季節の変わり目02
彼女は外見は不満体型。彼女は肩にかかっている自分の横髪を払うと地面に座り込む火無菊を睨みつけた。
「何の真似?」
「‥‥‥‥だから知らないって」
「何?とぼけるの?呆れた‥‥私の財布盗んだでしょ。立派な犯罪だからね!」
「‥‥‥‥っ。知らない」
彼女は火無菊の態度にさらにイライラしたのか黄色い財布を火無菊の前に投げた。
「あんたの机の中から出てきたんだよ。」
「‥‥‥‥っ。」
財布を見た途端、火無菊は表情が変わり、雰囲気も変わった。
さっきまでと違い、ボロボロと涙を流す。
それがさらに苛付きが増した彼女は火無菊の頬を叩いた。
倒れ込み、涙がさらに溢れ出した。
「泣けばいいって思ってんの?ねぇ‥‥」
「‥‥うぅ‥‥ごめんなさい‥‥」
溢れる涙を必死に手で拭きながら起き上がると火無菊と目が合った。
その目はとても動揺していて、幼き子のような‥‥
火無菊はよろよろとふらつきながらも立ち上がり、歩き出した。
その態度に呆れたのかそれ以上なにも言わなかった。
火無菊が教室から出ていった後、彼女は次のHRまで愚痴を言っていたに違いない。
琥雅はすぐに火無菊の後を追ったため、その後の教室内はわからないが先生が駆けつけたのは火無菊が出ていったすぐだった。
職員室から教室までは10分ほど離れているため、すぐには駆けつけられなかった。
目を抑え、壁に寄り添いながら歩いていた彼女を生徒は面白半分で見に行ったり、写真撮ったり。だけど助けようとする人は誰1人いない。