出会いというか、なんというか。少なくとも俺の運命はここで変わった。
わあ!? なんか気づいたら新作を書いている! 自分でもよくわからない。
収集不能!
その場のノリで書いた、黒歴史になるのかもしれない作品ですが、どうぞよろしくお願いします!
――俺には、生まれつき「感情」がなかった。
――それに不便さは感じなかったけど。
――少なくとも、一般人とは違う生活を送っている。
――だけど、それがなんだというのだろうか?
ある少年は、こんな言葉を日記に書き残した。
――私には、生まれつき「姿」がなかった。
――それに、不都合だとは思わなかったけど。
――「人間」に生まれたかった、とは思わなかった。
――別に、何かが欠けていても、幸せにはなれるし、誰かを幸せにできるだろうから。
ある少女は、そんな言葉をつぶやいた。
――少年は、一人いつもの道を歩いていた。
いつも、いつも、一人。でもそれにいわゆる「寂しさ」というものを感じたことはない。
――これが日常。
――これが普通。
そうとしか思っていない。
――少女は、一人住み慣れた森の中を歩いていた。
毎日、毎日、変わらない森。誰も来ないとはいえ、動物たちを見ることはできる。
――触りたい。でも、できない。
――声を掛けたい。でも、できない。
どうして、世界はこうもつまらないんだろう。
私は、どうして「幽霊」になったんだろう。
動物たちに触れず、声もかけられない。
唯一話し相手になるのは、自分と同じ「幽霊」だけ。
それに飽きたわけじゃないけれど。
どうしても、思うことがある。
――誰かと触れ合って、幸せにしたい、と。
別に、「幽霊」たちが嫌いなわけじゃない。
でも私は、こう思うのだ。
自分と同じように、「何か」が欠けている、欠けてしまっている誰かを、幸せにしたい、と。
少女はそう思いながら道を歩く。
すると。
「ん?」
今、何かと目があった気がした。でも、気のせいだろう。ここには俺以外、いない。
そう思ってそのまま進む。
「え?」
今、少年と目があった気がした。でも、きっと気のせい。だって、私は見えないんだもん。
そう思って、そのまま進みたかった。でも、なんとなく私は、この子には何かが欠けている、と思った。
だから。
「君!」
声を、かけてみた。まあ、どうせ、聞こえないんだろうけど。
「君!」
声が、聞こえた気がした。誰もここには、いない。そう思っていたけれど。
「君は……?」
体がうっすらぼんやり見えている少女がいた。
少女は驚いたように目を見開き。
「私が、見えるの……? 君って人間でしょ?」
この子は何をいっているのだろう。そんなの当然、とばかりに首を振る。
「どうして、私が……? ああ、でもそうか」
少女は自己完結したのか、一度言葉を切って。
「君さ、もしかして、普通の人にはあるはずの、何かがないの?」
そんな言葉を言ってきた。なんで、わかった。でもまあ、答えるしかないだろう。
「感情がない、とは昔から言われている」
少女は俺に向かって歩いてきた(足が見えていないので多分)。
「そう。なら、私が君に、感情を教えてあげる。――私、幽霊だけどさ」
この時の俺は知らない。
この出会いが、俺を変え、そして――思いもよらなかった事件に直面することを。