第17話「逆撫でるもの」
テレポートを使い徐々に魔力へと近づいていく。ルーペ越しに見えている小さな魔力は近づくたびに大きく見える。
「マオっち。そろそろ人相が分かってもいいんじゃねえか?」
「オレもそう思うんだけど、どういうわけか分からないんだ」
「姿を消しているのかもしれねえな」
「それでも、このルーペなら見えるはずだよ」
「皆様、止まってください!」
ヴィーネが突然、声を張り上げた。その目には緊張と恐怖が入り交じっている。
「どうかしたの」
「ミルフィー様。何か嫌な感じがします。ワタクシの肌を逆撫でる感じが」
「もしかして――ドラゴンなの!?」
「恐らくですが。やはり恐怖は簡単に拭えるものではありません」
「ドラゴンだと!?」
マオはすぐさまドラゴンの魔力を探し始める。
あの時の恐怖を頭も身体も覚えているのだろう。どこかでヴィーネの気のせいであってほしいと願っている。
「どうだ? マオっち」
「……アルトスのどこかなのは間違いないよ。とんだ邪魔が入ったもんだ」
「行くの?」
「このまま知らんぷりはできないよ」
「しゃあねえ。行くだけいくか」
マオの身体にジャン、ミルフィー、ヴィーネが軽く触れる。
「貴女はここまでよ。ここから先は危険すぎるもの」
「あたくしも連れていくのじゃ! 除け者扱いは気分が悪い!」
「最悪死ぬかもしれねえ。それでもか」
「それでもじゃ。懐中時計とルーペをあたくしがあげたせいで死んだとあっては店の評判に傷がつく。あたくしが一緒に行けば、そうそう無茶はせぬじゃろう」
コノハは引かない。ジャンの目を見て食らいつく。
「しゃあねえな。マオっち。ボクの方からも頼むぜ。懐中時計とルーペをもらった恩がある」
「しょうがない、分かったよ。その代わり約束して。絶対に手出ししないって」
「約束するのじゃ」
コノハもマオの身体に軽く触れる。
「魔力は見えなくなった、か。それじゃ行くよ!」
追っていた魔力が見えなくなったことで気持ちを切り替えたマオは、意を決してテレポートした。




