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冬【詩or短文】

雪を燃やせば

作者: ふみわ

 寒い寒い冬の日に、大雪が降った。

 見渡す限りの見事な雪化粧。

 四方八方は雪で埋め尽くされ、まるで世界が真っ白になってしまったよう。


 真っ白な雪は無垢で愛おしいけれど、とても煩わしい。

 それがある限り、世界は冷たいままなのだ。


 いっそ、燃やしてしまおうか?

 けれど普通の火だったら、すぐに消えてしまう。

 どこかにない?

 雪を溶かす炎は。


 そう空中に訊ねたら、あると雪自身が答えてくれた。


 ──私たちはね、常に燃えてるの。人の心火によって。


 ──誰もが持つ怒りや憎しみを私たちは鎮めるの。


 ──寒いと人は無意識に心の炎を大きくしてしまう。だから、私たちが降り注ぐんだよ。


 愛しい愛しい──けれど、煩わしい雪たちはそう答えた。

 それを訊いた時、私は少しだけ、以前より雪が好きになりました。

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