何に?



 私の両親と弟妹たちによ。


 私の家はしがない男爵家。貧乏ではないけれど領地も小さいく、領民もたいしていない言っては悪いがパッとしない家だ。元々戦争でたてた武功で貰った爵位なので代を重ねる事数代、今では大したスキルもステータスも持たない一般人と同じでそろそろお取り潰しかと噂されている。本人たちは知らないだろうが。



 またも唐突だけど私は『二度目』の人生を今生きている。所謂転生とか言うやつだ。だが転生特典等と言うお得なものなんてなかった。あれば今のような状況は無かっただろう。


 この世界の事を説明しよう。この世界の名前は「イーリス」。確か元の世界の何処かの言葉で虹という意味だったはず。まぁそれはいいとして、この『イーリス』は前世の世界で言えばまさに剣と魔法の世界で『ステータス』やら『スキル』なんてモノが存在する世界だ。そんな世界に生まれ、五歳の時に前世の記憶を思い出した私は「ラノベかよ」と心のなかで愚痴ったのは仕方ないと思う。


 まあ、私ラノベとかよりもゲームの方が好きだったからラノベ読んだことないけどな。


 先程も言ったが家は男爵だ。貴族と言ってもイマイチなスキルしか持っていない父親と母親から生まれた私は、例に漏れずパッとしないスキルしかない。仕方ないだろう、スキルなんて血筋が関係しているのだから。『スキル』は基本的に血筋がモノを言う。スゴいスキルを持っているのは大体が大貴族(侯爵や公爵)や王族だし、伯爵以下の貴族はステータスと共にスキルもパッとしないものしか持たない。まぁ、貴族だったらパッとしないスキルでも、少なくとも二つのスキルを持っているものだ。父親と母親もスキルを二つ持っている。因みに、庶民は一つ持っていれば良い方。下手に突然変異でスゴいスキルなんて持ってれば貴族に囲われる危険がある為か、余程の野心家でない限り「スキル?そんなことより日々の食い扶持」とあまり期待されてないらしい。


 そんなスキルでもやっぱり当たりハズレがある。


 例えば、私の唯一のスキル『ドレスコレクション』は、貴族では良くあるサブスキル的なスキルだ。侯爵以上辺りなら、必ずと言っても良いほど持っている。全く珍しくもないスキルだ。効果は『カタログに載っている物なら着衣可能』と言うなんとも言えない効果なのだ。いや、私の状況ではとても助かっているけどね。このスキルのせいでネグレクトされていると言っても過言じゃないけどな!



 私の両親は私に多大な期待をしていたらしい。私の母親の祖父母は平民ながら冒険者として武功をたてた人らしく、今でも武勇伝が・・・今は関係ないか。


 まあ、その両親の多大な期待を一心に受けて生まれたこの私のスキルが一個、しかもありふれた『ドレスコレクション』と言う、衣服には困らないが武功たてて男爵家を再興したい両親にとってはハズレもハズレのスキル。しかも一つだけ。落胆はスゴかった訳だ。


 が。が、だ。


 当の本人の私からしたら良い迷惑だ。そんなことでネグレクトされれば、私だってひねくれる。堪ったものではない。元の世界の『日本』なら犯罪だ。他の国の法律は知らないが、人がやって良いことではないと私は思う。


 そんな、スキルに恵まれなかった私の今の状況は、まぁ死にはしないが愛情はない、無関心。これに尽きる。


 今の私の年齢は十二歳だ。少し発育不良気味だが、五歳以降は酷い病にもかかっていない、健康な子供だ。それじゃあネグレクトじゃないんじゃないかって? 残念、私が生きているのはお婆ちゃん侍女さんのおかげです。その人も、昨日風邪が原因で亡くなってしまったが。そう、両親は私が死のうが生きようが全くの無関心なのだ。私が二日ほど、お婆ちゃん侍女さんの看病で家を空けていても気づきもしない、そして今笑顔で朝食を弟妹達と取っている。


 因みに私の朝食を用意してくれていない。お婆ちゃん侍女さん以外の使用人は、皆私を両親と同じで見えないものとして扱っている。雇い主がそう扱っているのだから、そうなるのかなぁ。お婆ちゃん侍女さんは憤慨していたが。


 ただ今、楽しい家族の団欒から離れそれを見ている私は、彼らから見えない位置の庭の東屋で、固くなった黒パンと冷めた薄味の野菜屑のスープを早々に胃に流し込んで部屋に戻った。






かなしい話にはしません。お気楽に読めて最近良く見る話になるかもしれません。

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