表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「感情」がない俺と、「姿」がない君  作者: へーがたくちくかん
1/2

出会いというか、なんというか。少なくとも俺の運命はここで変わった。

わあ!? なんか気づいたら新作を書いている! 自分でもよくわからない。

収集不能!

その場のノリで書いた、黒歴史になるのかもしれない作品ですが、どうぞよろしくお願いします!

――俺には、生まれつき「感情」がなかった。

――それに不便さは感じなかったけど。

――少なくとも、一般人とは違う生活を送っている。

――だけど、それがなんだというのだろうか?

ある少年は、こんな言葉を日記に書き残した。


――私には、生まれつき「姿」がなかった。

――それに、不都合だとは思わなかったけど。

――「人間」に生まれたかった、とは思わなかった。

――別に、何かが欠けていても、幸せにはなれるし、誰かを幸せにできるだろうから。

ある少女は、そんな言葉をつぶやいた。


――少年は、一人いつもの道を歩いていた。

いつも、いつも、一人。でもそれにいわゆる「寂しさ」というものを感じたことはない。

――これが日常。

――これが普通。

そうとしか思っていない。


――少女は、一人住み慣れた森の中を歩いていた。

毎日、毎日、変わらない森。誰も来ないとはいえ、動物たちを見ることはできる。

――触りたい。でも、できない。

――声を掛けたい。でも、できない。

どうして、世界はこうもつまらないんだろう。

私は、どうして「幽霊」になったんだろう。

動物たちに触れず、声もかけられない。

唯一話し相手になるのは、自分と同じ「幽霊」だけ。

それに飽きたわけじゃないけれど。

どうしても、思うことがある。


――誰かと触れ合って、幸せにしたい、と。


別に、「幽霊」たちが嫌いなわけじゃない。

でも私は、こう思うのだ。

自分と同じように、「何か」が欠けている、欠けてしまっている誰かを、幸せにしたい、と。


少女はそう思いながら道を歩く。

すると。


「ん?」

今、何かと目があった気がした。でも、気のせいだろう。ここには俺以外、いない。

そう思ってそのまま進む。


「え?」

今、少年と目があった気がした。でも、きっと気のせい。だって、私は見えないんだもん。

そう思って、そのまま進みたかった。でも、なんとなく私は、この子には何かが欠けている、と思った。

だから。


「君!」


声を、かけてみた。まあ、どうせ、聞こえないんだろうけど。


「君!」

声が、聞こえた気がした。誰もここには、いない。そう思っていたけれど。

「君は……?」

体がうっすらぼんやり見えている少女がいた。

少女は驚いたように目を見開き。

「私が、見えるの……? 君って人間でしょ?」

この子は何をいっているのだろう。そんなの当然、とばかりに首を振る。

「どうして、私が……? ああ、でもそうか」

少女は自己完結したのか、一度言葉を切って。

「君さ、もしかして、普通の人にはあるはずの、何かがないの?」

そんな言葉を言ってきた。なんで、わかった。でもまあ、答えるしかないだろう。

「感情がない、とは昔から言われている」

少女は俺に向かって歩いてきた(足が見えていないので多分)。

「そう。なら、私が君に、感情を教えてあげる。――私、幽霊だけどさ」

この時の俺は知らない。

この出会いが、俺を変え、そして――思いもよらなかった事件に直面することを。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ