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想、  作者: 如月透
第零章
5/5

零-Ⅴ


あれから6日が経った。

想子は未だ帰らず、茜音と桜月も戻って来たと連絡もない。

想子が残した手紙は、想子が発ってからすぐに取り出したが、封を切るのが怖くて机上に放置している。




雨が一層激しく降っている。陽向は心が圧し潰されそうだった。

すると、玄関先から僅かに扉を叩く音が聞こえ、陽向は寝転んでいたソファから飛び起きる。





想子さん。




バタバタと音を立て、勢い良く扉を開ける。…が陽向の視線の先には想子ではなく、一人の女性が立っていた。





「……あ、え…鬼月さん」

「こんばんわ。…想子ちゃんは、いますか?」




鬼月穂村きさらぎほむら、セミロングの黒髪に蒼い瞳、眼鏡をかけた姿はどことなく暗い雰囲気を漂わせている。




陽向が想子や茜音の他に唯一話す事の出来る人間だ。




陽向は穂村の質問に正直に答えられず、『今はいません』とだけ返した。

瞬間、穂村の表情が曇る。





「そうですか。…何度か電話したんですけど出なくて。…嫌な予感がして」

「嫌な、予感ですか?」

「……どこかへ連れていかれる、感覚です。想子ちゃんは閉じ込められている…どこかに」





巫部島から出られない事を指すなら、穂村の読みは当たっている。陽向の背中に冷や汗が流れた。




が、穂村はこれ以上言及する気はなかった様で、腕時計に目をやれば『じゃあ』と口を開いた。





「帰ります。想子ちゃんが戻って来たら連絡下さい」

「あ、…は、はい」

「………陽向さん」





赤い傘から覗く彼女の瞳が真っ直ぐ陽向を捉える。

何もかもを見透かした様な蒼い色に、底知れない恐怖を覚えて陽向は、思わず後退あとずさった。






「……想子ちゃんは、待っていると思います」







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