季節の変わり目04
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保健室につき、付き添っていた先生は保険の先生に後を任せ、出ていくと椅子に座った火無菊の雰囲気がまたも変わった。
「はぁ‥‥やってらんねぇ」
足組みをしてため息と共に出た言葉は愛くるしいものではなかった。
「君はシュウくんだね。なにがやってられないんだ?」
消毒しようと手を伸ばす先生の手を弾いて睨む。
「俺に触んな。こんな傷舐めとけば直る。それにあんたら大人はイジメを見て見ぬふりだからな」
「大人だっていろいろあるんだよ。君はまだ子供だから。大人になればよくわかる」
「わかりたくねぇな。大人がそんなんだから俺達が生まれたんだ。こいつの傷をこれ以上、深めさせんな」
火無菊は自分を指さした。
ー俺達‥‥??
琥雅は首をかしげると火無菊は琥雅に気付いたのか睨んだ。
「俺はお前みたいな奴、大嫌いだから。ひながどう思おうと‥‥俺は認めない。ひなの命を弄ぶな」
「‥‥ボクは‥‥」
「チッ。めんどくせぇ‥‥」
先生は混乱しながら火無菊を見ていたため、面倒くさくなった火無菊は舌打ちした。
「俺は平気だけどひなが痛がるのは見たくない。手当なら早くしろよ。俺、気は短いからな」