第24話「星空」
すっかり陽は沈み、夜空には月と星が輝いていた。
「綺麗です」
「ここから眺める星空が好きなんだよ。マルギアだと建物が邪魔に感じちゃう」
「わたしも好きになったです」
「気に入ってくれたなら嬉しいよ」
「はい。とっても!」
草原の上に座り星空を眺めているマオとネルガ。
二人の少し後ろでは、カムアが星空を立ち見していた。
「星なんて見飽きたわね。アタシが辛い思いをしている間も、人のことなんて気にせず瞬いていたものね」
カムアは二人の背中に視線を移す。いつの間にか、ネルガがマオの手に手を重ねていた。マオは特に気にしていないようだ。
「マオくんの手、あったかいです」
「そういうネルガちゃんの手も温かいよ」
星を見ることも忘れて見つめ合う。端から見ればカップルのようだ。
後ろから光景を見ていたカムアは、「コホンッ!」とわざとらしく咳払いをして話しかける。
「ネルガ。アンタがマオに触れていると、マオが周りから見えなくなるの分かってる?」
「分かってるです」
「大丈夫だよ。もう戻るし」
「べ、別にいいわ! 忘れてなければいいから!」
「もしかしてお前……」
「何!?」
マオが自分をジーッと見てくるのに耐えられず目を逸らす。
そんなカムアの反応に「やっぱり!」とマオは頷いた。そして自信ありげに一言――。
「……お腹が空いたんだろう? オレに早く戻ってほしいんだろう」
「そうですかカムアちゃん! 気がつかなくてごめんです」
「違うから! そんなんじゃないわ!」
「照れなくてもいいよ。いくら星空を眺めたってお腹は満たされないもんな」
「食べることはわたしも大好きです!」
「うっさい! もう! そういうことにしといてあげるわ」
カムアは二人に背を向けて歩きだす。歩きながら反省した。マオにジーッと見られて照れたことを。




